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読んでもらえない系文字書きが自分の小説を添削する 1
二次創作の小説を書いています。
Xや二次創作作品投稿サイト、主にPixivなんですけど、その辺りで作品を発表しています。
が、まあ反応をもらえません。
ジャンル界隈総数が1000人として、毎度いいねが5コとか6コ。
感想は2、3回もらったことがあるかなあ、というあんばい。
いまのジャンルに約2年と半年いてこのあり様です。
多分、読んでもらえてないんだろうと思います。
目に留まって、冒頭を読んでみて、「あ、これは読まないでいいやつ」的な分類をされてしまうのだろうなと。
そう言えば、先日noteにて、初めてオリジナル小説を投稿しました。
こちらも安定の読んでもらえなさで逆に安心しました。
スルーされる能力がずば抜けている文字書き。
それは私です。
旬なネタじゃない、王道いちゃラブ物語じゃない、そこに至るまでが長い、文章の言い回しが好まれない、宣伝不足、交流が苦手等々、読んでもらえない理由は無数に考えられるのですが、最近ふと思ったことがあります。
そもそも私の書く小説って、普通に、物語がおもしろくない、んじゃないの?
好きで書いてるなら反応なんか求めるなよ、という意見はちょっと脇に置いておくとして。
そろそろなにか対策を立てようと思いたった次第です。
スルーされる能力ばかりが磨かれていくってのもあれなので。
そこでその方法として、「自分の書いた作品を添削する」というのをやってみます。
結果のよくなかった試験を復習していく感覚です。
用意するもの
〇『共に在る者』 ←オリジナル短編小説
〇 『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』(ブレイク・スナイダー (著), 菊池淳子 (翻訳)) ←いつも参考にしている本
物語概要
時代は中世、場所はヨーロッパ方面にある架空の国。
王子キリアンは、国を牛耳ろうとする悪い大司教を暗殺しようとするが、従者トバイアスに止められたあげく、散々怒られる。
登場人物
キリアン:主人公。某国の王子
トバイアス:キリアンの従者
大司教フューラー:国を乗っ取ろうとしている悪い人
この記事は数回にわたっての投稿になる予定です。
以下に項目をざっとまとめました。
「★」マークがついている項目が、この記事で取り扱う内容となります。
SET UP
【口上】冒頭の文言です★
【Noteに投稿した本文】★
【問題点】★
①実を言うとこのビート、どう書いていけばいいか分かっていない
②全体的に状況がいまいち分かりずらい
③体感的に文が長い
【対策 ①②】★
[SET UP必要な要素は3つ]
1 ヒーローのひとまずのゴール★
2 ヒーローの日常★
3 何かが起きないと何もかも崩壊する感・停滞=死の瞬間★
[SET UPってそもそもなんだっけ問題]★
[5W1H]
◇ when、いつ★
◇ where、どこで
◇ who、誰が
◇ what、なにを
◇ why、なぜ
◇ how、どのように
【対策 ③】
【本文修正】
きっかけ
・
それでは、さっそSET UPからスタートです。
オープニング・イメージとテーマは割愛ということに。
SET UP
【Noteに投稿した本文】
鐘塔の影に身を潜め、キリアンは70m下の地上へと銃口をさだめた。
唇の端に微かな笑みが浮かぶ。
大聖堂正門の入り口は、青空を覆う雲の合い間から射す日の光のせいで、スポットライトに照らされたまるでステージのようで、この日を、いわくつきの大司教が最期を迎えるに相応しい場所を、天があつらえたとしか思えない。
死に際の薄らぐ意識の中で、この国を破滅へと導こうとした己の所業の数々をせいぜい悔やむといい。
万が一にも後悔する心とやらを持っていればの話だが。
先端を塔のへりにのせた狙撃銃を、立てた膝と左手でしっかりと固定する。
まもなく建物の中から、深い緑色の法衣を纏った初老の男が現れた。取り巻きたちに囲まれ悠々と歩く大司教フューラーを、スコープの中心に捉えたキリアンの長い指が引き金にかかる。
幕だ、と心のなかで言い渡し、指を引ききろうとしたその時だ。
視界がいきなり暗転し、キリアンはハッと顔を上げた。
【問題点】
① 実を言うとこのビート、どう書いていけばいいか分かっていない
② 全体的に状況がいまいち分かりずらい
③ 体感的に文が長い
【対策①②】
問題点をみると、根本が解ってない感がすごい。対策というか、それ以前。
まずは、SET UPに必要な要素を整理してみます。
[SET UP必要な要素は3つ]
1 ヒーローのひとまずのゴール
今回の作品『共に在る者』でのヒーロー、キリアンのひとまずのゴールは「大司教フューラーの暗殺」
2 ヒーローの日常
この日常風景はいつもどう書いたらいいのか困るところ。
「何かが起こる前の、怠惰な日常を送る、ダルそうなヒーロー」をどうかいたらいいのだろうと。
日常をダルそうに生きてるヒーローばかりじゃないですからね。
拙作のキリアンは、これから暗殺する気満々なので、ダルいとか言ってるばあいでもないしな、どうしようと。
でも、これは多分、あれなんだろうな。
「ダルそうなヒーロー」を描写しろってことではなく、
「何かが起こる前に、ヒーローがいる、時間と空間に比較的ゆとりが漂っている、その風景の中で、ヒーローがどう過ごしているか」をみせるんだよ、ということなんだろうな。
OKヒーローたち! 君ら、必ずしも「だるいわー」ってなってなくても大丈夫だよ!
3 何かが起きないと何もかも崩壊する感・停滞=死の瞬間
これはシャーロック・ホームズの場合なら
「このままずっと依頼がないSET UPのままでいたらつまらなすぎて死ぬかもしれない」が
「何かが起きないと何もかも崩壊する感」にあたる。
キリアンの場合は
「このままずっと大司教待ちSET UPのままだったら、明日、大司教が国の実権を握ってしま国が終わる」が、
「何かが起きないと何もかも崩壊する感」にあたる。
[SET UPってそもそもなんだっけ問題]
ど根本だけども、このビートの役割を振り返っておきたい。
このビートの役割は、「事件が起きる前の状況を説明するところ」。
「どっかの時間帯、とあるどこかで、誰か氏が、何らかの理由で、何かをしているよ、こんなやり方でな」というのを分かってもらうところ。
5W1Hだな、これ。ならば、5W1Hに当てはめてみます。
[5W1H]
◇when、いつ
本文の「青空を覆う雲の合い間から射す日の光のせいで」から、「午後ですよ」ということは一応わかる。
でも、「午後ですよ」だけだと、ちょっと弱い気がする。
なぜかというと、普段読んでいる小説や観ている映画や海外ドラマでは、もっと詳しい描写があるから。
多分だけど、「時」の描写は3つある。
・1日単位の時…「出発は早朝だった」「午後1時頃、待ち合わせ場所に到着すると」「当日の深夜、静かに家を出た」とかそういうの
・日数単位の時…「よく喋る依頼人が訪ねてきた日から1週間が経っていた」とか
・季節の時…「秋の高い空が」とか
「1日単位の時」と「日数単位の時」はどうも必須っぽい。
そうすると、本文で追加しなければならないのは「日数単位の時」だということになる。
それと、「時の描写」は1行目か、遅くとも2行目に入れるといいような気がする。「1日単位の時」「日数単位の時」「季節の時」のどれでもいいけれども。時の片りんでいいから、早く見せておく。「いつ」なのかがわからないと、ちょっと宙ぶらりんになるから。体感として。
今日はこの辺にします。
作者は体力がないので、最初から頑張りすぎると続かない予感がするので。
次回は ◇where、どこで からとなります。
それではまたです。
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