高専から大学へ編入学して4日で留年した話
※2018年6月19日 追記※
こちらに続編を書いております。よろしければ、こちらもお読みください。
初めまして、須藤か志こと申します。
あんまりブログなどで自分の個人的な生活や思想を発信し、見てもらうことに興味がなかったのですが(ゆえに今まで長続きしませんでした)、やってみようと思います。よろ!
自己紹介をします
1996年1月31日生まれです。
釧路市の某病院で、須藤家長女として産まれました。
私は釧路工業高等専門学校電気工学科を2017年3月に卒業しました。
男の子がクラスに40名以上、女子は4名のみという男女比が偏ったクラスでしたが、楽しい高専生活でした。
ご存知の方も多いと思いますが、高専は通常5年間が在学年数です。
私の場合、5年次にフィンランドへ交換留学をしたので、それを含めると6年間高専に在学していました。
留学に関してはもう2年前の話になりますが、あまりきちんとまとめたことがないので、おいおい別記事でまとめていければと思います。
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その後、公立はこだて未来大学という函館市にある公立大学に3年次編入いたしました。所属コースは情報デザインコースです。
つまり、準学士は電気工学で取得していますが、学士は情報工学で取る予定ということになります。
別にdisciplineに関してはあまり気にするところではないのですが、以前高専生(特に大学編入生)の間でバズったこんな記事を読んで思うところがあったので、こうしてnoteを書いています。
いくぞ!
なぜ編入学したか
そもそも私が何故公立はこだて未来大学情報デザインコースに編入したかというと、以下のような背景があります。
きっかけは留学先の北欧でした。
留学先の北欧で、デザイン思考がコミュニティ形成における土台になっていることを知る
↓
コミュニティ形成だけではなく、様々な場面でデザイン思考が自分の考え方や興味のある分野に刺激を与えてくれそう
↓
デザインに重きを置いて、大学で学んでみよう
ざっくりこんな感じです。ちなみに、留学時のテーマは、「まちづくり×電気エネルギー」でした。
もともと「大学で学ぶ」ということに興味があったので、編入学という選択は迷いませんでしたが、どこに入学するかは最後まで一つに絞れませんでした。
最終的に、当時のラボのボスが「須藤さんに合っていると思う」と太鼓判を押してくれたおかげで、推薦入試を経て無事公立はこだて未来大学に編入学しました。
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さて、ここで公立はこだて未来大学について少し説明しようと思います。
公立はこだて未来大学(以下未来大)は、情報分野に特化した大学で、比較的新しい大学です。
情報システム、情報デザイン、人工知能、複雑系システムなどに特化して学ぶことのできる単科大学です。
3年生では、「プロジェクト学習」と呼ばれるPBLを導入した学習時間が設けられ、分野の域を超えて学生がそれぞれのプロジェクトテーマに分かれ、1年を通して実践的な学習を行います。
未来大も、多くの高専生の編入学を受け入れています。
特に、情報系出身の編入生は多いと思います。
私の場合
さて、無事に未来大に編入した私ですが、編入学して4日後に留年が決まりました。
高専時代にも留学しているため、実質二度目の留年です。
なぜ留年したかというと、「大学のシステムの関係上」が理由です。
二度も「学業不振」以外の理由で留年する人生を送ることになるとは思っていませんでした。親泣かせ。
未来大には、進級に関わる以下のような大学独自のルールがあります。
①3年生から4年生に進級するためには、卒業に必要な単位数の3/4を取得していなければならない
②卒業研究を履修するためには、1年生から3年生の必修単位を全て履修しなければならない
③卒業研究の単位を取得しなければ卒業できない
私の場合、
時間割上、Aという必修教科がBという必修教科と被ってしまう
↓
必然的に、卒業要件である「②卒業研究を履修するためには、1年生から3年生の必修単位を全て履修しなければならない」を満たすことができない
↓
従って、AとBを別々の年度でそれぞれ履修しなければいけない
↓
留年!
という留年の仕方をしました。
これは、全ての編入生が陥ることではなく、「私がデザインコースに編入したから」ということが理由です。
未来大の中でもデザインコースは特殊なコースであり、あまり編入生でデザインコースへ進学する学生は多くありません。
デザインコースは2年生〜4年生を通して、他コースより比較的課題量が多く、よく学校で寝泊まりしたり、あっぷあっぷになっている学生が多いです。
また、情報系と言っても、プロダクトデザインやWebデザイン関係などの演習講義もあるため、多くの高専生は仮に情報系を卒業していても、こういったデザインコース独特の講義の単位を、互換取得することは難しいと思われます。
私の場合、先ほども言いましたが、このことが編入学して4日後に言い渡されました。
逆に言えば、私は留年を覚悟して編入した訳ではない、ということです。
入学しなければ時間割もわからなかったし、大学から「おそらく留年してしまうだろう」というような通達もないまま、何も知らされず編入をした訳です。
という訳で、主に事務方を相手に、家族とともに抗議します。
「どうにかならないのか」「留年ではなく、2年次編入として入学はできないのか」。
モンスターペアレントのような言い草ですが、不当だと感じたので学校と相談していましたが、結局そのまま留年という形になりました。
ちなみに、先生方は味方についてくれる方が多かったです。
だからと言って何かが変わったかと言われればそうではないのですが、このような事例が起こりうるならば、何かしらの救済措置、デザインコース独特の編入システムを考えるべきだと思います。
留年をして困ったこと
とは言っても、留年は二度目。大した恥ずかしさも後ろめたさもありません。頑張るしかない。
しかし、それでも困ったことはあります。
①日本学生支援機構からの奨学金止まる問題
学業不振ではない留年ではありますが、留年は留年。
家が裕福ではない私は日本学生支援機構(以下JASSO)から奨学金を借り受けていたのですが、残念ながら留年と見なされる年度(今年度)は休止となってしまいました。
日々の安定した生活に支障をきたすこの問題……正直、これが一番辛いです。
②その他の奨学金も借りづらい問題
前年度から、一般財団が提供している奨学金プログラムにも応募しています。
しかし、留年している学生に応募資格があるのかないのか、明記していないプログラムも多々あります。
こう言った場合、応募対象となるのか、大学事務を通して確認してもらうのですが、この手間も大変に面倒臭いです。
また、応募資料にも「自分が今どんな立ち位置なのか」「どんな理由で留年しているのか」を書いて説明する必要があるので、自分のアピールポイントがなかなか書けない、という地味な問題も。
③学費免除制度に応募できない問題
実は、前年度はありがたくこの制度を利用させていただけることになり、学費を免除していただいています。
しかし、今年度は留年しているということで、免除制度への応募すら不可。
仕方ないのですが、なんだかしっくりこないような。
留年をすると、主にお金周りのことで困ったことが増えます。
まとめ
先ほども紹介したこちらのような記事もそうですが、
よく「高専は一般入試と比べて、大学への編入学が有利である」
という言葉を聞くことがあります。
しかも、こういったことは特に
・高専教員
・高専OBOG(しかも卒業してから10年くらい経っている)
から聞くことが多いような気がします。
釧路高専時代の後輩のえとうくんもブログで言及していますが、
実際に編入学への道というのは、厳しいです。
有名国公立への進学をしている先輩も多いですが、
彼らは確固たる目標への思いと、それに向けての必死の勉強で合格を勝ち取っていると思った方が良いです。
編入学するまでももちろん、私のように編入学してから苦しい思いをする、という学生も多くいます。
編入学という道はある程度厳しいもの、という覚悟はもちろん決めていますが、
私のように編入学前にはどうしてもわからなかったことで、理不尽な思いをする学生も多いと思います。
安易に「高専に入れば、大学に簡単に入れるよ!有名国公立も夢じゃないよ!」と実際に編入した学生の立場でない人々が煽るのは、無責任と感じます。
最後に
今回は自身が経験した編入学の暗い部分を書き留めましたが、
編入学という選択肢を経て得たことや現在の活動なども書きたいと思っています。
・高専からの編入学について
・高専入学について
・高専生としての進路選択について
など、ご興味ある方はご連絡ください。
できる限りサポートさせていただきたいと思います。
また、ZENPENという高専生の編入や進路について情報発信している団体のイベントに行ってみるのもいいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
長続きするかな〜!話したいことはいっぱいあるんだけどね。
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