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古柳幽
2024年4月17日 22:52
いつまでも渋っていた俺を乗せた車は昼頃には相変わらずなにもない田舎道を軽快に進んでいて、鼻歌混じりの母の独り言をBGMに、俺は揺られながら文字を追っていたせいで催した吐き気に緩やかな対抗をしていた。「吐きそうだったら言えよ、シート汚したら掃除が面倒だから」「吐きそう」「もう少しだから頑張れ」 自分が言ったくせに一向にスピードを緩めようとしないどころか加速している父に苛立ったものの、全