見出し画像

さようなら、塵たち

ホテイアオイを購入したら

水生植物や水耕栽培にハマった時期がありました。
植物は好きですが、虫は嫌だった私は、水(の中)で育つ植物に興味を持ったのです。
ポトス、モンステラ、多肉植物などを水耕栽培で育てていて、ホテイアオイの花が綺麗だったので何株かをメルカリで購入しました。
そして100均で購入したボトルに水を入れて、届いたホテイアオイを浮かせました。

ホテイアオイ

ある日、水が濁ってないか確認していたら、ホテイアオイの根に丸い気泡みたいなものがついていることに気づきました。
水中の植物か光合成で気泡を出すことはよくあることなので、最初は気にしませんでした。
だが数日が経っても気泡はなくならず、ずっと同じ場所についていました。
変だなと思った私はもっと近くから気泡を観察しました。
そしたら……

……目?

気泡の中に「目」がありました。
私は仰天してネットを調べ始めました。
後から知ったことですが、ホテイアオイの根は写真のように茂っていて、メダカの隠れ場や産卵場所としてうってつけとのこと。
そうです。購入したホテイアオイの根にはメダカの卵がたくさんついていたのです。
2022年8月、私はいきなりメダカを飼うことにになりました。

メダカは初めてなので

生き物がついているとは思わず、ホテイアオイを思いっきり消毒液に漬けていましたし、水のカルキ抜きなどもしていませんでした。
この卵たちが無事孵ってくれるか不安でしたが、メダカの卵は色んな環境でも耐えられるようになっているようで、無事メダカの稚魚を見ることができました。
餌も何もなかったので、取り急ぎ近くのコーナンに駆け付けました🚲
砂利と餌と酸素タブレット、そして水草を購入して水槽を作ってあげました。

塵だね!

稚魚たちの動画を父に送ったら、「塵だね」と言われて、そのまま塵と呼ぶことになりました。
管理に心掛けたことは特になくて、ただ「メダカは1リットルに1匹」というアドバイスだけはきちんと守っていました。
10匹超えるメダカたちを3~4本のプラスチックのボトルに分けて入れました。
個体の区別は全くつかず、雄と雌の区別もできないままでした。
交尾などをしてメダカが増えてしまったらどうしようとはらはらしましたが……
子育てするには環境が芳しくなかったせいか、そんなことは起こりませんでした😂
それでも体はどんどん大きくなっていって、メダカっぽくなってきました。

体が銀色になりました

引っ越し

100均のプラスチックボトルを何本も管理するのも手間で、メダカたちを纏めようと思い、7リットルの水槽を購入しました。
プラスチックだった水槽がガラスになり、透明度もアップしてメダカ生活がもっと楽しくなりました。
お部屋が広くなり、メダカたちも生き生きしているように見えました。

水耕栽培中のポトスを入れていました

写真の中の水草はアナカリスですが、あの2株からどんどん無限増殖して水槽を埋め尽くくらい成長しました。
でもそれでなんとなく水の浄化サイクルが上手く整ったらしく、水もずっと綺麗になり水苔が生えることもなく、管理の手間がぐっと減りました。
出張や帰省(韓国)で7~10日ほど餌やりができない場面もありましたが、自然発生するプランクトン?などを食べているのか、飢え死になることもなく元気でした。

そして、2年後

メダカの寿命は自然界では1~2年くらいらしいです。
一番長き生きた1匹が9月13日に亡くなっていましたので、ちょうど2年1カ月生きました。
私が作ってあげた環境は自然界に近いものだったのでしょうか💦
そう思うと塵たちにちょっと申し訳ない気分ですが……
塵たちはいつも間にか一匹二匹落ちいて、星になりました。
いきなり全滅したことはなかったので、環境問題というよりはやはり寿命だったのかなと思います。

生き物と一緒に暮らすこと

メダカは10匹以上いましたので、10回以上お別れをしたことになります。
そろそろ慣れてくれてもいいのに、沈んでいるメダカを見るたび、びっくりして心臓がドクンドクンします。
飼うつもりもなかったのにできてしまったから仕方なく飼ってはいましたが、どんだけ小さいくても死体を見るのはやっぱりものすごく苦手です。

生きているということは、いつかは死ぬこと。
生き物と一緒に暮らすということは、いつかは死んだ姿を見ること。

私は、メダカを飼い始めた時点ですでにそのことに恐れていました。
正直なところ、塵たちが全部いなくなった今は、もう死ぬことを見なくて済むからほっとする気持ちもありました。
そんな自分の気持ちを振り返りながら、なんて薄情なんだと、自分にちょっと引きました。
生きている時だけを愛でるのではなく、その生や存在自体を愛せるようにならないと。
愛せななかった自分にちょっぴり、虚しさを感じる事件でした。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集