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【エッセイ】静岡の旅 運がいいのか?~三保松原~

"問題です。静岡と言って思い出す第1位は?"

「みかん!」
テレビに向かって、答えた。
正解は富士山だった。言われてみれば納得だ。2位はお茶で、3位はサッカーだった。(←ほんとに?) 

6月に夫と2人で静岡に行くことにした。
目的地は三保(みほの)松原。
浜辺からは富士山が見え、新日本三景と三大松原に選ばれている。なんだかすごそうな景勝地だ。

ただ、心配なのは天気だ。季節は梅雨時で、雨でも降ったら旅行が台無し。
しかし、前日の天気予報では曇りのち晴れになっていた。
「いやーついてる!!」
やっぱりね。私は運が良いんだ。

三保松原へは、静岡駅で乗り換えてJR清水駅で降りる。そこからバスで25分、そしてさらに徒歩15分。はっきり言って遠い。(フェリーもあるよ。文末の※1参照)

清水駅で、夫が言った。
「あ、見える」
遠くを眺めると、薄ぼんやりと富士山が見えた。
よく目を凝らすとどんどん富士山が浮き上がってくる。
2人ではしゃいだ。
今は曇っているが、午後には晴れて美しい富士山が見えるに違いない。

まずは、お昼ごはんを食べることにし、市場(河岸の市)にある「ととすけ」というお店に入った。
名物はマグロのカマだ。オリジナルの製法で揚げ、甘辛いタレでからめてある。ビニール手袋もあって、手で食べても良いのだ。

「ワイルドだろ~」

旅行のテンションだと言ったこともない言葉さえ浮かんでくる。おいしいし、エンタメ感があるし旅行の思い出に残るので、是非召し上がってほしい。

「ととすけ」のととす揚げ

三保松原に着くと、人はまばらだった。人がいないのは寂しいが、500mに渡って続く松並木(※3)をゆっくり見れるのはなんともラッキーなことだ。
静岡市三保松原文化創造センター「みほしるべ」※4に入った。そこの屋上から富士山が見える。

はずだった。

「みほしるべ」の屋上

「富士山はこちらから見えます」
どこいったー 富士山はどこだー

主役を見れないことなんてあるんだろうか。そんなの唐揚げ定食頼んで、唐揚げがないキャベツの千切り定食を食べているようなものだ。
きっとこれは何かの間違いだ。だって私は運がいいもの。諦めない。

浜辺に行き、靴の中に砂をため込みながら、ずいぶん歩いた。
どこから見えるんだろう?
遠くをじーっと見つめる。
「あれじゃない?」
「あれだね」
と夫も言う。

が、2人が見ている方向は違った。互いに幻を見ていたのだった。見たいものは心の目で見えてくるようだ。その場でスマホで調べ、富士山が写っている写真を探した。この辺と言うことは分かったが、まるで富士山は消えたようだった。

消えた富士山

ネットで調べると6月は富士山が見える確率はかなり低いようだった。当たり前じゃないかと今更ながら思う。空気が澄んでいるのは冬だ。

どおりで人がいないわけだ。

運が良いはずじゃなかった? 

運だけじゃどうにもならないことはある。

冬に来よう。きっと、2回行けるなんて何かいいことがあるに違いない。
だって私は運が良いんだもの・・・


ほんとは、こんなに美しくみえるようです↓↓↓!!
見たいですよねー

※1三保松原へフェリーでののアクセス

※2「ととすけ」
※3松並木
※4みほしるべ




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なたね
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