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「バイオリン」 漫才

2人用の2分ネタで、表記はA.Bとしています。


A 〇〇です。おねがいします。

B おねがいします。僕、何かカッコいい趣味持ちたいなと思ってて。

A 趣味ねー。

B そしたらこの前、バイト先の先輩にバイオリン貰ったんですよ。

A バイオリン貰うなんてあるんだ。

B 要らなくなったバイオリンやるよって。

A それバイオリンで聞く事ないな。ギターとかで聞くやつだよ。

B でもいざバイオリン貰っても、どこで弾いたらいいかわかんないのよ。

A 急に貰ってもね。

B だから、毎朝近くの丘へ行って。

A 丘?

B 街に向かってバイオリン弾いてるのよ。

A めっちゃかっこいいじゃん!

B 近くに小鳥とか集まってきて。

A 素敵!

B 気付いたらお年寄りの方とかもたくさん聴いてくれるようになって。皆さんで歌を歌ったり楽しくお喋りしたり。

A なんて素晴らしい!

B そんな日々が続いて。ある日、いつものようにバイオリンを持って丘へ向かうと、昨日までなかった一枚の立て札があって。

A 立て札?

B 『私有地につき楽器演奏、禁ずる』

A 悲しいけど正しい!

B よくない? そのくらい。

A ちゃんと確認しないと。

B またバイオリン弾けるところ探したら、近くにカラオケ屋があって。

A カラオケ屋いいじゃん。

B 楽器演奏っていいですか? って聞いたら、もちろん大丈夫ですよって。

A 防音設備もしっかりしてるし、今度こそ思いっきり弾ける!

B みっちり5時間演奏して、帰ろうとしたら受付で「出禁です」って。

A なんで! 弾いていいんじゃないの?

B あれかな? 廊下で弾いてたからかな。

A 廊下で? 廊下で5時間? バイオリンを?

B そう。で、出禁。

A ただただ店員さんが正しい!

B また弾けそうな場所探して。

A 嫌な予感しかしないな。

B そしたらたまたま家の近くに『バイオリン弾いていいですよスタジオ』を見つけて。

A 『バイオリン弾いていいですよスタジオ』!? この世のどこよりもバイオリン弾くことに特化したスタジオだ。

B ここしかない! って嬉しくなって。で、テンション上がってドア蹴破って入店したら。「出禁です」って。

A ただただ素行が悪い!

B よくない? そのくらい。

A あなたバイオリン弾く人間の中で一番素行悪いよ。

B どこで弾けばいいんだよ。

A もうバイオリン諦めな。

B でもこの前、ちょうど良く音が響きそうな図書館見つけてさ。

A 確実に出禁だよ。いい加減にしろ。
     ありがとうございました。

B   ありがとうございました。

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