【海のナンジャラホイ-43】さよならレジアス
さよならレジアス
引退のタイミング
私たちの研究室で使ってきた調査用の車両は、トヨタのレジアスエースです(写真1)。2011年の震災後の沿岸モニタリング調査を主目的として購入した経緯については、このブログの第27回でお話ししました。私は、レジアスとの調査行が、私自身の退職時まで続くと思っていました。
レジアスの荷室には海水による腐食にも耐えられるように防水塗装が施してあり、車体もできるだけ綺麗に保つようにしてきたつもりでした。しかし、購入から12年目となり、走行距離は16万キロを超えて、車体も目の届かないところで腐食が進んで、かなり傷んできたようです。いつも車両のメンテをして下さっている自動車工場の方には「なんとか持たせて先生の退職までだねえ」と言われました。
私たちの研究室はフィールド調査を必須としているので、将来にわたって調査車両が必要です。私の退職と同時に調査車両がなくなってしまっては、困ります。そのため、研究室としての将来的な調査車両の確保のためには、今のうちに新規車両に交代しておくべきだという判断に至りました。私にとっては、長く厳しい日々を一緒に歩んできた盟友と別れるのは辛いことですが、レジアスの引退を決めました。
タウンエースにバトンタッチ
私たちの研究室のレジアスはスーパーロングワイドという型で、普通の救急車と同じ大きさの車体です。調査に出かけた場所で細い道や狭い駐車場所などに遭遇した時は、車体の取り回しが結構大変でした。震災直後に行っていたような大規模な調査は、これからはそう頻繁には行わないだろうという考えもありました。そこで、レジアスの後を継ぐ車種は、通常の定期調査などで取り回しが良い小型の貨物車両を候補としました。もちろん研究室の財政状況も関係しています。
研究室のスタッフであれこれと考えた結果、レジアスの後継車種は、タウンエースに決まりました。レジアスには遠く及ばないとはいえ、タウンエースには5人乗りの状態でも人数分の調査器材を積み込めそうです。後列シートを跳ねあげて2人乗りにすれば、大型の機器を運ぶこともできます。
調査仕様のタウンエース
それでも、タウンエースの荷室の大きさについて、問題が一つありました。私たちの主調査地である狐崎浜では、防波堤から海に降りるのに長いハシゴを使っています。そのハシゴがタウンエースの荷室には納まらないのです。そこで、ルーフキャリアを装備してハシゴや大型器材は屋根上に搭載できるようにしました。加えて、容易に屋根上に登れるように、後部ハッチにはハシゴも取り付けました(写真2)。
また、これから最低10年は沿岸での調査に使えるように、レジアスの時と同じように、荷室の防水加工も施しました。漁業者のトラックなどでも施してある、FRP防水塗装です。もちろん下回りの防錆塗装も行いました。
調査地に向けてのタウンエースの本格デビューは4月からです。タウンエースの活躍については、また後日お知らせします!
○o。○o。 このブログを書いている人
青木優和(あおきまさかず)
東北大学農学部海洋生物科学コース所属。海に潜って調査を行う研究者。
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