風よ吹くな

風よ止め
風よ吹くな
昨日の晩の彼のように
私は落ちたくはないのだ

松よ、信頼できる友よ
私が生まれたとき、君ならばきっと大丈夫だと言ったな
ともに雪降る野山を見ようと約束してくれたな
しかしどうしてだ
春の嵐を前に、君はただじっと地を見つめるばかりだ
松よ君は、私の枝とともに揺れてくれさえしないのか

柳よ、情緒のある友よ
君はどうして私に同情するのか
まるで私だけ何も知らないようではないか
地に落ちたあとのことなどよいのだ
川に流れようと、土にまみれようと
それは私の知ったことではないのだ

雲よ来るな
私を濡らすな
君の雨で
私の葬列をつくらないでくれ