#3 「Rubber Soul」 - 脱アイドル宣言と自己表現の追究【The Beatles Album Review】
ビートルズの6枚目のオリジナルアルバム。
前回紹介した「Revolver」とセットにして語られることも多いですね。
そういうわけでかしまさ的には2枚とも同率1位なのです。
基本情報
オリジナルリリース 1965/12/3 (UK)
Drive My Car
Norwegian Wood
You Won't See Me
Nowhere Man
Think for Yourself
The Word
Michelle
What Goes On
Girl
I'm Looking Through You
In My Life
Wait
If I Needed Someone
Run for Your Life
Total Time 34:59
次作「Revolver」ほどではないものの、「Rubber Soul」も
なかなかに実験精神に溢れたアルバムです。
まず使う楽器の幅が広がりました。
これまでもストリングスアレンジなどはありましたが、
ジョージがシタールを弾いてみたり、
プロデューサーのジョージ・マーティンがピアノで参加したりしています。
そして音楽性も広がりました。
ロックンロールというよりも、当時親交のあったボブ・ディランなどの影響を受けて
フォーク・ロック的な曲が多くなっています。
会社の意向でやっていた(やらされていた?)音楽ではなく
「自分たちのやりたい音楽」を作れるようになった
最初の作品と言えるかも知れません。
これまでのアルバムのようにリミックス版はまだ出ていませんが、
Revolver以後のリミックスはほぼ揃ったので
次に出るとしたらRubber Soulなのではないかと期待しています。
今年か来年あたりに出るんじゃないかな。
オリジナルステレオミックスはボーカルの音が片方に寄っていたりして、ヘッドホンではちょっと聴きにくいのが残念。
モノラルに変換してみたり、スピーカーで流してみたりして楽しみましょう。
あるいは、資金に余裕のある人はMONO BOXを買うのがいちばんおすすめです。
かしまさは持ってないけどね。
レビュー
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10/10)
おまえは満点以外つけることを知らないのかとそろそろ突っ込まれそう。
でもね、やっぱ「いちばん好きなアルバム」なんですもん。
こっちだけ☆を減らすわけにはいきませんよね。
※次回以降紹介するアルバムは流石に満点じゃなくなるはずです。
楽曲解説
以下、アルバム内で特に好きな曲について一言ずつ。
Norwegian Wood
「女の子をひっかけたと思ったら逆にひっかけられてた」という歌。
ジョージのシタールが異国感を出していて好き。
Think for Yourself
ジョージ作にしてはかなり攻撃的な歌詞の曲。
邦題が「嘘つき女」だしな。
ファズベースがブンブン唸ってるのがいい味出してる。
The Word
愛(love)という言葉は素晴らしいぜ、という曲。
のちに発表される「All You Need Is Love」の原型とも言えるかも知れない。
Michelle
「Rubber Soul的」雰囲気の一端を担っている曲。
ポールが「フランスっぽい曲ができた」ので
知り合いのフランス人に歌詞を考えてもらったらしい。
Girl
初めて聞いた時は「Michelle」とすごく似てるなぁと思った。
こちらはジョンがメインで作った曲。
中間部分で「ティッティッティッティッ」ていうコーラスが入りますが、
「tit」っておっぱいのことなんですよね。これで単語を覚えた中学時代。w
I'm Looking Through You
ポールが当時の彼女とうまく行っていなかった時期に書いた曲。
「For No One(Revolver収録)」で
同じく失恋の気持ちを歌にしていることを考えると、
ポールは割とガチに恋愛していたみたいですね。
US版のレコードでは曲の出だしのギターをミスって
やり直すところがそのまま収録されていたそうです。
In My Life
「Rubber Soul的」雰囲気のもう一端を担っている曲。てか、名曲。
全体的に哀愁漂うRubber Soulのイメージは主にこの曲が入っているからだと思う。
超高速のジョージ・マーティンのピアノは
最初に聴いた時「すげー」と思ったのですが。
実は半分のスピードで録音して、テープを倍速にしているとのこと。
Revolverに先駆けてこの時点で
テープレコーダーを駆使したレコーディングをやっていたんですね。
まとめ
ある意味、いちばんさらっと聴けるビートルズのアルバム。
というと薄っぺらいという意味に捉えられそうですが、
(個人的には)非常に耳馴染みがいいんです。
だからこそ、ジャイルズ・マーティンによる現代的リミックスが非常に待ち遠しい……!
既にBest 3をレビューしてしまいましたが次はどれにしようかな。
かしまさがビートルズを聴く時って、だいたいこの3枚のどれかが多い気がするw
それでは、かしまさでしたー。