前十字靱帯断裂してみた
*まず今回の記事の内容を始める前に大前提として伝えておきたいのは、再建手術を絶対悪として捉えたり、そういったイメージをプロモートすることが目的ではなく、あくまで自身が抱えてきた疑問と向き合うためのものということ。
また、オペ後に再断裂もなく輝いている選手が友人レベルでもいるし、今回色々と話を聞く中で、マリノスの宮市選手はオペ前と比べてスピードが向上したりというお話も伺っています。
情報収集も、まずは論文などのエビダンス的なものより、個人的に信頼できると思う人たちから集めてきたものがベースなので、そういった点をご理解いただける方はぜひ読み進めてみてください🐶🌙
そもそもとして、日本に帰国してきてからは「単発で終わるより再断裂件数の方が多くね?」ということを周囲に対して感じ続けてきました。(あくまで自分の目が届く範囲での印象の話ですが。)
切ったら手術というのが主流となっていますが、その流れにただ乗るだけでいいのか、私の中では常に疑問でした。
また、持論の一つとして、スポーツ界の常識の多くは男性を中心として発展してきていると考えており、スポーツ医学もその例外ではないと思っています。
特に身体に関するところでのそれは、例え男性側にとっては正解になり得る事実であったとしても、ひょっとしたら女性側にとってはエラーに繋がってしまう可能性あるのではないかと考えています。
そんなことを考えていたからか、お前が当事者になってみればいいんじゃね?って言われたようで、今まで抱え続けてきた疑問と向き合うことにしてみました。
目眩と吐き気で頭がぐるぐるする最中でも、オペに関しては待ってくださいとはっきり発言するくらいには回避したい意志を持っていたわけですが、なにがそんなに嫌なのか。
まとめてみたのが以下になります。
・身体の負担
→ 元々の怪我ではなく、オペによる身体的ダメージ
→ 感覚的適応の難易度向上 (ハム、または膝蓋腱、および人工前十字靱帯のそれぞれ単体としての感覚。変化を全身と繋げた時の感覚。復帰後のボールフィーリングなど)
・精神的負担
→ 自分の意志や感覚の介入が難しいオペへの不安
→ 復帰まで6~8ヶ月って普通に長え
まず、オペによる身体的負担の側面から話していきましょう。
私のやり方として、怪我をしてしまった際は全体の繋がりを意識しながら受傷の原因を探るところから始めます。
怪我をするとつい患部に目がいきがちですが、大元の原因というのは大体別のところにあるものです。
忘れるくらいに前に受けた軽い打撲程度の損傷が巡り巡って大きな歪みとなることもザラにあるくらいで、その視点が抜け落ちると、せっかく患部を治して復帰したところで、パフォーマンスが上がらないどころか、再受傷のリスクを残したままとなってしまいます。
そのため、今回のカムバックの過程では今までの受傷歴や身体の使い方や感覚のクセなど、様々な観点を見直し、身体をリプログラムするくらいの気持ちでいます。
そうなってくると、そこから更にオペによる損傷からの回復、そしてオペによって変わる感覚のすり合わせの工程が増えることはシンプルにめんどくさいですし、自然発生とはまた違う、オペによる変化にどれだけ対応できるかというのは未知数で、回避できるのであれば回避したいところです。
そして、精神的負担の部分ですが、これははっきり言って私の性格の問題です。
オペやリハビリの腕を疑っているということではなく、前述の通りに未知数な領域がある中で、切った先でなにかが思い通りに行かなかった場合、私は一生後悔してもしきれないと思います。
一方で、やるだけのことをやり尽くして、それでも復帰のためにはオペしかないということであれば、最終的に思うようなキャリアで終われなかったとしても、やるだけのことはやった、これが自分の実力だと納得できます。
そして、それ以上にもっとシンプルに、復帰まで6〜8ヶ月ってなげー。その道のりを進んでいるチーム前十字のみんな、まじでリスペクトです。
オペ回避の意思が強すぎて、だいぶ偏ってきてしまっているので、オペで進む利点と、保存のデメリットもそれぞれでまとめてみました。(この辺りはリサーチなど、経過が進む過程で加筆があるかと思います。)
オペのpros:
・「競技復帰すること」を目的としたとき、現時点で一番確率された手段
・半月板や軟骨の損傷のような、二次被害的リスク回避(前十字は再建できるが、これらの組織はハードルがあがる?*まだリサーチ不足)
・リハビリの質により、感覚も限りなく近いところまで戻せる(らしい)
・復帰までの算段が立つので、復帰までの手順を逆算的に踏める
保存のcons:
・膝崩れによる、半月板や軟骨の損傷リスク
・復帰までの目処が立たない(下手したら、オペをするより時間がかかる)
簡単にまとめると、オペの最大のメリットはやはり「復帰すること」を目的とした際に一番確実ということ。
逆に保存でいく場合、復帰までの過程はもちろん、復帰後も常に二次被害的リスクを抱えながらのプレーになることが大きいようです。
一旦ここまでを考えるにあたって、様々な人から話を伺ってきましたが、特にベガルタ時代の大先輩である田原のぞみさんのお話はよりポジティブな方向に導いてくれました。
どちらかと言うと嫌悪感に近い感情をオペに対して持っていたものが、オペ先のルートでも明るいイメージを持てるようになったし、なにより、オペの場合はぱぱっと引退というのもまだまだ早計だったな、と。
私としてはそれがわかれば十分。
「オペをしてからやっぱりなかったことに!」ができない以上は、まず細心の注意を払いながらオペなしで進めようと思いますし、どうせならこれで最後までやりきちゃって、このGame Changer的な怪我の存在にとってのGame Changerになってやろうと思います。
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