【海のナンジャラホイ-1】フクロノリ
フクロノリ
フクロノリという海藻があります。大きさも形もシュークリームの皮みたい。海藻の仲間うちでは褐藻類*(かっそうるい)に属するのだけれど、黄土色っぽい。浅場の海底にモコモコ生えている。中にクリームはありません。空っぽです。
海の中は重力の制限が小さいためか、海藻の形態はずいぶんと自由。それでも、なんでこんな形なの?と思ってしまう。
フクロノリのシュー皮はあちこち破けていることが多い。内部には小さな巻貝やらヨコエビやらが潜り込んでいたりします。
防水マイクロスコープというのが安く売られているのを知っていますか? 10 m 以上もある長い光ファイバーの先に超小型のレンズと照明が付いています。先端の直径は1センチにも満たないのです。
おもしろ半分で、このスコープを海岸に持ち出して、先端レンズを浅場に生えているフクロノリの破け穴から突っ込んでみたのです。おー! 柔らかな光に包まれた穏やかな空間。ものすごーく快適そう。リラックスできそう。中に潜り込みたい動物たちの気持ちがわかりましたよ。
でも、なんで中が空洞なのかな? レンタルルームみたいなつもりかな?
そういえば、フクロノリに見た目はそっくりだけどずっと小ぶりのネバリモという海藻があります。あっ、フクロノリだと思って皮をつまむと、ぐちゃっと中身が出てきます。こちらはクリーム入りでした・・・
*褐藻類(かっそうるい)
褐色(かっしょく)または緑褐色の藻(そう)類のことで,海の浅いところに棲んでいる。ワカメもこの仲間である。ワカメは緑色だと思われていることが多いが,海の中では褐色なのである。
ワカメについて詳しく知りたい方は,ぜひこの本を読んでみてください。
『わかめ~およいで そだって どんどんふえる うみのしょくぶつ~』
○o。このブログを書いている人
青木優和(あおきまさかず)
東北大学農学部 海洋生物科学コース
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