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エンターテインメントの本質と理解

「人生はエンターテインメントだ。」
この言葉に違和感をもつ人はあまりいないと思うし、実際に僕もずっとそう思って生きてきたのだけれど(今も別の意味でそう思っているけれど)、最近この言葉に少し違った印象をもっている。

エンターテインメントという言葉の認識は、「派手で楽しくて表現活動でキラキラしていてみんな熱く盛り上がる」みたいなイメージがどこかまとわりついている。そしてそれが和製英語としてのエンタメの意味合いになっている。

そう考えるとこの一言のもつ納得感や説得力は強力だ。すべてをエンタメにしてしまう、人生丸ごとエンタメだと叫んだり、これからの時代はエンタメっすよ、エンタメにして見せましょうという言葉で、簡単に人を騙せそうな気がする(笑)

エンターテインメントとは接待のこと

エンターテインメントは英語でいうと「歓待」「もてなし」という意味だ。本書の中では「接待」と書かれていて著者の頭にパラダイムシフトがおこったと書かれているけれど、接待はレセプションなので、なんとなく少し意味が違うが基本は同じようなこと。「相手を歓ばせる」「最高のおもてなしをする」というのがエンタメの本質的な部分。

多くの人はエンタメを考える時に「自分→見る人、体験する人」というような矢印のベクトルで物事を考え、どうだ俺の表現よろしいでっしゃろ?ワテの創作どうでっか?ええでっしゃろ?ええでっしゃろ?というゴリ押しのイメージで表現し、それがさもエンタメだと語る。

けれど実は真逆で、「見る人、体験する人←自分」主客が転倒し主役はお客さん。それを徹底的に考えどうすればもっと歓んでくれるだろうか?どうすればもっといい気分になってくれるだろうか?前回よりもっと楽しんでもらおう、その視点からスタートし、すべてのことをブラッシュアップしていくことがエンタメ。その視点にたったときに、はじめて人が紹介する人になり、シェアされる人になり、話題になる人や出来事になる。

マスターベーションとエンターテインメントの違い

マスターベーションとエンターテインメントの違い。この視点で今の話題のツール(youtubeに代表されるSNS)を振り返っていくと、誰がエンタメまで昇華されていて、誰のものがマスターベーションなのかはっきりとマーケター視点で見ていける。そして数勝負ではないが、エンタメの本質を理解して物事をつくりあげている人はきっちりと結果につながっている。

表現の形としてでるものがエンタメなのではなく、エンタメ思考ともいうべき形にしていくまでの過程、プロセス部分に実はエンタメというのが潜んでいる。どの思考の過程で、この作品が生まれたのか、サービスやイベントが生まれるのか、その過程がエンタメ(今はストーリーともいう)なので、その過程ごとみせていかなければ、きっとその本質的なところまで人へ想いは届かない。

こうして出来上がったものは、ひとつひとつに意味があるものになる。ネーミングやロゴひとつとっても、相手が言いやすい、伝えやすいものか、これを仮に服にプリントしたとしてかっこいいものになるか、それを表現するデザインはどうか?作り上げるキャスティングはどうか?どのトーンがその人にあうのか?歓んでもらえるのか?また見たいといってもらえるのか?

勘違いと言い訳のはてに

結果をだせない人間ほど結果ではないといい

人から応援されない人間ほど数ではないといい

お金を稼げない人間ほどお金ではないといい

理解してもらえないマスターベーションほど理解されなくていいという

ちょっと待って、それは本当なのか?

この思考プロセスで考えぬかれたものは、時間はかかれど、必ず結果につながる。必ず応援される。必ずお金になっていく、必ず理解されるはずなのだ。そうでないものは、どこかで何かが破綻し、自己都合のいいわけを重ね、結果になることを捨ててしまっている。

人生はエンターテイメントなのではない。エンターテインメントにするのが人生なのだ。受け身でエンタメは完成しない。見え方がエンタメなのではない。ともすればなんの話題もない平凡な毎日をエンタメにしていく。誰かを歓ばせ、誰かをもてなし、誰かの活力になり、この人の生き様まるごと体感したいと思わせる。そういう人生にしていくことこそエンタメの本質なのだ。

便利な言葉に逃げずに、便利な借り物の言葉で語らず、目の前のたった一人のその人をどう歓ばせるのか、どうせならそれは誠実で大きな結果になるものが面白い。その一撃をどうすれば与えられるか。

奇をてらった派手なものがエンターテインメントではない。世の中の逆張りで目をひくことがエンターテインメントでもない(僕の場合はよく結果的にこうなる事が多いが)カメラのレンズを3つくらいもち、世の中からどう見えているかの通常レンズに加え、その人にフォーカスしていく単焦点やもっと視野を広げた望遠などを駆使して一番歓ばせられるところにピントをあわせていく。エンタメとはそういう泥臭くも美しい、生き様のことをいう。

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