【海のナンジャラホイ-39】海藻の国際シンポジウムの話 (1)
海藻の国際シンポジウムの話 (1)
海藻の国際大会
今回から数回にわたって、海藻の国際大会についてお話しします。
「藻」という字をよくみると、くさかんむりにさんずいが付いていて、中には木が生えていることに気付きます。水中のモサモサした植物というのが「藻」のイメージでしょう。藻の仲間が藻類なのですが、藻類には「微細藻類」と「大型藻類」が含まれます。微細藻類は目に見えないほど小さな藻類で、多くは単細胞生物です。一方、大型藻類は目に見える大きさの藻類のことで、その多くは多細胞です。そして、大型藻類の中でも、淡水ではなくて海に住むものが「海藻」なのです。
さて、学会のお話です。学会というのは、興味の対象を同じくする人たちの集まりで、その人たちが意見や情報の交換のために集うのが、学会の大会です。1年に1回開かれるのが普通ですが、大きな学会だと1年に2回開くものもあるし、逆に2年に1回とか3年に1回しか開かれないものもあります。また、学会という母体を持たないで開催される大会もあります。Meeting とかConference とかSymposium とか呼称はいろいろです。日本で海藻の研究を行う学会には「日本藻類学会」がありますが、この学会は微細藻類も大型藻類も両方とも扱う学会です。
一方、海外に目を転じると例えばInternational Conference of Phycology というのがあって、こちらは国際藻類学会議で、藻類全般を扱うものですが、海藻を主に扱うものもあって、例えば International Seaweed Symposium というのがあります。私はいま、このシンポジウムの第24回大会に参加していますので、そのレポートを行いたいと思っています。
タスマニアに向かう
国際大会の開催は、大学や研究機関の持ち回りで実施されることが普通です。今回の第24回国際海藻シンポジウム 24th International Seaweed Symposium は2023年に実施されるので、略称は ISS2023 で、会場はオーストラリア南東部にあるタスマニア島のホバートです。私と2人の学生は、仙台から東京の羽田空港に向かい、羽田空港を午後4時半くらいに経って、まず5時間半くらいのフライトで香港に飛びました。次に、乗り換え時間が4時間くらいで、真夜中に香港を発って、オーストラリアのメルボルンに10時間くらいのフライトで到着しました。そして最後に5時間くらいの乗り換え時間を経て、1時間ちょっとのフライトでメルボルンからタスマニア島のホバートに着きました(写真1~3)。現地時間の午後7時ごろ(日本時間の午後5時ごろ)でした。羽田空港を発ってから24時間以上が経っていました。
まずはウェルカム
まずは、今日はWelcome Receptionが開催されました。ホバートにある Hotel Grand Chancellorの大広間が会場です。世界中から集まった研究者たちが、再会を喜びながら互いの近況報告や、海藻談義に花を咲かせました(写真4)。円高で物価が日本の2倍以上なので、私たちの滞在しているホテルは簡素で小さなところですが、開催の会場となるホテルは立派です。さてさて、これからどんなことが起こるか、報告してゆきたいと思います。
○o。○o。 このブログを書いている人
青木優和(あおきまさかず)
東北大学農学部海洋生物科学コース所属。海に潜って調査を行う研究者。
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