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創作お悩み相談集「CP要素と話の軸」「プロットの破綻」「新鮮さと読者反応」「ワンパターンな話」「視点混在」

おツイッター回答に加筆修正+新規相談のおまとめです。

■カップリング(恋愛)要素が薄めで不安です

お嬢様ごきげんよう。
二次でカップリング創作に勤しんでいるのですが、ずっと悩んでいることがあるので聞いてくださいませ。

悩みというのは、自作のカップリング要素が薄めなことですの。
いちゃいちゃも甘々もえちえちも大好きですしそれらも書くことはあるのですけれど、一番書くのはふたりがただ仲良くごはんを食べたり、少しばかり距離の近いじゃれあいや会話をしたり、そんな話ばかりなのですわ。
それどころか、下手をしたらカップリングの片割れが相手について誰かに話す(惚気と呼ぶには淡すぎる内容)シチュも大好きなんですの。
これではカップリングのふたりすら揃いませんわね。
私自身は、そうしたなんてことない日常の端々に「このふたりは恋人関係なんだな」と思わせる描写が垣間見えるとそれはもう嬉しくなってしまうタチなのですが、きっとカップリング小説として求められているのはそうではないのだろうな…とたまに悩むことがあります。
私の中では完全に恋人同士でやることもやっている(お下品ですわね)ふたりなのですが、それが創作の最前面に出ていないのでカップリング要素は薄く見えますし、かといって+で繋ぐのは表記詐欺ですわ。
何より私は本当にそのふたりのことがCPとして大好きで、描写のせいでそれが伝わっていなかったら…と思うと歯痒いのです。

pixivにアップする分には、そういうのが好きな方がいたらいいな…と投稿するたびに祈るだけなのですが、同人誌の頒布となると、「私の本ではカプ成分が物足りない方がいらっしゃるのでは…!?」と心配になってしまいます。(本にする作品には意図的にえちえちシーンや甘い会話を多めに入れるようにしています)

お嬢様はカップリング要素が薄めの作品を読んだときに物足りなさを感じてしまうことはありますか?
カップリングへの愛を作品にわかりやすく落とし込むなら、やはり甘々なほうがいいのでしょうか?

アワワ❣もしかして少数派かも…と感じると不安になってしまいますよね💦インターネット・ハグをどうぞ❣

え〜〜〜〜!?!?カップリング要素薄めのブロマンス(※)系統って、人気ある題材だと思いますヨ〜〜⁉️⁉️⁉️⁉️

※「やることやってる二人」は厳密には「ブロマンス」ではありませんが、この場合作品内で見える範囲の印象として

たしかに、尖ったドスケベ!とか大恋愛!というのはわかりやすくて感想が言いやすくて騒ぎやすい。だから目立って、「みんなそういうのが好きなのね!」に見えるかもしれません。
でも、広い世をみればカップリング要素薄め作品は、多くの人が楽しめる特大ポテンシャルがありますヨ❣

たとえばドラマ化もされた「きのう何食べた?」は恋愛要素強めというよりかは、メッセジお嬢様が好きな日常系統ですよネ。あれこそまさに、カップリング要素がメインでないからこそ、多くの人がアクセスできる作品になってるのカナ〜と思います。

お二次の場合は原作にもよりますが、一般的には「カップリング要素を強めるほど原作から離れる」ので、逆に「原作に限りなく近い関係性の二人を味わえる」はものすご〜くアドですヨ❣
だから強みとしてバンバン売りに出せますヨ〜❣

甘々には甘々の、生活系には生活系のそれぞれの良さと強みがあるので、「どちらがいい」はありません👍

>お嬢様はカップリング要素が薄めの作品を読んだときに物足りなさを感じてしまうことはありますか?

母数1ですが、カップリング要素だけで判断したことはありません。それよりかは商業的な上手さか、逆に商業じゃないからこそ塗りこまれた偏執的な情熱やこだわりにビビッときますワ♡

【追記】
おたよりを受けて作風の分類をすると、ざっくり4パターン考えられます。

メッセジお嬢様の作風は「ブロマンス寄り」の「日常系」。

今までカップリング要素にだけ注目していましたが、実はもう一つ、日常か非日常かの軸もありましたネ。(ほかにもあるかも)

これもまた好みが出るところで、わたくしは非日常系が好きで、お友達は日常系が好き。他の多くの書き手の同人お嬢様も、日常系が好きなのかな~と作風を見ていて思います。読み手については分かりません。結局おジャンルしだいネ。

つまりファクターは、カップリング要素の他にもありうる!ので、他にもいろいろ軸を探してみると、分析の役に立つかもしれません。

どれがいいかとかは、特にありません。人気ランキングの1~100まで全部好きな人がいないように、違う人間にそれぞれ違う好みがあるので、自分と同じ琴線の方に楽しんでもらえばOKです!

自分の強みをいかして、楽しい創作活動ができるように応援してますワ〜❣❣❣❣

■破綻のない話か、書きたい話か

ペチカお嬢様、ごきげんよう
いつもお記事大変楽しく拝見しております♡

私、これからはじめて長編同人誌の執筆にチャレンジすべくプロットを練っているところですの
(ペチカお嬢様の長編エンタメ小説講座、たくさんメモを取りながら拝読いたしました…!)

プロットに関してご相談させていただきたいことがあり、メッセージを送らせていただきました
今の私は以下の2つのプロットのどちらを採用すべきか迷っているところですわ

①ストーリーの破綻はないが、代わりに起伏が緩く、書きたいことが6割ほどしか入れられないプロット

②ストーリーがご都合主義/独りよがりな気がするが、①案よりドラマがあり、書きたいことも全て入れられるプロット

はじめに考えたプロットは②の方ですの
ですが時間をおけば置くほど②案から漂う書き手の独りよがりというか酔ってる感みたいなものがすごく鼻につく気がしてしまいます……
お同人誌は書きたいものを書く!書きたくて書く!自分ウケでなんぼ!とも思いますがやはりスッと無理なく読める話を書きたいという気持ちもあり、どうにも決めかねております……

ハワワ❣講座を一生懸命見てくださってありがとうございますワ❣

②②②②②②②②②②②②②!!!!!!

破綻がないか気になるのは自分の作品を100回反芻した作者視点のことなので、楽しく書けるほうがオススメです!つまらないなーと思って書いた文は読む方にもつまらなくなりがちなので……

例えばドラゴンボールでは月が2回壊されて、それから復活がなかったはずなのであの世界ではもう月がないはずなのですが、それを気にする方はかなりの少数派で、たいていの読者は楽しんで読んでますよネ❣

お同人なら読む側はとくに、理性を失って読んでいることが多いです。よっぽどひどくて読書体験を損う――ではないなら、面白さ重視で問題ないです❣

つまらない、ノってないと「ちょっと至らない点」が目立って見えるし、逆に面白さと勢いがあれば、少々の破綻には気づかないし、気づいても笑って許せます!
(たいていの名作だって、ファンから「そういえばあれって……」とこすられる箇所があります。それは批判やアラというより、愛すべき箇所ですね)

もし気になるなら、お友達やAIにシナリオの破綻について相談するといいですヨ👍ただし答えを求めてではなく、相談する過程でシナリオを声に出して、あるいはテキストにまとめるほうが大事です❣
そうするうちに情報が整理されて、自己解決することも多いですヨ❣

執筆、応援してますワ〜❣❣

■超長編の後の中編があまり……

こんにちは。いつも楽しく拝見しております。本日は相談があり、お便りを投函いたしますわ!

私は二次創作を趣味にしているしがない長編字書きでございます。先日30万字弱の超長編を発表したところ、めちゃくちゃに反響をいただきました。嬉しかったです。長編が読まれないなんて嘘だった、頑張ればどこかの誰かに届く!そう思えました。
いただいた感想の中には「原作に次ぐ聖典」とまで褒めてくださった方もいらっしゃったので、これからも長編を書いていこうと一層気合いが入りましたわ!

ですがその後軽めの中編(7万字ほど)を発表したところ、ストーリーはきちんと練って描写も丁寧にするよう心がけたのに、あまり数字が伸びませんでした。
30万字を読む方が多くいらっしゃるジャンルなら、7万字の小説が読まれないはずはない……なぜ……?そう疑問に思った時、一つのことに気づきました。
もしやこれは、過去の自分が読み手の皆さまを長編に目覚めさせてしまったが故に、長編を求められているのでは!?と戦慄いたしました。
長編専門お嬢さまがあまりいらっしゃらないジャンルでクールにスッと発表したので、もしかしたら「**さんはこれくらいを当たり前に出してくるんだ!」と思われているのかもしれません。
ですがそんなことないんですの。お嬢さまにはご理解いただけるかと思いますが、読んでいただける話を30万字書くのって……いくら長編書きだろうが実は結構かなり大変で……。

わかっています。乗り越えたいと思うのなら乗り越えるしかありません。私は高潔なるお嬢さまを目指し邁進する人間なのですから。
しかし今、事実として、私の前には過去の私が死に物狂いで書いた「30万字の超スケールハピエン長編」というデカすぎるハードルが立ち塞がっております。
そこでお嬢さまには、「過去の自分」というハードルを越える上での心構えをご教授いただきたく思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

30万!?!?!??!?!
それは……それは、大変な道のりでしたネ!何か月、いや何年かかったのですか!?エクセレントですワ~~!!!!!

いま、「短編より長編が読まれづらくて悲しい」という方への相談回答お記事を書いていたところだったので、それは【朗報】になりますワ!

>ですがその後軽めの中編(7万字ほど)を発表したところ

それはいつですか!?
一週間後か、一年後かで結構話が変わってきます!

というのも、「30万字」というのはやっぱり、みんながびっくりすることなんです。
おジャンルに長編専門がいないなら特に、珍しさの希少価値でいうと激レアSSSSSSRですね。

だから話題になるし、「じゃあいっちょ登山してみるか」という気持ちで「読もう!」となったんだと思います。登頂できたら偉い登山みたいな気持ちで、挑む側面もあった。

三体」とか京極夏彦作品とかも、そうですよね。
もちろん作品が素晴らしいのは当たり前!でもどこか、「これを読み切ったら偉い、読む力がついてきたと思う」読者の登竜門的な存在でもあります。

特に我々長文字書きは長文を読むのも当たり前ですが、一般お嬢様にとって「読む」という行為は体力がいりますからネ……!

新鮮パワーが最大だったのが前回の30万字投下時です。
メッセジお嬢様に至らないところとかは何一つなく、ただただ新鮮さと慣れの問題。

中編投下のタイミングが、1年後とかなら、再度祭りみたいになると思います。
ただ一か月以内とか、わりとすぐであったなら、ちょっと……刺激に慣れちゃったかも。
十分すごいし偉いんです!でも数字が大きすぎて、麻痺してるんです!

「100年に一度あるかないかの神が降臨した、次がいつか分からない初回の祭り」が前回だとしたら、一か月以内で次がくるともう、次あることはその次もあるっしょという「月例行事」になっちゃうんです。誰でも、仕方ないのです……!

これですね。

よって、「次も30万字で」「もっと長く」「クオリティ」とかの問題では、ないんじゃないかな~と思います。そうだったら、世の中どんどんインフレしてくので。

単純に、頻度の問題だと思いますヨ!

特に前回、熱のある反応をくれた方は、「今回もしなくちゃ」と意気込んでしまうか、あるいは「前回感想送ったし、しばらくは私が送らなくてもいいよね」となるかも。
一定期間内に人が与えられる熱意の量も、ある程度決まってるので……!
「前があったら次も」と期待してしまうのは人のサガですが、送り手は送り手で毎回反応できる方は少数派なので……!

あと単純に、これが「100年に一度の祭りではない」と分かったら、人は安心します。
既知の作家で「いい」のが確定ならば特に、「次の連休に、家を掃除してとっておきのお紅茶とお菓子を用意して、ふわふわルームウェアを着て読もう♪」というご褒美になっているかもしれません。

なので、もうちょっと待って~~~~!!!!楽しみゆえに「まだ読んでない」お嬢様が結構いるとおもいます。

長いものほど、お感想はすぐには来ない……です。

ここからは「どうするか」ですけど、投下速度を他人のために遅らせるのもどうかと思うので、やる気のままに書いて大丈夫!

さて、前回を超える必要って、ありますか?

たとえば他人依存の数字って、かなり水物。
長いジャンルで、1回目にアニメ化されたのが2018年で、二回目が2022年だったとして、「人気ランキングが全部2018年の作品」みたいなケースはいっぱいあります。
そんな状況で2024年にいくら過去を超えようとしても、かなり厳しいです。条件が違うのだから、

30万字バブルもアニメ化バブルのようなものなので、「バブルだったんだ」と割り切って、あまり気にしないのがいいと思います。
(次40万字を書いても、30万字より反応が大きくなるとは限りません)

過去とは比べず絶対評価で、そのときそのときで、見てくださった方に感謝していくのがいいカナ~と思います。

一度、マイナージャンルと大手ジャンル、どちらにもハマってみると、「悟り」が得られます。結果の多寡は自分の実力にあまり関係なく、偶然目に触れるかどうかという母数の違いなんだな……という悟りが。

さいごに思い出として、今まで書いてきたのを本にしませんか?
「長編はPCやスマホじゃ読みにくい。本で読みたい/本としてコレクションしたい」という方もいるので、長編ほど本にするのがおすすめです!全部ウェブ公開済みでOKなので。

本だとなおさら反応速度が遅くなる、のが当然だし、メッセジお嬢様ならきっと、嬉しさあふれるハピハピな結果になると思いますワ!

これからも、楽しい執筆活動を応援してますワ~~!!!!

■お話がワンパターンになってしまいます

ペチカお嬢様ごきげんよう
わたくしの悩みは書く話がどれも展開が同じになってしまうことですわ!!!
具体的に言いますと

両片思い→すれ違いから関係がこじれる→他人の助言で受けが告白→ハッピーエンド

気がついたら上記の繰り返しの話が私のpixivに並んでますの!!!
すれ違いで心を痛めるシチュエーションが大好物なので、すぐそのような妄想をしてしまいますのも要因ですわ。
「わたくしは両片思いすれ違いハピエン屋さんですわ〜!!」と開きなおれば良いのでしょうけれど、別の商品もメニューに並べたいのですわ!!
妄想のバリエーションを増やすにはどのようにすればいいのでしょうか?!?!

みんな大好きな両片思いすれ違いハピエン屋さん!! みんな大好きな両片思いすれ違いハピエン屋さん!!

大丈夫、そのままで十分ステキですワ~~~!!!! ありがたいですヨ!

どうしても変えたかったら、
①要素分解して別の要素にする
②骨組みの構成を大きく変える
 があります。

①の方法は「被り回避」で説明したのと同じ感じ。
要素レベルに分けて、今とは違う味がするまで要素を別のものに交換していきます。

物語を構成するのは……思いついた順に書いてって、

・プロットの大筋・構成
・舞台(AU,パロ)
・キャラ(同人なら変えられない)
・人間関係

プロットを大胆に変えるのは②の方法。
①要素分解は、基本的な流れは変えずに小規模な要素を交換しています。

たとえば、「両片思い→すれ違いから関係がこじれる→他人の助言で受けが告白→ハッピーエンド」の大枠は変えなくても、読み味は変えられます。

舞台を変える
・現代
・明治大正
・ファンタジー、SF、未来
・違うAU、バース、パロディ
・別の国、旅行先、別の職場など

人間関係を変える
・両片思い/片思い
・初対面
・友達、仲間
・敵対、嫌い
・セフレ
・許嫁、婚約者、偽装結婚

山場を変える
・他人の助言で受け/攻めが告白
・思いっきり喧嘩して仲直り
・自分の過去/トラウマと決別して悟り、受け/攻めが告白
・アクシデント・事件で悟り、受け/攻めが告白
・いったん別れたり決別したりしてから数年後に再会

……いろいろ変えられました!

②構造変えの方法は、たとえばいつもシンデレラみたいなプロットだったら、今度は人魚姫にしてみる……みたいな感じです。

プロットの骨組み・構造は「換骨奪胎」で参考にできるので、色々と作品を見て「これいいな」と思ったものを抽象化して、そこから自分なりに具体化することで、自分の作品ができます!
※パクリではなく、換骨奪胎のやり方はいろいろなシナリオ講師の方が解説してるので調べてみてね

妄想して楽しいものを書くのがいちばんいいので、迷ったら楽しい方で!応援してます~~!♡

【追伸】
あと、周りの好きな同人作家さんのお話を見ていくと、みんな結構、ずっと同じ味のものを書いていると思いますヨ~!気になるのは自分自身だけ、ですネ!

■シ。―視点の混在について―

失礼します。視点が混在してしまう場合どうしたら良いでしょう?

1年ほど前に突発でオリジナルBLの1話目を書きました。その続きを書こうとプロットを立てたのですが、「冒頭と告白までのシーンは受け、仲良くなる部分と悩んでいる所は攻めの視点で読みたい」と思ってしまい、収集がつきません。冒頭だけ受けでそこから中盤まで攻め視点、後半でいきなり受け視点に戻る......というのは読みにくいので直したいのですが、内容ごと変えるしかないのでしょうか。

全然全然全然全然全然全然大丈夫です!!!!

「視点混在」のあまりよくない例としては、本人が固定視点のつもりで書いてるのに、出来上がったものが混在してしまったパターンですね。
たとえば、桃太郎一人称のはずなのに、戦闘シーンでいつの間にか鬼の視点も混入しちゃった、みたいな。

これは、意図と違う結果になってるので問題です。

また、たとえば同じシーンに桃太郎と鬼の視点が混在していたとしても、作者が意図して書き、主語を明確にし、読者に誤解なく伝えている「神の視点」ならば、問題ありません。
(※公募での受かりやすさはまた別軸の問題です)

今回は、作者本人が意図して「このパートは受け視点」「このパートは攻め視点」を分けているので、OKOKOKOK牧場です!!

最大限に分かりやすく伝えるならば、視点が変わったら最初に「SIDE:受け」など書いておきましょう。

視点が変わる名作はたくさんあります。

これらはページをめくる手が止まらないくらいオススメですよ!

公募に出したいならまた別ですが、ご趣味なら「書きたい」を優先して楽しく書いてネ!

追記
こちらのお記事では、数万字ぶん視点について調べて語っています♡
「視点を変える時、どういう基準で選んでいますか?」というアンケートもあるのでぜひご覧ください♡



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