夏季休暇、あるいは時間的ユートピアについて
生きると言えば大仰なことのように思えるが、過ごすと言えば途端に気楽なものとなる。夏季休暇を迎えた大学生の性として、生きることより過ごすことに耽ってしまうものである。夏休みの間、鴨川の水がさらさらと流れるように、私はぐでぐでと自室で怠け、死なない程度に生活を営んできた。ところが九月も折り返し、もはや秋学期の始まりも秒読みとなった。そこで必要になるのが履修登録であるが、いかんせんこの大学のシステムは学生にやさしくないことで私の中で評判で、取ろうと思っていた授業が取れなかった。とい