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【Eye Love Youとはいかなかったちょっとした出逢い】
ゴールデンカムイを観た帰りのホームでテオくんに似た子に声をかけられた。
どきどきしながら話をおえると、テオくんは朝里で降りたかったのに、列車は朝里を通りすぎてしまった。困ったテオくんはこのホームでいったん降りたらしい。
快速は手稲をでたら小樽築港までは停車しない。
朝里には普通列車しかとまらないことを伝えると、目の前のテオくんは少し黙ったあと「わかりました。ありがとうございます」と深々と会釈をした。
その後テオくんはどことなく不安な表情を浮かべホームの端に2、3歩歩いたところで立ち止まって列車を待っている。
私とテオくんとのあいだはそれこそ2、3メートル。
この微妙な距離感が無言の間(ま)とともに私は苦手だ。
列車が来たのでテオくんに声をかけた。朝里に停車する普通列車が着いたからだ。でもテオくんは、まず小樽に寄ってから朝里に行くことにしたらしい。
ここで侑里さんなら何て言うだろう。
行き先は同じだから一緒にいきますって言うのかな。
私は何も言えなかった。
ぎこちなく「そう」とだけ呟いた。
そのまま小樽行きの列車に乗りこむ私とテオくん。
私は空いていた席に座る。テオくんは降車口近くに。
列車が南小樽に着いたとき、ドアがしまる直前にテオくんは小走りに列車を降りてしまった。
何となくぎこちなさだけが残った。
...って言うお話。
🍙テレビの観すぎですね笑
20240321