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この世界に花束を

最近は少しお疲れモードで、ゆっくりと温かい湯船に浸かりながら、ヨルシカさんの「アルジャーノン」を聴くのが至福の時間。

幸せに満ち足りた心地の中で、なぜこんなにも美しいもので溢れる世界をわざわざ壊そうとするのかという気持ちにもなる。

もちろん目を背けたくなるような現実もたくさんあるのだけど、だからこそ人間同士で互いの足を引っ張っている場合ではなくて。

でもそういった現実が存在する一方で、ぼくが普段生きさせてもらっている日常はとても穏やか。

どうすればもっとよいサッカー選手になれるのかなんて、そんな能天気なことに人生を賭けられる。

それでも日々の競争の中で、肉体的にも、精神的にも疲弊するとき、つい面倒くさいとか休みたいっていう気持ちが浮かび上がってくることがある。

その一切を無視するのではなく、自分が感じるものとして受け入れつつ、いま生きられている日々こそ、小さな奇跡の積み重ねのようなものなんやろうな。

ただ、これは修行僧が長年の鍛錬を経て煩悩を乗り越えて開く悟りようなものとは違う。

ありがたみを理解した上で、理解しているからこそ、ぼくはぼくが納得できる道をつくるし、いつでも誰よりも楽しんで生きていたい。

フットボーラーらしく、真剣勝負を全力で楽しむ生き様。

美しい瞬間には、今までだって何回も出くわしてきたのだけど、ぼくもやっぱり人間やから、日々の雑踏の中でついついこの気持ちを忘れてしまう。

だから、記憶に残るかどうかのレベルを超えて、本能や遺伝子に刻みこまれるまで言葉にする。

ぼくはまだこれから選手として世界を熱狂させなあかんから、それだけで手一杯なんやけど。

きっと言葉にしていれば、きっといまこの瞬間も、このスクリーンの裏側の誰かが言葉を受け取ってくれているよね。

友だちが言っとった、口にすれば叶うんやって。

自分の力でって言うと全然ピンとこんけど、フットボールには世界を変える力があるって信じとる。


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