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『僅かばかりの暗がりの果てを探しに』

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#小説

『僅かばかりの暗がりの果てを探しに』 2.

 自然と言葉が歩いてゆく。
たまにそういう文章に出会える。小説でもエッセイでも、「あ、これ勝手に書かれちゃってるな」っていうところ。レシピとかを読んでいてもそう感じることがある。
 流石に説明書では見たことないけど。
説明書の言葉が勝手に歩き始めたら果たしてどうなってしまうのだろう。どこに向かって歩いていって、どこまで歩いて行けるのだろう。あの子たちを自由にしたら、一体どんな遊び方をするのだろう。

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『僅かばかりの暗がりの果てを探しに』 1.

 もうやらない、もうやらないぞ、と自分に言い聞かせて14時間と少しが経った。
 日付をまたいで今日もやっている。
いつからかこんな自ダ落な(漢字が出てこない)生活態度になっただろう、と思ったが、生まれつきであったような気がする。いや、小学校では真面目な一児童だったはずだ。大人は怒ると怖いと私は知っていた。

 昨日の話をしよう。

はっきりと印象に残っている。コンビニの前、太ったノラ猫と赤いベンツ

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