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【稲荷山公園】

平日の午前中に行ってみた。静まり返ってる。国道のすぐ脇なのにすごく静かだ。こんなに人気(ひとけ)がないと何となく怖い。たぶん他の人だってこわいと思う。

でも、今日はここに来たくなった。久ぶりに調子が良かったし、それに行きたくなったらどうしても行くっていう性格だし。そこは少し普段と違うかも知れない。

でも、ロールプレイングゲームみたいに案の定最初から怖くなった。心配性なのもあるけど、こんなとこに誰か隠れていたら逃げられないし、ましてこんな落描きもあるし。もう落ち着かない。

でも、不思議と足は前にでていく。こういう場所にくると私は普段とは違う面がでてくるみたい。ヴィジュアルアートが好きっていうのもあるけど、それよりもカメラを持っているからね。少しばかり怖いところでも歩いていける気がしてる。

それになんていうか、すぐとなりに一緒に歩いてくれる人がいて私を目的地まで案内してくれている気もする。うん、人じゃないね、おばけでも幽霊でも生霊でもない、そうだな、神さまなのかな。一歩踏み出す勇気を与えてくれる存在なのかな。私を見守ってくれている。

ここの展望台からは常陸利根川にかかる潮来大橋がみえる。澄んだ日には遠く富士山まで見渡せる。権現山も景色が良くて好きだけど、育った街を間近に感じられるのはここかな。私の母校が生まれた場所でもあるしね。

というのも、稲荷山神社のすぐそばに「潮来町立女子技芸学校跡」って書かれた大きな碑が建ってる。妹に言わせれば、明治に出来た学校で当時は先進的な学校だったらしい。女子技芸学校って何教えてたんだろう。お花、華道とか日本舞踊とかなのかな。

神社の横からは園内を散策出来る道が延びている。せっかくだから歩いてみた。不思議なサークルがあったり、政治家の顕彰碑があったり、ちょっとびっくりしたのが作家の菊池寛さんに名前が似ている菊池寛實先生っていう人の碑があったり。菊池さんは戦後の億万長者で炭鉱経営でお金持ちになった人みたい。

どんどん歩くと「稲荷山古墳群」って書いてある標識がでてくる。私の実家もそうだけど、この辺りは本当に古墳が多い。なんでだろう。古墳っていうから、へぇ〜って思うけど、ようはお墓だよね。今は鬱蒼とした木々が覆っているけど、近くには常陸利根川が流れているし、古墳を造ったときは木なんてなかったろうから、眺めは良かったんじゃないかな。

お墓のなかを歩いていくと…古墳群のなかを歩いていくと…案内板もないから、もうどこが古墳なのか全然わかんない。ところどころこんもりしたところがそうなのかな。歩いていくと、腐ちかけた看板がみえてきた。

遺愛亭跡、水戸光圀公御休処って書いてある。水戸光圀公ってあの水戸黄門さんのことだ。流石に知ってる。ここは黄門さまが休んだ場所らしい。でも地図には載ってなかったから何かもったいないよね。

小さい頃は私もおばあちゃんと一緒に黄門さまのテレビをみてた。きっと、おじいちゃんおばあちゃんは黄門さま大好きだよ。ここもっとキレイにして宣伝すれば黄門さまの好きな人がいっぱいくるのに、って思う。

そういえば、この公園には野口雨情さんと中山晋平さんの碑もあった。言わずとしれた童謡『シャボン玉』の作詞家と作曲家。童謡の世界では有名人。ここにあるのは潮来を舞台にした『潮来船頭小唄』の詩碑。

あとになって気がついたんだけど、雨情さんは意外に私の行くとこ行くとこにちらっと姿をみせてきてた。きっと何か縁があるんだろうなって都合良く考えるようにしてる。

なんかガイドマップみたいになっちゃった。
でもね、喧騒を逃れ少しのあいだ思索にふけるにはとても良い場所だと思う。

たまには、こういう場所に身を置くことも必要なんじゃないかな。私…。


…っていうお話。


撮影場所:茨城県潮来市 稲荷山公園

絶賛、勝手に潮来好き好きプロジェクト実施中!

20220131

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