【MTGO Legacy】スパイデッキのマナ基盤を検討しよう
要約(3行)
召喚士の契約による敗北が嫌だったので不採用にした
一般的なリストに比べてボルトランドを増量した
マナ基盤の安定化と高速化のバランスの折衷案でしょうがなく金属モックスを採用した
黒緑スパイで召喚士の契約を不採用にしてみた
本記事では《召喚士の契約》を不採用にした理由についてまとめます。黒緑スパイを使う上で《召喚士の契約》に思うところがあり、不採用にしてみました。召喚士の契約の利点も多いですが、欠点も多く環境に応じて使い分ける必要があると考えています。今回は召喚士の契約の利点と欠点、環境にあってないと考える理由について説明します。
デッキリスト
現状のリストは次の通りです。《召喚士の契約》と《野生の朗詠者》が不採用になっていることがわかります。代わりに《金属モックス》と追加の黒のボルトランド《アガディームの覚醒》を採用しています。このリストは手にかなり馴染んでいて5-0を2回達成することができました。
召喚士の契約
召喚士の契約は好きな緑のクリーチャーをサーチする代わりに次のアップキープに2{G}{G}を支払わなければ負けるという0マナのインスタントです。協力な利点と欠点を兼ねた非常に面白いカードです。
レガシーのスパイにおける召喚士の契約
レガシーのスパイ(Oops, All Spells)は黒緑型の場合、《召喚士の契約》は色事故の回避と高速化、《活性の力》のコストを目的として利用されます。《野生の朗詠者》と《エルフの指導霊》によって、マナフィルターとマナ加速の両方を担えるためです。
実際、一般的なリストを見てもらうとわかる通り、黒マナカウントは《召喚士の契約》に大きく依存していることがわかります。
また、サイドボードにある《活性の力》をピッチコストで打つためにメインボードに緑カウントが必要になります。《召喚士の契約》を採用することで緑カードを12枚以上にしています。
マナベース早見表という極めて便利な情報によると、14枚以上入れていれば初手に1枚来るという言うように書いています。一般的なリストでは召喚士の契約を黒マナカウントして13枚であることからも黒マナカウントを召喚士の契約に依存していることがわかります。
置物破壊
サイド後は《基盤砕き》をサーチすることで置物破壊をすることができます。青黒テンポやミッドレンジデッキはサイドの的を散らすために《墓堀りの檻》や《虚無の呪文爆弾》などの置物を1~2枚程度を採用します。そういった《活性の力》を入れるほどでもない相手に対して《基盤砕き》をピン刺しします。それにより、1枚サイドインしただけで、置物破壊を5枚入れたことと同じ効果を持つのです。
召喚士の契約の欠点
さて、今まで《召喚士の契約》の利点ばかり書きましたがもちろん欠点も多々あります。召喚士の契約は次のアップキープに4マナ払えなければ負けてしまうのです。これは下記のいくつかの問題の原因になります。
思考囲いが唱えづらい
召喚士の契約は土地と違い瞬間的なマナ加速、マナフィルターであるため手札の思考囲いと相性があまりよくないことが挙げられます。一般的なリストの2ターン以上継続でマナを捻出できるソースはボルトランドの4枚のみです。そのため、手札に思考囲いがある状態でも利用できずにワンキルを目指さないといけないシーンが発生します。
サイドの消耗戦と相性が悪い
青系のサイドとして取られるザンティッドの大群はコンバットをして初めて意味を成すカードであるため召喚士の契約から緑マナを捻出することはできません。また、サイドカードを使用するのにマナ加速を打ってしまうと意志の力との交換で優位に立てないどころか相手のサイドで枚数差をつけられる可能性があります。
サブプラン運用とミスマッチが起きやすい
サブプランとはデッキを全部墓地に送った後、《ナルコメーバ》や《ポクスウォーカー》、《黄泉からの橋》によるゾンビトークンでビートダウンする方法です。《召喚士の契約》を使うとこの方法は取れません。当たり前ですが、コンバットをする前にマナの支払いができずに負けてしまうからです。
デッキをすべて墓地に送ったときに役割がなくなる
スパイによってデッキが墓地に送られたときに召喚士の契約が利用できなくなります。召喚士の契約はデッキからクリーチャーをサーチするためデッキがなければ意味がありません。そのため召喚士の契約だけが余ってしまうという事象が過去に何度も起きていました。
《召喚士の契約》不採用時のマナベース
さて、色事故や加速を落とさずに《召喚士の契約》を減らすことができれば召喚士の契約を不採用にすることができます。ここで、再度登場するマナベース早見表に記載されている魔法の数字14に近づけるようにマナベースを構築します。
非常にかいつまんで説明すると初手に1枚来てほしいカードは14枚入れればいいと主張しているわけです。スパイはサイドボードまで考慮すると初手で黒1、緑1が最低でも欲しいこと、マナ加速の能力は保持すること、もっと理想としては土地などの安定したマナソースが1枚は来てほしいです。この欲張りマナソースを実現するために今のリストにしています。再掲すると次の通りです。
黒マナカウント
ボルトランド2種8枚、水蓮の花びら4枚、金属モックス2枚で14枚です。一般的なリストと比較するとボルトランドが4枚多く、金属モックスが2枚多いです。デッキがかなり黒いので黒マナはかなり安定して供給できます。
緑マナカウント
ボルトランド4枚、《エルフの指導霊》4枚、《水蓮の花びら》4枚、《金属モックス》が2枚です。(緑カードが少ないので《金属モックス》を緑マナカウントするのは実は怪しいと思っています。)
安定マナカウント(土地など)
ボルトランド3種12枚、金属モックス 2です。
マナ加速
金属モックス2枚です。
召喚士の契約が入ってるリストの比べると-2になっているため加速はしづらくなっています。実際、ボルトランド3枚とかも来ることもあるのでここら辺は明確に一長一短になっています。金属モックスを4枚入れれば加速は維持されるのですが、金属モックスはスパイにあまり入らないカードですし、本来であれば2枚採用も無理していると思っています。スパイにおける金属モックスは過去の記事で検討しています。よかったらご覧ください。
結果
多分に運もありますがこのリストで5-0を達成することができました。感覚的には1ターン目に土地を置ける効果と召喚士の契約でマナフィルターする代わりに金属モックスを入れることでパクトによる敗北がないどころか次のターンも継続してマナが出せるようになっているため、不快感が減っている気がします。代わりにマナ加速が減っている影響でぎりぎりな試合も増えた気がします。
今後の課題
今のリストで明確に残っている課題としてはマナ加速の能力が下がっていること、サイドの《活性の力》が打ちづらいことが挙げられます。マナ加速の能力は一般的なリストから2枚減っているためその分、ワンキルがしづらくなっています。また、メインボードの緑のカードは8枚しか採用しておらず、ピッチコストで支払うのに十分な枚数ではありません。最低でも曲線の傾きが緩やかになる15枚前後は採用したいところです。
対戦動画
リストは少し異なりますが召喚士の契約抜きの対戦動画です。よかったら見て行ってください。
余談
《召喚士の契約》を抜いて《むかしむかし》を採用したリストを見たことで《召喚士の契約》を不採用にしてみようという動機になりました。
https://www.mtggoldfish.com/deck/6620101#paper
とはいえ、《むかしむかし》は過去の実績より非常に使いづらいことがわかっていたため、何とかそれを変えようといろいろ検討した結果、金属モックスの採用という結果になりました。