存在証明
今年のぼくも忙しい。
忙しいとはいっても、自分で勝手にそうしているだけなのだけれども。
目下の目標は「前十字が切れたままでもプレーできることを証明すること」である。
エビデンスを持ってこいと言われてもなかなか難しい案件ではあるものの、そうも言ってられないので、今回もまた噛み砕いていく。
復帰の鍵1:数字と質での担保
エビデンスと言われてまずパッと思い浮かぶのが数字での証明。
前十字靭帯再建手術からの復帰の目安として、力の発揮における左右差を測定するのが流れとなっている。
要は手術した足とそうでない方での力の差が規定の範囲内に収まるまでは復帰することができないという、至ってシンプルな基準である。
ぼくの場合はドクターから手術しないなら自由意志だと伝えられ、結果として、ここの数値を一度も知ることなく前回は復帰した。
この背景と身体の歪みが取れるまでは鍛えたくないというこだわりが重なり、前回でのリハビリは筋肉にフォーカスしたトレーニングをほぼ行わなかった。
だから、今回でのリハビリでは、まずきちんとこの基準をクリアしようと思っているし、なんなら切れている方が強いという数字まで持っていく。
そして、プラスアルファで考えたいのが膝の状態や動きの質としての部分。
このあたりは靭帯再建手術後からの復帰におけるポイントとしても論文にまとめられている。(リンクはわかりやすくまとめてくださっているLifelongさんのサイトより)
こちらの論文における実験では、テクノロジーを用いることでトリプルホップ動作の質的評価を行なった。
結果として、左右の足での飛距離にはそれほどの差は出なかったものの、手術を受けた方の膝の力の発揮が弱く、その分を足首と股関節で補っていることがわかった。
このことから、単純な力の発揮の数値化だけを復帰の目安とすることは不十分であり、きちんとした運動回路をつくった上で復帰することが大切であることがわかる。
テクノロジーリソースの確保は大変かもしれないが、このあたりも頭を使えばある程度の代用は効くと思う。
だから、ぼくはホップだけでなく、様々な動作の質的評価を行い、最終的にはパワー測定の数値と合わせ、それらを説得材料として提出できればと。
復帰の鍵2:JISSによる研究の噂
前十字靭帯完全断裂の診断を受けつつ、オペなしで復帰しているうちに靭帯が治癒したという女子ラグビー選手がいるらしい。
直接話を伺ってみたいと聞きまわり、結局ご本人までは辿りつけなかったものの、JISS/日本スポーツ振興センターがオペなしでの復帰を推奨するべく、研究を進めているという情報が入った。
情報をくれた人によると、前述の選手以外にも別競技で似たような事例でのデータ提供があったらしく、お仲間は案外身近にたくさんいるのかもしれない。
なにはともあれ、前回は海の向こうのクラブのチームドクターに事実確認をするだけで限界だったのが、今回はこんなにも近く、かつ、これ以上はない説得力を持つ存在となるだろう。
なにがなんでも繋がって、研究・実験の質を爆上げすれば、もしかしたら誰かに繋がるまでのものを残せるかもしれない。
復帰の鍵3:経験者は語る
今回の件でなによりも心強いのが、前回のリハビリからピッチに立つまでの実体験。
結果としてそうなってしまったように、前回の過程では復帰まではたどり着けても、プレーし続けるには足りなかった。
今回はその足りなかった部分を埋めて、自分自身の存在をより密にするためのもの。
細かなふりかえりはまた次回の記事でするとして、前回の失敗からも多くを気付きを得ることができた。
今回の記事の内容と、前回の経験や当時の感覚を思い起こしながら擦り合わせても、向かう方向性はやっぱり間違っていないと思っている。
ぶっちゃけていうと、おそらく今の状態でも説得しようと思えば使える材料はある。
だけど、いま無理をして復帰したところで、ぼく自身が納得できる状態でないのは誰よりも理解している。
前回は当たり前にやるべきことをやらずのうちに復帰し、復帰できてしまった。
これはこれで、これからのぼく自身にとっては意味のある経験ではあるが、今回はきちんとアスリートが通るべき道を通る。
目標は切れたままで復帰することであると同時に、今回の挑戦は自身の存在証明としてのものでもある。
我思う、ゆえに我あり。
ぼくはぼくの思考を絶対に具現化するし、それを持ってぼくの存在を証明する。
そして、それが実現したとき、これまでの経緯で思うことを全部ストレートパンチに乗せて、ぶつけにぶつけまくってやるんや。
ぼくの行動原理はいつだってシンプル。
誰よりも文句を言いたい性格やから、文句を言える自分になること。
もっと強くなる。
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