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少女とクマとの哲学的対話

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#哲学対話

少女とクマとの哲学的対話「ただ生きているだけでは価値は無いのか」

〈登場人物〉
アイチ……高校2年生の女の子。
クマ……アイチが子どもの頃からそばにいる人語を解するヌイグルミ。
〈時〉
2021年衆院選前

アイチ「ネット記事読んでいるの、クマ?」
クマ「うん、どうも、ここのところが気になってさ」
アイチ「どれどれ……ああ、れいわ新選組の山本太郎さんの発言だね。『何があっても心配するな、そういう国づくりをあなたと一緒にやっていきたい。生きているだけで価値がある社

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少女とクマとの哲学的対話「俗世とたわむれる聖職者たち」

〈登場人物〉
アイチ……高校2年生の女の子。
クマ……アイチが子どもの頃からそばにいる人語を解するヌイグルミ。
〈時〉
2019年2月

アイチ「仏教の宗派である、臨済宗と曹洞宗が、中学校の歴史教科書を発行する会社に対して、自分たちのことを、『禅宗』ってひとくくりにして記述しないでほしいって要望を出したっていうニュース読んだよ」
クマ「ふふっ、ちょっと面白い話だよね」
アイチ「えっ、どこが?」

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少女とクマとの哲学的対話「歴史と物語の違い」

〈登場人物〉
アイチ……高校2年生の女の子。
クマ……アイチが子どもの頃からそばにいる人語を解するヌイグルミ。

クマ「何読んでるの?」
アイチ「横山光輝の『三国志』だよ。三国志好きの友だちから借りてきたんだ」
クマ「いいね。血湧き肉躍る、歴史マンガの傑作だね」
アイチ「すごく面白いよ。これって、史実なの?」
クマ「横山三国志は、吉川英治という人が書いた『三国志』という小説を基調にしたもので、吉川

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少女とクマとの哲学的対話「ティッシュペーパーと、生きる意味」

〈登場人物〉
アイチ……高校2年生の女の子。
クマ……アイチが子どもの頃からそばにいる人語を解するヌイグルミ。
老人……一連のコロナウイルス騒ぎを苦々しく思っている。
〈時〉
2020年3月上旬

老人「まったく困ったものだ。例のコロナウイルスの騒ぎで、マスクの次は、紙製品がなくなり、次になくなるのは、米かカップラーメンか缶詰かと言われている。備蓄に回すのだそうだ。やれやれ、とため息をつかずにはい

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少女とクマとの哲学的対話「人生を楽しむためには?」

〈登場人物〉
アイチ……高校2年生の女の子。
クマ……アイチが子どもの頃からそばにいる人語を解するヌイグルミ。
会社員……人生をなかなか楽しめない。

会社員「野球の野村監督が亡くなりましたね。わたしは、監督とは一面識もありませんし、ファンでもなければ、アンチでもなく、また野球というスポーツ自体にも大した興味を持っていないのですけれど、かえって、そういう親しみのない有名人の死というものが身に染みる

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