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生涯思春期!

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2001年から2018年までに綴られた、珍才ちとくのちんけな珍話。 ゴエンがありましたら、ワンコインの暇つぶしにお付き合いください♪  ※全20編。『火星パンダちとく文学』に漏…
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記事一覧

竹包の友

今宵、私と布団を並べて、豪快な寝息を立てている男こそ、我が親友、我が竹包の友である。 幼馴染であったけれども、高校進学において離れ離れになってしまった。 それまで、どんなクラス分けになっても、常に徒党を組んでいたわけだ。 お互いのことで、知らぬことは無かった。家族構成、好いている女子、敵対関係、父親の仕事、成績表の中身、そして体の隅々に至るまで…

食わせて貰いながら大量に食べ残し、親に悪態をつく俺は、地獄へ堕ちるだろうか?

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ガラスの音で春は回る

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職を失うと男は

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ビンボーに乾杯!

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俺たち未関係。

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It is a good choice!

日曜日の午後、外で遊んでいた小学2年生の長女が食事に戻るなり「選挙行かなきゃ、選挙!」と声をあげた。 選挙は長女の通う小学校の体育館を利用して行われていて、近所の友達が朝一番で父親と投票してきたらしかった。私は行かないつもりだったが、昼食後長女に手を引かれて、渋々選挙会場へ向かった。 私は選挙が心底嫌いで、今まで一度も投票したことがなかった。理由を尋ねられても、その都度「よく分からないから」「興味ないし」と取り合わなかった。今日が初めての選挙?長女と歩きながら、選挙や投票につ

井桁の塔

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少年の狙い

晴天が続いたある真夏日の午後、団地内の焼けたアスファルトには、干からびたミミズの死骸が目立った。 毎年ある時期の、雨の翌日などにはよくあることで、誰も気に留めなかった。けれども子供たちは、程度の差こそあれ、みな一様に注視し興奮した。 その日少年は、自宅の棟の前で、ひと際大きい干からびたミミズを見つけた。友人宅に立ち寄り、連れだってプールに行く予定だったが、約束の時間まで少し余裕があった少年は、干からびたミミズの脇にしゃがみこんだ。よく見ると2匹のミミズが絡まっているように見え

誘い水あらば

×子(ちょめこ)は「ぶらぶらしてから帰る」と、母親と、遊びに来ている妹とその子供達に手を振った。 神社の喧騒は未だ収まる気配がなく、妹の長女は「×子姉ちゃんと行く」と駄々をこねた。×子は芝居じみた声で「ごめん、待ち合わせしてるんだ、内緒だよ」と小学3年生の長女に出任せを言って、参道の雑踏に紛れた。

泣くな!

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Cokan-Cookan~消えた紙飛行機と『大地讃頌』

秋の土曜日、穏やかな午前中、彼らが通う中学校の音楽室からは、遠い空に航空ショーを見ることができた。遥か彼方の航空自衛隊機は、ストライプを描きながら旋回と急上昇、急降下を繰り返していた。 中1のHB(エイチビー)らは、年間行事のひとつ「合唱コンクール」に向けて、クラス練習の最中であった。 曲は「母なる大地の懐に~」で始まる定番、『大地讃頌』である。

はじめての採血

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臨海公園

    一、定位置 いつも×造(チョメゾウ)は、風の無い晴れの日には、車椅子に乗って臨海公園へ通った。 臨海公園に行く時には、身なりを正し、財布に余裕を持たせるように心がけた。 ×造は、空いているベンチの隣に同じ向きで、車椅子を並べて固定することにしていた。