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お嬢様に訊いた「困ったお便りをもらってしまう」「お便りを送る時の心がけ」・ツール紹介

「匿名お便りをもらう側で、困っている」「匿名お便りを送る側で、どういうお便りを送ればいいのか?」というメッセージが同時に来たので紹介します。
最後に、回答を受けて作成した自作ツールについても載せています。

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■匿名お便りをもらう側で、困っている

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こ、これは……おつらいですわ……!
想像するにおつらいでしょうね。新入社員研修の電話取り訓練で複数人四方八方からダメ出しくらったときを思い出しましたわ。

嬉しい嬉しいはずのお匿名箱を見るとき、まず心の準備をして、どきどきしながら文をチェックして、ご指摘が来ていたらずきりと胸が痛む……そんなご様子を想像してしまいましたわ。また鼻水がでてしまいました……。ズボボ

その指摘コメントって、誤字誤用ではなくて、「本編には関係のない重箱の隅」なんですのね。
う〜ん……その方っておひとりかしら? 手っ取り早くNG設定/ブロックできたらいいんですけど、それができたらこうしてお便りをしたためていませんよね。

お新聞で10年お悩み相談を受けてらした岡田斗司夫お嬢様もおっしゃっていましたが、「相談する人はその悩みのプロフェッショナルで、僕らが考えつく案はもう知っている。知ってて色々な理由から却下して、相談してくる」そうです。

まずはご指摘問題について考えてみますね。

〇趣味の作品への指摘はいるかいらないか

これは箱に送るお嬢様視点のおトピックですわね。結論から申し上げますわ。
求められてないなら、与えない。
求められていない指摘はしない方がいい

心血注いでいる同人だから悩むのかもしれないわね。
たとえば趣味でおカラオケしてるときに、通りすがりの知らない人から「サビの音程外れてましたよ」「ビブラートきかすと点数上がりますよ」って言われたらどう思いますか?
うるせ〜〜〜〜‼ しらね〜〜〜〜‼️ わね。

その人にとっては親切でも、そこは「プロ歌手養成講座」の場所ではないし、「プロ歌手になりたいからご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします」と頼んだわけでもありません。

SNSで、新しくジャンルに来たお嬢様にネタバレ系のお排泄物リプレェがつきまくるのも同じような原理かもしれないわ。(私怨)

ただ、ご指摘を喜ぶお嬢様もいれば、本当は嬉しくないのに傷つきながら笑顔でお礼を言うお嬢様もいるわ。
ご指摘問題は送り手・受け手のタイプ間の違いが大きいわね。

指摘する側のタイプ
・善意、向上心タイプ「知らないと恥をかくから教えてあげよう」
・悪意、嫌な奴タイプ「荒探ししてやろう」「無知な奴に恥をかかせてやる」
・無関心タイプ「ふーん」(指摘しない)
指摘される側のタイプ
・向上心タイプ「教えてくれてありがとう! もっと上達したい!」
・いやですタイプ「趣味にケチつけないで」「マイナス面ばかり気にしてしまってつらい」
・無関心タイプ「ふーん」(気にしない)

向上心×向上心ならうまく噛み合いますし、片方が無関心ならトラブルになりません。
ただ、ほかの組み合わせになったとき、途端に悲劇がおこります。

相手が「ぜひ教えてほしい!」とアピールしていない限り、指摘は危険ですわね。

「いやでも、言葉の誤用とかは教えてあげないと恥をかくかも……!」と思った向上お嬢様へ。
ぶっちゃけわたくしも昔はそう思いがちでしたが、「相手が強烈に嫌がる可能性がある」「繊細すぎて筆を折るかもしれない」と考えたら、手が止まりませんか?

仲がいいお嬢様ならお通話、できたら実際に会ったとき「指摘されて嬉しいタイプ?」と聞いてから言う言わないを決める手もありますわ。

仲がよろしくないなら?
――他人ですわね。ほうっておきましょう。それぞれの人生に関係ありませんわ。
「他人から誤字脱字、展開の不自然さなどの指摘を受けなかったため、人生が破滅する」ことなんてまずありません。

冷たいようですが、他人に(褒めではなくご指摘の)口出しをされてムッとするのは自然な感情ですわ。どんなに向上心あふれる方でも人あたりがよくても、多少はムッとしたり「間違えてた! 恥ずかしい」と落ち込みますわ。反射なので仕方ありません。

ビジネスや人命がかかっている場ならともかく、ご趣味の場ですから……。インターネット社交界ではリスクを徹底的に避けると安心、というのが炎上におびえる陰キャ持論です。

〇他人に行動させたいときにチェックすること

あとは、ご指摘って「作品の修正を促す」面もありますわ。
「本人が自然にしようと思わなかった行動をさせる」のって、結構大変です。

他人に行動させるのに必要なもの
・明らかな正当性
・相手のためになる、独りよがりでない誠意(※主観が入るので要注意)
・お金
(・憧れ/感化)

ご指摘をして、修正させたい場合は以下のチェックをしてみましょう。

ご指摘をして、修正させたい場合のチェック
・法律やルールブックに「この場合すべき」と定められているか?
・相手が求めている言葉か? そうでないなら「指摘しなければ相手の人生/生活がヤバくなる」ことか?
・お金を払ってでも修正させたいか?

詳しくはこちらの短いお記事にくくりだしましたわ。

もちろん、本人が「ご指摘大歓迎!」と言っている場合は大丈夫よ。

〇不要と思われるご指摘をすでにやっちまった場合

ドンマイ! 
しつこくない指摘だったら普通流せます。悪意からでないことは伝わるでしょうし、たいていのお嬢様は気にしません。
みんながみんなギリギリでいつも生きているわけではないし、「誤字指摘されて助かった!」というお嬢様もいるにはいるので、あまり気を落とさずに……!

ちなみにわたくしは大雑把完璧主義のゆるゆる向上タイプ(矛盾)ですので、慣用句ミスを教えてもらったときはありがたかったわ。でも、毎回だったらきっとつらくなってしまうでしょうね。

余談
たまに匿名箱に「誤字報告だけでもください」と書いてある場合がありますが、よほど鋼メンタルの向上心のかたまりお嬢様でない限りはおすすめしません。

箱にお感想を入れるハードルを下げようとして書いたつもりだった場合、メンタルが弱いと折れます
マジで誤字報告しか来ない」こともあるからです。お感想やねぎらいなどもなく、マジで「"落ち込んでる"が"落ちコンドル"になってる」とか一言ぽっち。

言行一致、心行一致。
願いがあるならば、素直に表に出しましょう。
もしお感想がほしいのなら、「ひとことでもお感想ください」とおねだりするほうが、よほど嬉しい結果になりますわ。

〇指摘に悩まされている場合どうするか

やっと本題ですわね。
困った恋人とおつきあいを続けるか別れるか、悩んでいるような精神状態とお見受けしましたわ。

別れたら(匿名箱を閉じたら)苦しいのはなくなると分かっていても、楽しいときはすごく楽しいから別れられない……。
現実だと「別れたほうが楽だよ」の一択ですが、匿名箱ならば状況の改善は見込めますわ。

お感想がモチベーションになるタイプなら、「お感想ほしい」の気持ちを大事にして色々やって、それでも疲れたならピシャッと箱を閉じちまいましょう。閉じるも開くもボタンひとつですからね。

箱を開けたままでの対策案
①ご指摘不要の意思表示をする 
②お返事はしなくていい
③匿名箱を変える

①ご指摘不要の意思表示をする

いちばんシンプルで効果的な手ですわね。

「私はただの趣味で執筆していて、誤字脱字報告や作品へのご指摘は困ってしまうので、やさしい感想だけください」と、箱の説明に書いておく案ですわ。

束縛彼氏に「私の生活に必要以上の干渉をしないで」「勝手に携帯電話を見ないで」ときっぱり言うイメージですわね。

わがままに見える?
いいえ、箱の使い方は自由です。あなたの設定した利用規約に同意しないお嬢様は使わない、同意したら使う、それだけですわ。

仮にその状態でご指摘が来たとしても、それは利用規約違反ですから答えなくてもよくってよ。(もともとお匿名箱へのお返事は、すべて義務ではないけれど)

この「匿名箱にトリセツをもうける」に関して、簡単に画像を生成できるおツールを用意したから記事の最後に紹介するわね。

②お返事はしなくていい

作品を完璧にしたいなら、お返事もきっちりしなきゃと思っているのでは? 義務ではありませんのよ。

たとえば「”嬉しい”と”困った”が半々のお便り」にはお返事しなくていいんです。
するとしても、嬉しいところだけにお礼を言って、あとはノータッチで全然いいんですのよ。
お便りの文面を公開すると差し障りがある場合は、文面は伏せておきましょう。

ご指摘お嬢様の意図はわかりかねますが、もしかすると
「指摘をするといっぱい語ってくれる・解説してくれるお返事がもらえる」
 ↓
「やったぁ! 喜んでもらえた!」
という誤解をしているのかもしれないわ。

①の「指摘不要です」が言いづらかったら、「あえて反応しない」を貫くことでやんわり伝わるかもしれないわね。

③匿名箱を変える

こちらのファビュラスな送り手お嬢様のお記事によると、ほめて箱が送りやすかったそうです。

わたくしもテェムラインを見ていて、たしかに匿名箱の種類でお便り傾向が違うなあと思うことがございます。

送り手の意識(※独断です)
・お題箱……お題/リクエストを入れようという気になる
・マシュマロ……AIに弾かれないような優しい(or巧妙な)文を入れようという気になる
・ほめて箱……褒め言葉を書こうという気になる

当たり前ですか?
でも、意外ともらう側の意識からは抜けやすいわ。

たとえばお題箱(おでぇばこ)は、本当に「お題だけ」の投稿が多いわ。キャラ名だけとか、「○○コスのAください」だけとか。

だからもしお題が苦手でお感想がほしいなら、お題箱は便利だけどおすすめしないわ。それか、説明に「感想をください」と素直に書くことね。
逆に、つべこべ言わずリクエストだけよこしな! という職人お嬢様には向いているわね。

おマシュマロはAIにどういう基準ではじかれるかわからないから、あまさずお感想がほしいエロ絵師やエロ字書きには向いてないわね。
逆に困るお便りはこっそりAIにはじかれた体で「届かなかったこと」にできるので、お返事をしない罪悪感も薄れるでしょうね。
基本的に全年齢ならば、開発も活発だしいいと思うわ。

ほめて箱はかんたんなフィルタリングがあるけれど、おマシュマロと違って課金無しで原文が見れるから、あまさず見たいお嬢様にはおすすめね。
ただ、メール通知が来ないことがあったり、開発が止まってそうな感じなので、そこは一長一短だわ。
お通知がない、かつ早めの返信を心がけている場合、数日に一度自分でチェックしないといけないわ。それに耐えられるメンタルならばオススメよ。

ちなみにいろいろカスタムできるおグーグルフォーム本の感想おねだりにオススメよ。
これはまた別の機会に紹介するかもしれないけど、奥付のQRコードから見れるおまけページ(短編やあとがきを掲載)にかんたんな感想アンケートを設置すると、お感想もらえる率が全然ちがってくるわ。

他にもいくつか案がありますが
「気にしないようにする……簡単にできたら苦労しない」
「他のことにドはまりして同人活動から距離をとる……同上」
「指摘されないほど完璧なものをつくる……同上。加えて難癖は無から生み出せる」
などの理由で却下しましたわ。


お感想がほしい泥水お嬢様で、実際毎回もらえてるなんてすばらしいことですわ!
もしかすると、生きやすくなるために「ここは完璧主義的にやる。ここはあえて完璧主義モードは切っておく」などこだわりどころを使い分けてもいいかもしれませんね。(SNSも作品も、実はけっこう適当でいいのよ……!)(でも、「完璧に詰めるのが楽しい」気持ちもわかるので、無理強いはしません)

どうか嬉しいお便りでいっぱいの箱になりますように、応援していますわ!


■匿名お便りを送る側で、どういうお便りを送ればいいのか?

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箱の不調により別ルートでお便りいただきましたので、以下はそれにお返事したものです。(原文ではありません)

----------↓お返事--------------------------------------

ごきげんよう!
嬉しいお言葉ありがとうございます、素敵なおフィーリング・行動ですね!

だいぶ人それぞれですが、お感想送信先のお嬢様がお便り歓迎派であることを前提に提案しますわ🌹


①重い真剣な内容を多数送ると引かれるので、高頻度の場合は軽いノリ・口調がおすすめですわ

②返信に悩んでしまうお嬢様もいらっしゃるので、最後に「返信不要ORお返事お気遣いなく」など添えるとエレガントですわ

③せっせとお感想を送っても、いずれお嬢様が創作を卒業したりジャンルを離れることはありえます。
期待せず入れ込まず、望んだ結果が得られなくても大丈夫なマインドをお覚悟しておきましょう

④同じ文字数ならまとめて一括よりも、高頻度でちょこちょこ送ったほうが心理学的にも嬉しいとされますが(ちょっと違うけど参考記事)、「毎回必ず送らねば」とルールを決めるとお互いつらくなってしまうこともありますから、適度にゆるーく、期待せずかベストですわ。
(毎回送ってくださる方から急にお便りが来なくなると、この作品微妙だった!?と思ってしまう方もいるかも)

相手方にいちばんプレッシャーをかけず、見たい人だけが見れるお感想の言い方は、おリツイート後につぶやく方法ですわ☺

素晴らしいお習慣だと思うので、ご無理のない範囲で(おカップリングの未来や他人の人生は背負わず)楽しく続けられたら最高のご趣味だと思います!
(略)

----------↑お返事--------------------------------------

……実は、「もらって嬉しい具体的な言葉」は書きませんでした。こちらの匿名お嬢様ならきっと、お気遣いあふれる方だと思ったからですわ。

もらう側にとってNGワードは多少ありますが(自分の好きなものをsageられるなど)、基本的にはない長文より来る一文あたたかい内容ならなんでも嬉しいし、それ以上は個人差があるわ。

話の内容についての長文は小躍りするほど嬉しいし、「抜きました(※おスケベ小説に)」だけでもおガッツポーズだし、質問や雑談も嬉しいけれど、それはあくまでわたくしの場合だから、他のお嬢様には当てはまらないわ。

ごちそうのつもりで出したエスカルゴに、悲鳴をあげられるケースだってあるものね。
こればっかりは、送信先お嬢様のタイプを知っておきたいわね……。

アンサー補足として、疲れにくいお感想の書き方のお記事も書いたので、併せてどうぞ🌹

先の回答では、お感想の内容よりかは、おマイナーだと特に背負ってしまいがちな「おカップリングの未来や他人の機嫌、モチベ」について憂慮したわ。お優しい匿名お嬢様なので、余計な荷物は背負わなくていいということを強調したわ。

自分で扱える範囲に責任を持つのは結構だけど、他人の行動と、その集大成の「お界隈の空気や人数」「おカップリングの行く末」については誰もコントロールできないわ。

でも、マイナーだと背負ってしまいがちなのよね……!(ホロリ)
つい「私がなんとかしなきゃ!」って思ってしまいがちなのよね…!(※人によります)

そして、自分でコントロールできないことに奔走するのは、しんどいわ……! 体感で報われないことの方が多くってよ……!

ですから、まずは「自己満足第一」「同人活動はあくまで楽しい趣味である自覚」「他人の荷物は背負わない」あたりを心がけていると、100倍重力室を出た悟空お嬢様のように軽く生きられるわ。

ありがたいことにお返事へのお返事もいただきましたが、

「まさしく③の状況になってしょんぼりしたことがあるのですが、無意識のうちに気合を込めた分だけの見返りを求めていたのかもしれません」
「己は己・お嬢様はお嬢様というマインドを忘れずに、一期一会の燃え滾る情熱のやり取りをこれからも楽しんでいきたいと思います!」
(前・途中・後略)

――と、こちらも元気をもらえるような内容でしたわ。
ニッコリお嬢様ですわ。

■もらい手の箱傾向が分かるツール

匿名箱での悲劇は、悪意を除けば「送り手ともらい手の意識/タイプの違いからくる」ものも多いように見受けられるわ。

そこで、「もらい手がトリセツを公開する」ことで何を求めているか/何を求めていないか/得意か苦手かを可視化できるおツールをSEお嬢様に作らせました。

おツールで解消したい悩み
・感想や質問はすごくほしいがリクエストには応えられず、心苦しい
・自分の場合は、感想は一切不要。代わりに誤字脱字の指摘がすごくほしいが、うまく伝わらない
・返事がすごく苦手で、返信率が少ないことを明示しておきたい
・実は自作をもとにした二次(三次)創作をしてほしくないが、いう機会がないので黙っていたら打診のお便りが来て困った

こういうふうに、「普段言う機会がないけど明示しておきたいこと」を画像出力できるようにしましたわ。

画像3

試しに何人かのお嬢様にやってもらいましたが、人によって結果が全然が違うので、驚きましたわ。
感想一切不要のお嬢様もいらっしゃるんですのね……! 驚きでした。

もちろん、ほしがるのは恥ずかしくないし、ほしいなら「ほしい!」と素直にアピールしておく方が嬉しい結果につながりやすいわ。

あらかじめ明示しておくことで避けられるトラブルもあるかもしれないわ。何か伝えておきたいことがあるのなら、作成した画像をアップロードしたおツイートへのリンクなどを、匿名箱の説明にぺたりと貼る手もありましてよ。

お知らせのように使ってもいいし、性格診断のようにしてお友達と見せ合っておしゃべりするのも楽しいわ。基本的にフリーなので、よかったらどうぞ🌹


次回は楽になるおツイッター運用や、楽しいBL読書会などの予定です。

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