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【海のナンジャラホイ-26】紙の潜水士免許は携行できません

紙の潜水士免許は携行できません


7月に女川湾で調査を行なった折に、地元のダイバーの方達にヘルプをお願いして、一緒に潜水作業を行いました。8月にその調査結果の取りまとめ報告を頂いた時に、潜水士免許が話題に上りました。お手伝い下さったダイバーには壮年の方と若手の方がおられたのですが、年代によって免許証の素材が違うというのです。
「潜水士」は、厚生労働省が管轄して労働安全衛生法に基づいて行われる潜水士試験に合格した者に対して与えられる国家資格です。主に水中土木工事などの作業潜水に従事する人を対象とした資格であり、試験に実技はなく、ペーパーテストで潜水技術等に関する知識を問われ、合格者には「潜水士免許」が公布されます。

私が潜水士の資格を取得したのは 1984年の12月でした。私の免許証は紙で出来ていて免許証番号は6桁です(図1)。

図1:紙の潜水士免許(見開きページ)

女川湾調査でお手伝い頂いたダイバー3名の方の免許証を見せて頂いたところ、60歳の方は1982年取得で、私と同様に紙素材で6桁の免許証番号でした。一方、52歳の方は1993年取得、42歳の方は2002年取得で、自動車運転免許証のようなプラスチックカードタイプで免許証番号は11桁でした。これらから考えると、潜水士免許証は、おそらく平成になったあたりで、プラスチックカード型になったのでしょうね。たぶん、時間が経てば経つほど、紙タイプの免許証はレアな存在になるでしょうから、更新せずに大事にしたいと思います。

実は、紙の潜水士免許証には、面白いところがあります。免許証の中身は「潜水士免許証」と記載された表紙(図2)を含めて4ページでできているのですが、その4ページ目(図3)には3項目の注意事項が記載されています。その1番目に「本免許は、大切にし、作業中は必ず所持すること」と書いてあるのです。

図2:紙の潜水士免許(第1ページ)
図3:紙の潜水士免許(第4ページ)


大切にするのであれば、潜水作業中に紙の免許証を所持することはないと思うのですが・・・。ヘルメット潜水やドライスーツでの潜水であれば、衣類はほとんど濡れないので、ポケットに入れるのは可能かな? ウェットスーツでの潜水の場合は、ジップロックに入れるのかな? でも、紙免許取得の頃には、まだジップロックはなかったはずだけどな・・・などと、しょうもないツッコミを入れたくなりました。


○o。○o。 このブログを書いている人
青木優和(あおきまさかず)
東北大学農学部海洋生物科学コース所属。海に潜って調査を行う研究者。

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