最終章突入が前向きでええですな
*全文読めます。
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選手とゴールを結ぶラインに対して、いかにボールの軌道を交わらせるか。
うまく障害物を回避しながら、ゴールまでの最短ルートを見つけだす。
自分のパスで人を動かし、ゴールを演出する瞬間がなによりも好きだった。
「まためくらパスしたやろ?」
父が試合に来る日はその日の内容を一緒に振り返るのがいつもの決まり。
余裕を持てず、意図なくパスを出してしまう当時のクセに関しては耳タコほどに指摘を受けてきた。
中学からは一列下り、ボランチでプレーする機会が増えたことで、すべてのプレーに意図を持たせることにこだわり始めた。
ボランチはチームの心臓であり、良くも悪くも試合をつくる。
ビルドアップの起点となること、攻撃時でも守備に変わるときのことを考えておくこと、常に誰よりも先を考えてプレーするというのが父の教え。
その教えのおかげで、まったくの無名選手でありながら藤枝順心にも行けたし、センターバックにコンバートされてからはさらにピッチ全体を俯瞰できるようになり、その能力を買われて年代別代表でもプレーさせてもらった。
渡米して、前進を心がける、自分でゴールへ向かうというカードを磨くようになり、誰からも評価されるスタイルも磨いた。
言葉も通じないアメリカでも認めてもらえたのは、サッカーはどこへ行ってもサッカーであることに変わりなかったから。
そう思っていた。
ドイツで契約を結んだときくらいから、サッカーってなんだっけ?のような、暗くて見えない世界に迷い込んだ。
「私はあなたにもパスを出す」
「目をみろ、周りに合わせろ」
「一人でサッカーをしている」
ちゃんと考えればもっと出てくるかもしれない、意味がわからなかった言葉の数々。
その紐解きができてきたのはほんとについ最近。
仕事に関しては誰よりも思考を尽くすわりに、感情的な部分となるとたぶん「オラ、ワクワクすっぞー」レベル。
「この人いい選手やな」そう思ったら相手チームでばちばちやりたいタイプやし、でも、少しずつ、一緒にやりたいとなる気持ちもわかるようにはなってきた。
ポジションごと、シチュエーションごとの自分の活かし方、やりたいことからの逆算的な準備のやり方。
いろんなことがハマってきて、こっからや!って思ってたら切れてるんやもんな。
小5で疲労骨折を経験したように、感情任せにボールを蹴り続けてきた代償であり、最終章に入ってくための関門。
たかが靭帯と思えるくらいに信頼できる人たちもいてくれてるし、ちゃちゃっと乗り越えてこう。
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