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【朝の出来事を書き記す わたしの備忘録】


1の場面

同僚の川瀬さんに、引退するときは所有する天体望遠鏡を譲って欲しいと伝えていた。

川瀬さんの引退パーティー?のとき、いろんな偉いひとのスピーチを聞き、最後に川瀬さんがスピーチをした。

そこで川瀬さんは天体望遠鏡をある人に譲ろうと思う、と話された。

わたしの名前は言わなかったので何となくやきもきした。川瀬さんが譲る相手は誰だろう。最初に表明したのはわたしだ。

天体望遠鏡はそれはそれは大きかった。どん!と存在感があった。

2の場面

その場にいた見知らぬ男性、知っているような知らないような、たぶん同い年くらいの男性が組み立てを手伝ってくれた。

そう。川瀬さんは大切な天体望遠鏡をわたしに譲ってくれたのだ。大事にするね。川瀬さん。

組み立ての途中、ネジが足りたいことがわかり、男性とお互い「買いに行きますか」と顔をつき合わせて話す。

他にも数人手伝ってくれている人はいたが顔までは覚えていない。

わたしはネジを買いにその場所から歩きだす。場所はたぶん引退パーティーの会場だったと思う。

3の場面

遠くに、そうだな、20、30メートル先に父と母が歩いている。何か話している。

わたしは声をかけようと2人を追いかける。すると父の方は後ろも振り返らずにY字路の右の方へ歩いて行ってしまった。

わたしは父の後ろ姿を見届け、母の歩く左の方の道をいった。母はなかなか歩くのが早い。

歩いている道は天体望遠鏡を組み立て始めた場所から真っ直ぐに延びている道だった。

4の場面

わたしは横断歩道に差し掛かった。母はどんどん歩いて行く。わたしはさすがに見失うと思って走り出した。走って横断歩道をわたった。

母はちょうどきた緑色のバスに乗り込んだ。バスの前のドアから乗ったので、地方にあるような後ろから乗るバスではない。

わたしは、あっ、行っちゃったと思った。

それはそうだ、母まで10、15メートルくらいしか離れていなかったからだ。

声はかけなかったけど、あ〜行っちゃったと思った。母の乗り込んだバスの前を違うバスが通り抜ける。母の乗ったバスが一瞬視界から消えた。

5の場面

再び母のバスが見えたとき、その直後、母はわたしの存在に気づきバスを降りていた。

母はわたしを見ている。わたしも母を見ている。わたしは母に声をかけようと近づいていく。

2人のあいだは、10メートルは切っている。

わたしが母に大きな声をかける。なぜか、おはようございます、すいませんのふたつの言葉だった。

すると母は右手を大きく振り払う動作をした。その姿を見てわたしの動きが止まったつぎの瞬間、母の姿はわたしの視界から消えていた。

母は再びバスに乗ったのか、歩いてどこか約束した場所で父と落ち合ったのかはわからない。

ただ、母は困ったような顔をし、首を左右に振ったの覚えている。

6の場面

わたしは身体が痛くなった。気がつくと昨年の夏ごろから違和感を覚えた左腕のたぶん筋(すじ)が2日ぶりに緊張し、張っているのがわかった。

わたしはこれ以上違和感のないように、痛みがでないようにとゆっくり身体をくねらせながら、ゆっくりと身体に巻きつくようにかかっている布団をはぐ、身体をゆっくりゆっくり起こす。

ヒーターのスイッチを入れる。室温は8度。昨日からの雪はまだ降り続いているが少し弱くなったようだった。

わたしはそそくさとトイレで用をすませる。時計をみると朝の6時55分。

7の場面

布団にもどるまでにわたしは思った。そうか、母が困ったような顔をし、首を左右に振った場所、あれは三途の川だったんだ。

母が困ったような顔をし、首を左右に振ったのは、まだ来るなという意味だったのかも知れない、と理解した。

いずれにせよどのような形にせよ人はいつか死ぬ。

ただ今日はまだ来なくていいよという母のわたしに対する意思表示だったのだろう。

わたしは布団でごろごろしながら、スマホのメモ帳に母とのことを忘れないように書き出した。正しくは入力しはじめた。

早くしないと忘れてしまう。ポチポチ、ポチポチ、スマホに書いていく。ようやく入力が終わった。

さぁ、起きて食事をとろう。今7時47分だ。

さぁ、残された時間をどう生きよう。

ここまでが今朝がたみた夢の内容です。


...っていうお話。

🍙夢判断だと父の後ろ姿というのは夢を叶えるためには自分の努力と行動が1番の近道、母の困った表情などは今後のわたしの先行きを心配しているのだそうです。まったく弁解の余地はありません。お父さんお母さんごめんなさい。謝ることは猿でもできると怒られそうです。でもね。自分は今何をしていいのかわかりません。

撮影場所:栃木県真岡市
Photo by かしるい

20240116


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