読んでもらえない系文字書きが自分の小説を添削する 2
いや、すべるんだよね。目が。
そんな小説ばかり量産してしまう二次創作の文字書きが、自分の作品を添削していくシリーズの2回目です。
前回はこちらに。
記事の項目を以下にまとめました。
★マークがついている項目が、この記事で取り扱う内容となります。
☆マークは完了した項目です。
SET UP
【口上】☆
【Noteに投稿した本文】★
【問題点】☆
SET UPを書くときに困ることや気になること☆
①実を言うとこのビート、どう書いていけばいいか分かっていない☆
②全体的に状況がいまいち分かりずらい☆
③体感的に文が長い☆
【①と②の対策】☆
SET UPに必要な要素を整理する☆
◇ヒーローのひとまずのゴール☆
◇ヒーローの日常☆
◇何かが起きないと何もかも崩壊する感・停滞=死の瞬間☆
SET UPのビートとしての役割は☆
SET UPの5W1Hを決める☆
◇when、いつ☆
◇where、どこで ★
◇who、誰が ★
◇what、なにを ★
◇why、なぜ ★
◇how、どのように
【③の対策】
【Noteに投稿した本文 修正したもの】
きっかけ
・
それでは、「◇where、どこで」からスタートです。
【Noteに投稿した本文】
◇where、どこで
本文の「鐘塔の影に身を潜め」から、
「鐘塔にいるのね」ということは分かる。
でも、これも弱い気がする。
弱いと感じる理由は、「鐘塔にいるヒーロー」がイメージができないから。
多分、「場所」に奥行きがないのがいかんのだと思う。
奥行きを出すために方法としては、
・位置関係…「今まさにヒーローがいる場所」と、その場所がある「もっと大きな場所」との位置関係を明らかにする。
・見える景色…ヒーローに「何が見えているか」が必要。「今まさにヒーローがいる場所」から、ヒーローの目に「見える」、ヒーローが「感じる」、ヒーローが「五感を使って得るもの」は何かな、というのが分かるといい。
あたりか思いつくところ。
あと、少し脱線するけれど、「その場所」の分かりやすさについても思うところがある。
作者の思ってる「鐘塔(ショウトウ)」は、
「ヨーロッパの大聖堂とかの脇に建っている、でかい鐘が置いてある塔」や「ヨーロッパによくある時計塔のような建物」
なんだけども、これ伝わりにくいかもなとうっすら感じている。
消灯、松濤、小党…変換しても、変換しても、「鐘塔」は、
永遠に出てきてくれないという現実からもわかるとおり、
通常、特に日本じゃ
「でかい鐘が置いてある塔」は
「鐘楼」
と言われるもよう。
「鐘塔」「鐘楼」でも、
要するに「お寺に関係ある大切なものを保管する役割や、見晴らし台としての役割を持つ塔」
という建物なんですけれども、伝わらないのでは意味がない。
これはもうわかりやすく「鐘楼」としてしまうのがいいかもしれない、
と思いかけたのだけれども、ちょっと一旦、落ち着いて考えてみたい。
「鐘塔」でなくてもまじでいいの、ということについて。
大前提として、作者は中二の宗教に入信しているので、「時計塔」などの「塔」が大好きだ。
「塔」にはロマンがある。
憂鬱な気分から逃れるように、校舎内にある時計塔にのぼったら、気だるげに煙草を吸う憧れの上級生に遭遇してしまって、「きゃ、不良だわ」と思いつつも、その様はえらく麗しくて「きゅん」としてしまう下級生。
ぎらっとした不審な光にいざなわれるように、息を切らして鐘塔へとのぼっていったら、敵同士ではあるが、密かに親友として心通わせてきた男が、自分の組織のボスを狙って小銃を構えている真っ最中で、「なぜ、なぜお前が…」と絶望するマフィア。
……………。
いいですね、塔。
ということで、やはり、ヒーローがいる場所は「鐘塔」以外に選択肢はない。
本当は、他にも山ほど選択肢があるということについては目をつぶえい、ここは「鐘塔」でいく。
ただし、「鐘塔」のイメージが容易にできるように、いっそ「ベルタワー」と建物の呼び方を変える、というのもありかもしれない。
もしくは「ヨーロッパの大聖堂とかの脇に建っている、でかい鐘が置いてある塔」ですよ、というのを、もうちょい簡潔に「説明」してしまうなどもいいかもしれない。
ここはちょっと模索が必要か。
〇 where、どこで まとめ
「鐘塔」と「鐘塔を保有している街」との位置関係の描写は、本文の中に確かに1ミリもない。
それから、「ヒーローは鐘塔から何が見えてるか」の描写。
この辺を書き足しで。
ヒーローがいる場所の「鐘塔」が、自然にイメージできるよう、「ベルタワー」と建物の呼び方を変える、もしくは「鐘塔」という建造物の説明をするなど調整をする
◇who、誰が
本文の
「鐘塔の影に身を潜め、キリアンは70m下の地上へと銃口をさだめた。」から、
「キリアンて人」がなんかやってるのねというのはわかる、
と胸を反り返らせていたけれど、今になってまずいと思い始めた。
何がまずいかと言うと、
「キリアン」とあるから、「ヒーローはキリアン」てのはわかるけれども、「で、そいつは何者なんだ」というのはわからない。
いや、宙ぶらりん感がものすごい。
私の思っている「キリアン」は、背の高い、筋肉質でガタイがいい麗しい王子様だけれども、
読まれる方によっては、ひょろっとした儚い系で目立たない風貌の村人Bを思われるかもわからない。
海外ドラマのシーズン1の第3話なら、「キリアン」だけでオッケー。
でも、今回は超短編で、狂おしいほどにシーズン1の第1話。
はじめてお目にかけるヒーローだから、「キリアン」だけとかそりゃまずい。
それからSET UPでは、「Aストーリーの登場人物全部見せる」ことになっていて、これに関しては今度こそ、まじで大丈夫かと。
本文
「いわくつきの大司教が」
「取り巻きたちに囲まれ悠々と歩く大司教フューラーを」で
ばっちり書いているからだ。
しかし、ヒーローよりも、大司教の方が、「そいつは何者なのか」ということについて詳しく描写されているきらいはある。
描写がない。
描写がしつこい。
どっちもいけない。
何事もバランス大事。
〇 who、誰が まとめ
「某国の王子」であることや、「若くして軍隊率いてるよ」「こんな軍服を着ているよ」、そして「こんな容姿だよ」といったことを本文に追加する。
◇what、なにを
本文の
「キリアンは70m下の地上へと銃口をさだめた」と
「先端を塔のへりにのせた狙撃銃を、立てた膝と左手でしっかりと固定する」から、
「狙撃?のターゲット?待ちなのかな?」とわかる。
いや、わからない。「?」がいっぱいついている。
「なにを」は明確に、きっぱりと、「なにをしている」がわからないとまずい。
ふんわりしてるなあ、本文。
作者は、「小説には情緒が必要で、直接的な言い方は無粋になるから使わない方がいい」という認識を持っている。
どこかで植えつけられた、ような覚えがある。
でも、それは時と場合によるというもの。
こと「なにを」では、情緒とかの場合ではなく、
一点の曇りもなく「なにをしている」のかわかりたい。
直接的な言葉は使ってもいい、使わなくてもいい、どっちでもから分かりやすく、わからせてくれ。
〇 what、なにを まとめ
「狙撃のターゲットを待っています」が明確に分かるように、本文を修正しないと。
◇why、なぜ
本文の
「死に際の~話だが。」から、
「国を牛耳ろうとする悪い人だから殺るんだね」と伝わればいいなあ、と思っていた。
違う、そうじゃない。
あぶない。
作者は「なぜ」のボタンを掛け違えている。
「なぜ」が「国を牛耳ろうとする悪い人だから殺る」ならば、
「なにを」が「狙撃している」であるはず。
「なにを」が「狙撃している」 ⇒「なぜ」が「国を牛耳ろうとする悪い人だから」。
でもこのビートでの「なにを」は「狙撃のターゲットを待っています」。
「なにを」が「狙撃のターゲットを待っています」 ⇒「なぜ」は「一発撃ち込んでやるため」。
このビートの「なぜ」は、
「いまいま、ヒーローが、していること」に対しての「なぜ」になる。
ここは、まぜこぜにならないように注意だ。
てか、なんぜ混乱してしまうのかわからない、といえばわからないけれど。
〇 why、なぜ まとめ
what「狙撃のターゲットを待っています」にたいしての、why「一発撃ち込んでやるため」を追加する。
その一環として、「どういう流れで狙撃するのか」もあるといいかもしれない。
今日はこの辺までにします。
次回は 「◇how、どのように」 からとなり、SET UPが完了となる予定です。
それではまたです。