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1989年1️⃣善22歳

年明け早々、昭和天皇が死去。昭和が終わった。
新元号は平成となった。
テレビの中では、女性2人組のWinkが出ずっぱりで可愛い歌声が流れていた。
善にとって衝撃だったのが、大好きな中森明菜が近藤真彦のマンションで自殺未遂を図ったことだ。この時は、明菜ぁぁ…くっそぉ…近藤真彦めぇ💢と、やけ酒を飲んでボロボロになった。
また、アマチュアバンドを出演させて、競わせるイカ天というテレビ番組がスタートして、空前のバンドブームが到来する。
善は、BOOWYやザ.ブルーハーツ、バービーボーイズ、KATZE、ARB、RCサクセションが好きで、あまり興味が無かった。
美空ひばりが亡くなって、昭和歌謡の時代が終焉を迎えた。

世界情勢では東欧諸国において自由化民主化運動が盛んになり、社会党系政権が軒並み崩壊の一途を辿り、この年の年末にはドイツベルリンの壁が崩壊して、新時代の到来を予感させた。

経済情勢は好景気の絶頂を迎え、株価が軒並みに上昇し、善の持ち株もかなりの値を上げて、いつ売り抜けるかと、善はそのタイミングを見計らっていた。
世の中はまさしく薔薇色で、海外旅行に出掛けることがステータスとなっていた。
そういう善もこの年、アメリカ、中国、韓国を巡った。

アメリカ西海岸…善はロサンゼルスの地に降り立った。アメリカ行きの目的は、この3年間で勉強してきた英会話が、アメリカでどれほど通用するのかを確かめたかったためだ。
あとは、世界をリードするアメリカという国を肌で感じたかったからだ。

この頃のアメリカは、87年のブラックマンデー以降、景気が低迷していたが、景気回復を促すために金融緩和がなされ、国内需要への投資が活発で、設備投資も進んだが、インフラへの懸念から金利の引き上げが行われ、好景気への兆しは見られなかった。

それでもロスの街を行き交う人達の表情は明るく楽しそうだった。
善は、ビバリーヒルズ近くのサンセットブルーバードと呼ばれる通り沿いにあるホテルにチェックインして、時差ボケ解消のために少し昼寝をして、夕方近くになってホテルを出て、夜のディナーをどこで取ろうかと賑やかな繁華街をプラプラした。
善は、いかにもアメリカンって感じのステーキレストランに入り、10オンス…約300グラムのステーキをミディアムでオーダーして、サラダとビールも一緒に頼んで食べた。

隣の席にいた大柄な白人のオッサンから、ジャパニーズ?と聞かれ、イエスと応えると、旅行か?と…再度イエスと返事をすると、ロスは最高だぜ!楽しめよ❗️と満面の笑顔で言われ、サンキュと答えた。
ロサンゼルス国際空港での入国手続きから、シャトルバスに乗ってホテルへのチェックインまで、今のところ自分の英語は、それなりに通用してると安心した善だった。
日本を発つ前に、英会話教室のミス マリンダから、ゼンの英語発音は完璧よ、アメリカに行っても十分通用するわ!と太鼓判を押してもらったが、やはり現地に来て、いざ話そうとすると緊張した…が、それなりにここまで問題なく来れたので少し自信が持てた善だった。

店を出て通りをちょっと歩いて行くと、さっきの白人のオッサンが、ヘイ!ジャパニーズ!と声をかけて来た。
善は、ハーイと返すと、ちょっとこっちに来いと、手振りで誘って来た。
善はこの時、すでにわかってはいたが、アメリカという国を知るために、あえてその誘いにのってみた。
建物の脇の路地に入ると案の定、いきなり白人のオッサンは後ろに回していた腕を突き出して来た…手には刃渡り20センチほどのナイフを持っていた…が、善はその手首を両手で掴んで捻り上げ、そのままオッサンの後ろに回り込み、膝裏を折って路上にうつ伏せの状態に押し倒した。
オッサンは、一瞬のことで、何が起こったのか、わからないままだったろう…暴れる間も無く善から取り押さえられ、挙げ句の果てにシャツの襟元を後ろから引き下ろされ、善はシャツの生地を伸ばしてオッサンの両手を縛り上げた。
その時点でやっとオッサンは、状況を理解したのか、耳を真っ赤にしてガッデム💢‼️と叫んだ。
善は、すぐにオッサンのズボンからベルトを抜き取り、今度はベルトで両足首を縛り上げて、オッサンの身動きを完全に封じてから、オッサンの顔を覗き込み、冷静に冷ややかな声で、Man!Japanese people, don't insult them❗️(オッサン…日本人、舐めてんじゃねーぞ)と、言って、さぁ、どうしてやろうか…というと、善に恐怖を感じたのか、すまん💦悪かった💦許してくれ💦と卑屈な顔をして、情けなく謝ってきた。
が、善は、アメリカ人ってのは、相手が自分よりも弱いと感じた相手に凶器を持って脅して、自分の言うことを聞かせようっていう人種なんだな…なんてカッコ悪い国なんだろうな…と。
白人のオッサンは、すまなかった…許してくれ…と詫びている。
善は、心配すんな…少なくとも俺は、弱い者いじめは趣味じゃねーから、あんたをこのナイフで刺し殺したりしねーよ…ただし…まぁ二度とこんな真似をしないように、懲らしめておく必要はあるな…。白人男は、ノー💦ノー💦と涙を流しながら許しを乞うたが、善は許さなかった。

善は、オッサンに、あとは天使に見つけてもらえるか、悪魔に見つかるか…天使に見つけてもらえることを祈ってろよ(笑)バーイ🖐️と言ってその場を立ち去った。

手足を縛られ、ズボンとパンツを足首まで下げられて、だらしないちんこと汚い尻を丸出しにされた白人のオッサンは、助けてくれ…助けてくれ…と泣きながら、死ぬほどの恥ずかしさと情けなさを覚えながら、天使に見つけてもらえますように神に祈った。

善は、さすがアメリカだな…スリルがハンパねぇや…と苦笑しながら、通りを歩いて、ロサンゼルスのナイトスポットを見て回った。そしてちょっと賑やかな雰囲気のあるナイトクラブに入ってみた。
店内はテクノ、ヒップホップ、フュージョンといったノリのいい音楽がガンガンに流れていて、男女問わずノリノリで踊り、飲んで騒いでいた。
こりゃすげぇや…圧倒されながら、善はカウンターでモヒートを注文して、端の壁に持たれて、ハイになって踊りまくっている多種多様な男女の姿を眺めていた。
そして善が想像していた以上に金髪の白人が少ないことだった。
後で知ったことだが、ロサンゼルスは半数以上がヒスパニック系のアメリカ人で、いわゆる中南米系のアメリカ人が多いため、髪の色も金髪より茶髪、黒髪、茶褐色系が多く、小麦色の肌の者が多かった。
次いで黒人が多く、白人は少数だった。
そこへ、ねぇあなた…もしかして日本人?と日本語で若い女性から声をかけられた。
あぁそうだよ。こんなところで日本人に会えるなんてびっくりだよ…と善が答えると、私もここで純粋な日本人と会うの初めてだわ!と驚いた様子だった。
こっちに来て、一緒に飲まない?と誘われて着いて行くと、すぐ近くの席にスパニッシュ系の女子が2人座って飲んでいて、ハーイと挨拶された。
聞くと、2人の内の1人が善に気付き、あれってあなたと同じ日本人じゃない?と言われて、それを確めるために声をかけたんだそうだ。
善は、英語で ZEN SHINDOと名乗って、22歳になったばかりだ。よろしくと自己紹介すると、日本人の女性は高下秀美と名乗り21歳とのことだった。
他の2人は、善に気付いた女性が、サラ・シルヴァ 22歳 アニャ・ディアス 23歳と自己紹介された。
善は、俺は単なる観光なんだけど、3人は学生か?と聞くと、3人ともロサンゼルスの大学に通う学生とのことだった。
高下秀美が、善って英語、美味いのね…こっちに住んでたことがあるの?と聞いて来たので、いや…日本で英会話教室行って、3年ほど通ってて、まぁその成果をアメリカでどれほどのものかと、確認したいって思って遊びに来たようなもんだな…と。
すると、サラが、あなたの英語、とても聞き取りやすいわと褒めてくれたので、善はめっちゃ喜んでお礼を言って、すごく嬉しいよ!とお礼を言った。アニャも同感と言ってくれた。

善は、アメリカ観光って、どんなところに行きたいの?とアニャから聞かれて、うーん、観光って言ったって正直、ここに行きたいってのは、ちゃんと決めてねぇーんだよ。
観光スポットに行きたいっていうより、自由の国、アメリカの地を踏んで、アメリカって国を感じてみたいって言う方が強いかな。
サラが、わかる気がするわ…私も以前、家族でメキシコに行った時、この国が自分のルーツなんだわって、その空気に触れてとても感動したもの。
アニャが、善はアメリカに来て、どう感じたの?と聞いて来たので…善は、君達のようなスパニッシュ系アメリカ人、黒人、白人、他にもヨーロッパ系やインド系、アジア系も含めて、色んな国をルーツに持つ多様な人達がいて、だからこそひとりひとりが自分の考え、価値観を大事にしていて、それをしっかりと自己主張できる…そういう意味での自由を大切にしている…それがとてもよくわかる気がするよ。
それに比べて日本は、長い歴史の中で鎖国っていう他の国との関わりを持たずして歴史を刻んで来た過去があるから、ほぼ全員が同じような日本独特の価値観を持つ、単一民族によって形成された国なんだよ、だからひとりひとりの個性がないっていうか、自己主張が苦手な人が多いんだと感じるね。
確かにそうだわ、秀美がそうなんだもの。この子、こうしたい、ああしたいっていうのがないのよ。もっと自分はこうなんだってちゃんと言わなきゃわからないって、いつも言ってるんだけどね。
秀美は苦笑しながら、確かに善のいうとおりかもね…と。
サラが、善は日本では学生なの?と聞いて来たので、いや、俺は学生じゃなくて働いているよ。金融関係と不動産関係の仕事をしているよ。
サラはすごいじゃない!と…日本は今、すごい好景気で、みんなが豊かなんでしょ?と。
サラはすごいなぁ、よく日本の経済事情まで知っているね。と。
すると秀美は、だって私達、こっちの大学で経済学を学んでいるからね…と。
ああ、そういうことかぁ?と善は感心した。
それから4人は、家族のことや、趣味、感心があることなど、多くを語り合った。

サラが急に、ねぇ、善、私、踊りたくなっちゃった❗️一緒に踊りましょ❗️と言って、善の手を引いてダンスフロアに誘った。
善は、いいね❗️踊ろう❗️と言って、ノリノリでフロアに出て行った。
善とサラは、ノリのいいテクノミュージックに乗って、互いの身体を寄せ合うように踊った。
その2人の姿を見ながら、秀美とアニャは、サラが男をダンスに誘うなんて珍しいわね…。そうね…サラにしては大胆な行動ね。
サラが善を気に入った証拠じゃない?
うん、それは間違いないわね。と話していた。
その時、激しい音楽が終わって、静かなバラード系の音楽に変わると照明が薄暗くなった。
すると、周りで踊っていた客は、各々カップルになってチークを踊り始める。
サラは、善の肩に手をかけて、踊りましょ…と誘って来たので、善は喜んで…と言ってサラの腰に手を回して、音楽に合わせてチークを踊った。
サラは、身長168センチ、体重55キロ、長い茶色かかった黒髪ロングで、胸元が大きく開いた赤いTシャツに、デニムのミニスカート、素足にハイヒールのサンダルという服装だった。
大きく張り出したバストは95のGカップで、ウエストはギュッと締まっていて60センチ、ヒップは96センチあって、張りがあり、ぷりんっと盛り上がっている。
そして顔立ちは、エキゾチックな感じで目鼻立がくっきりとしていて、厚ぼったい唇がとてもセクシーだった。かなりの美女だと善は思った。
サラは、気分が高揚して来たのか,善の首に腕を回して善の首筋に顔を埋めるようにして、乳房を善の身体に押し付けて来る。
善は、サラの耳元で、サラ…君はすごく魅力的だが、気持ちよりも先に男としての俺の身体が反応して、君を不愉快な気持ちさせてしまいそうだから、もう少し離れてくれないかな。と囁くように言うと…サラは、あらっ…ごめんなさいねっ…と、いたずらっ子のような笑みを浮かべて、少し距離をとってくれた。

チークタイムが終わり、賑やかな音楽に変わると、喉が渇いちゃったわ、と言って席に戻ろうとしたところで、白人の男性2人が、サラに、君のような最高にイカす女が、なぜこんなサルと仲良くやってんだよ?こんなヤツと一緒にいると、君の魅力が半減してしまうよ!こんなヤツより俺達と仲良くしよーぜ!と誘って来た。
サラの表情にあからさまな嫌悪が見られたので、善は、間に割って入ろうとしたが、その前に、サラが…。
私の大切な友人をバカにするような人達を、私が相手にすると思う?不愉快だからあっちに行ってちょうだい!と言って、善の腕を取って秀美とアニャが待っている席に戻って行く。
2人の男は呆気に取られたような顔をして、苦笑して人の波に紛れて行った。
善はサラに、ありがとうとお礼を言った。
秀美とアニャが、大丈夫?どうしたの?と心配そうな顔で聞いて来たので、俺は、あぁちょっとしたナンパだよ。それをサラがピシャッと断っただけさ(笑)
サラは、まだ少し怒っている様子で、あぁいった軽いノリの連中、大っ嫌い💢
しかも善に人種差別的なことを言ったのよ💢
最低だわ❗️と。
秀美とアニャは、それは最低ね…と同意していた。
サラは、せっかくアメリカを楽しみたくて日本から来たのに、嫌な思いをさせてごめんなさいと言って来たので、善は笑って、大丈夫だよ、サラ。気にすることはないさ。
日本にだって、一部だけど、日本以外の国の人を差別する人は、悲しいことだけど…実際にはいるし、俺と同じように日本に来て、嫌な思いをする外国の人は少なからずいるんだよ。
多分、アメリカに限らず、どこの国にいっても少なからずあることだ。
でも、それはその国の長い歴史の中で培われた、ある意味偏った偏見なんだけど、それもその国のひとつの顔であるわけだから…。俺としては、そういった歴史や色々な人達を含めて、この国を感じたいと思っているから、何の問題もないよ。と言って笑った。
アニャは,善、あなたすごいわね。世の中の人達が皆、そんな風に考えることが出来れば、この世から残念な争いがなくなるのにね。
秀美も、そうね。あなたのいうとおりだわ…と善を見て言った。
サラは、ジッと善の顔を見つめていた。

4人は、クラブを出た。
アニャが、善のおかげですごく楽しい夜になったわ!ありがとう!
善は、こちらこそ、3人のおかげで素敵な夜を過ごせたよ。楽しかった、ありがとう!とお礼を返した。そして、3人、ここからどうやって家まで帰るんだ?夜に女子だけで帰るなんて危険じゃないのか?
すると、秀美が、大丈夫よ。ここから歩いて五分ぐらいのところだし、表通り沿いだから、ボリスも巡回しているし…。
サラとアニャは?
秀美も一緒に3人でシェアハウスを借りてるの。だから大丈夫よ…とアニャ。
そっか、なら安心だね。
じゃ、そのシェアハウスの前まで一緒に歩いて送って行くよ。
善はどこに泊まるの?とサラ。
俺は、この通りの一本、南側の通りにあるサンセットホテルだから、俺も近くだよ。
そっか…向こうの通りに出る時は、なるべく人通りのある大きな通りを行った方がいいわ…人通りの少ないとおりには、ジャンキーなんかがラリってることもあるから…、と心配そうにサラが注意する。
あぁ、気をつけるよ。ありがとう、サラ。
そう話しながら、4人は明るい表通りを歩いて行き、3人の住むアパートに到着した。途中、パトカーが何台か通り過ぎて行き、これなら確かに安心だな…と思った。
アパート前で、善は3人とそれぞれハグを交わしておやすみと言って別れた。
サラとハグをした際、サラが耳元で、私、善のこと気に入ったわ♡と囁いた。善は、MeTooと、囁き返して、別れた。

女子、3人は部屋に入ると、ヤバいわ!秀美!やっぱり日本の男って最高ね!とサラとアニャが善のことを褒め称えた。
秀美は、苦笑しつつ、確かに善はいい男だと思うわ…でも、日本にも最低な男はいるから…(苦笑)まぁ確かに善は、日本の男の中でイイ男の部類に入るわね。
多分、日本でもかなりモテていると思うわよ。女性の扱いが上手いもの。
でも、とても紳士よ!セクシーだし、声も素敵!とアニャ。
すると、サラが、私、今まで言い寄って来る男に全く興味を持てなかったけど、善はちょっと特別ね。また会いたいわ…と、呟くように言うと。
秀美と2人で話してたの…サラが自分から男を誘って踊ろうなんて、今までなかったことよって…驚いたわ!とアニャ。
サラは、うん、自分でも不思議なくらい…無性に善と今日の夜を楽しみたくなっちゃったの。
最高の夜だったわ…秀美、ありがとう、あなたのおかげよ。
私はサラが日本人の彼に気付いて、声をかけただけよ、まぁあんなところで日本人に会うこと自体珍しいから、私も声をかける気になったんだけどね…と。
3人は、飲み直しながら善をネタに楽しい時間を過ごした。

善は、来た道を歩いて戻りながら、ロサンゼルス初日から中々エキサイティングな1日になったなぁ…と思いつつ、歩いていた。
そこに、おい!お前!どこに向かって歩いているんだ⁉️と、パトカーの中からポリスが尋ねてきた。
善は、宿泊先のホテルに帰ってるところだよ。と応えると、ホテルはどこだ⁉️と、サンセットホテルだよ、どうかしたのか?と聞き返すと、この先の路地の奥で男がナイフで刺されて殺されているのが見つかったんだ❗️犯人はまだ捕まっていない❗️気をつけて❗️と…。
善は、エッ⁉️と言う表情を浮かべて、まぢかよ⁉️と…、そして、ありがとう❗️気をつけるよ❗️と返して、ホテルに向かって、再度歩き始めた。
一瞬、数時間前の白人のおっさんのことが頭に浮かぶ…殺されたのが、あのおっさんだったら…悪魔に見つけられたってことになるな…。
もしそうなら悪いことをしたかなぁ…これがアメリカって国なんだなぁ…と思いつつ、ホテルに戻った善だった。

翌日、善はホテルを出ると、ハリウッドやビバリーヒルズの街並みなど、ロサンゼルスの主要スポットを見て回り、ランチのために、ビバリーヒルズのカフェに立ち寄った。
途中の売店で買ったロサンゼルスタイムズを斜め読みしながら、昨日の殺人事件のことは載ってないかな?と思いつつ、エスプレッソを飲んでいた。
そこへ、君は日本人かい?と白人のおっさんが声をかけてきた。
善がイエスと応えると、そのおっさんは、僕は今、日本のゲームにハマっているんだ❗️日本人の作るゲームはとてもユニークで面白い、最高だね❗️と興奮気味に話している。
善は、ファミコン?それともゲームボーイ?と聞くとファミコンのマリオブラザーズにハマっているとのことだった。
善は、マリオの隠しアイテムの場所として、こんなところがあるなを知ってる?と聞くと、エッ?そんな隠し場所があるのか?と驚くオッサンに、マリオブラザーズのゲームの攻略だったり、隠し扉などの話しをしてやると、オッサンは、君❗️今から時間あるかい⁉️もし良かったら、うちに来て、一緒にゲームやらないか⁉️と…。
善は、一瞬考えて、まぁこんな出会いもありだな…と思い承諾して、その白人のおっさんについて行った。
オッサンは、僕はビリー・ゲイン、パソコン関係の仕事をしているだ❗️と。
善も、自分は、ゼン・シンドー、東京で金融、不動産の仕事をしているが、世界をリードするアメリカって国を感じたくて、観光しに来ているんだと説明すると…。で、どうだい?アメリカは?と聞いて来たので、善は昨夜、白人から襲われた話しや、ナイトクラブでの話、ホテルへ帰る途中、ポリスから聞いた殺人事件の話を聞かせて、初日からアメリカの表と裏を経験したよ…と笑って話すと、それはクレイジーだな…と、驚いていた。

善とビリーは、ファミコンでスーパーマリオブラザーズのゲームをして、善が色々な隠し扉を見つけて、教えてやると、ビリーは、ワォ❗️こんなところにこんなトリックが隠されてあるなんて、驚きだ❗️とすごく興奮しながら、ゲームを進めていった。
ゲームを始めて、8時間…すでに外は暗くなっていたが、ビリーは夢中になってマリオにハマっていた(苦笑)
そして、ハッ!と我にかえり、エッ⁉️と辺りを見渡し、ゼン❗️今、何時なんだ⁉️
もう夜の9時を過ぎてるよと言って笑うと…もうそんな時間なのか⁉️いかん⁉️僕の悪い癖が出てしまった。すまないゼン❗️君の大事な観光する時間を僕が奪ってしまった💦と真剣に謝って来てので、善は笑って、ビリー、何も気にすることは、ないよ。俺には自由な時間が沢山あるからね。何も気にする必要なんてないよ❗️と言って安心させると…そうなのか?いや、本当にすまなかった…と。
善は、ビリー、俺、腹が減ったよ。何か食べるものないか?と聞くと、オッケー❗️ピザがあるから、一緒に食べよう❗️と言って、2人は、ビールを飲みながら、ピザを頬張った。

すると…ゼン、君がアメリカに来て良かったと思ってもらえるような、アメリカンドリームの話を僕が聞かせてあげるよ❗️と言って、自らが追い求める夢の話を聞かせてもらった。
ところどころでコンピュータの専門的な単語でわからないところがあったので、善は単語の意味を詳しく聞きながら、ビリーの話を前のめりになって聞いた。
パソコンを通して、世界中の人々とリアルタイムで繋がり合える…そんな素晴らしい世界を作りたいと言うビリーの話は壮大で,とても面白かった。しかもそれが単なる夢ではなく、必ず実現可能なその仕組みと、プランをビリーはゼンに一生懸命語って聞かせた。
ビリーは、約2時間、善に話して聞かせて、善も時間を忘れて、ビリーの話しに聞き入った。

そっかぁ…確かにその夢の実現には、資金が必要だな…。
そうなんだ、だから僕は今、この資金集めのためにこの素晴らしいプランを理解してもらうために、パワフルに動いているんだ❗️と。
善は、よしわかったよビリー❗️俺もビリーに投資しよう❗️200万ドル出そう❗️どうだい⁉️

ファッツ⁉️200万ドル⁉️
ゼン‼️気でも狂ったのか⁉️君のような若者が、なぜそんな大金を⁉️僕をバカにしているのかい⁉️

ビリー、俺は真面目に言ってるよ。言ったろ?
俺は、金融と不動産の仕事をしているって。
君を騙したり、バカにしたりなんかしないさ。
ウソだと思うなら、明日、一緒に銀行に行こうよ。
そうすれば、俺の言っていることが、ウソじゃないってわかるからさ。

ビリーは、ゼン、君は最高だよ‼️
ゼン、僕の親友になってくれないか⁉️
あぁいいとも、ビリー。でも、頼むから投資をしてもらったから親友になりたいって言うんじゃなくて、マリオを隠し扉を教えてくれたから、親友になったんだって言ってくれよな(笑)
ビリーは大笑いして、あぁ、その通りだ‼️ゼンは、ぼくのマリオブラザーズだよ‼️と。

結局、善は、この夜、ビリーの家(別荘らしい)に泊まらせてもらい…ビリーが泊まって行けよ❗️と言ってくれたのと、気付い時には、すでに深夜になっていたためでもあるが…(苦笑)
翌日、ゼンは、ビリーと一緒にアメックスのロサンゼルス支店に向かい、投資部門担当に相談して、隣にいる彼に投資したいから、これで彼に200万ドル送金してくれないか…とお願いした。
担当者は、驚いて、ちょ…ちょっと待ってくれ💦と慌てた様子だった…が、善がパスポートとアメックスのゴールドカードを出して、審査してもらい、数時間を要したが、無事にビリーへの融資手続きが完了した。
ビリーは、ゼンのことを信用していないわけではなかったが、それでも驚きを隠せなかった。
ゼンは、ビリーに必ず俺に熱く語ってくれた夢を見て実現してくれよ‼️君のことを信じて応援しているからな‼️と言って、硬い握手を交わした。
そして、足りない時はまた言ってくれ、そのタイミングに見合った追加投資をするから…と。

善とビリーは、互いの連絡先、住所などを交換してして、別れた。
ビリーは、早速ワシントンに戻って、システム開発に取り掛かるよ‼️と意気込んでいた。
そして、2人は再会を固く誓った。

ホテルに戻ると、フロントで、進藤様、昨夜はお帰りにならなかったので大変心配いたしました…と言われ、友人の家に行って遅くなってしまい、泊まらせてもらったからホテルに戻れなかったと言って、電話連絡をしなかったことを謝罪した。
フロントは、ご無事でしたのなら問題ありませんと、言って笑顔で許してくれた。
すると、伝言をお預かりしていますと言われて、メモを見ると、サラからの伝言で、連絡が欲しいとのことだった。
善は、部屋から伝言に書かれてあった番号に電話すると、ハァイと、サラの声が聞こえた。
サラ?俺だよ、ゼン!と言うと、ゼン‼️と声をあげて、昨日はどうしてたの⁉️と…。
ゼンは、ビバリーヒルズで出会ったビリーとの話しをして、家に招待されて、時間を忘れてマリオゲームにハマり、そこで晩飯を食べ、パソコンやコンピュータで世界をひとつにしたいっていうビリーの夢の話しを聞いて、その夢について語り合って、気付いたら夜中だったから、そのまま彼の家に泊めてもらったって話しをすると、ビリー・ゲインって人の話、大学で聞いたことあるわ…その人って、コンピュータの世界じゃ中々有名な人よ…と。
へーーそうなんだ。俺、全然知らないから…(笑)
ゼンは、流石に200万ドルをそのビリーに投資したって話しまではしなかった(苦笑)

サラは、ゼンは今日はどうするの?と聞いて来たので、今日は、ちょっとサンタモニカあたりまで行ってみようかと思ってるよ。と言うと、イイわね‼️私も一緒に行きたいわ‼️イイでしょ⁉️と…ゼンは、サラと一緒ならさらに楽しいよ。一緒に行こう❗️と誘った。
サラはすぐにホテルへ向かうから待ってて、と言って電話を切った。
サラはすぐと言っていたとおり、本当にすぐにやって来た。
フロントロビーで待っていた善を見つけると、ゼン❣️と叫んで駆け足で来ると、お互いにハグし合って再会を喜んだ。
2人は電車でサンタモニカに向かった。
この日のサラは、首の後ろで結ぶタイプの白いタンクトップに、デニムのショートパンツにサンダルといったスタイルで、バストの谷間やぷりぷりのヒップがとても眩しかった。
善も黒のポロシャツに白いハーフパンツにサンダルで、サンタモニカの海に沿ったスタイルにした。
サンタモニカのストリートは、オシャレなお店が立ち並び、最高なリゾートスポットだった。
イタリアンレストランでランチを楽しみながら、お互いの家族や友人の話しなどを語り合った。
サラは、そうなの…じゃあゼンは、ひとりぼっちになっちゃったのね…と寂しそうな顔で同情してくれたが、善は、自分にとって素敵な家族だった…とは、言えないけど、今、こうして旅ができて、こうしてサラという素敵な人とも出会えたことを考えると、両親には俺を産んでくれてありがとうと心から感謝できるよ。
沢山の友人にも支えられているから…、だから平気さ。
うん。そうだね。私も今の私がこうしていられるのは、両親から産んでもらったから…そう考えると余計に感謝しなきゃね(笑)
善は頷いて、サラと一緒に笑い合った。

ねぇ❗️ゼン、あのお店で水着を買って砂浜で日光浴しようよ🎵
おっ!イイね!
2人は、水着やタオル、ビーチマットを購入して、ビーチに向かった。
サンタモニカのビーチはとても広く、ものすごい賑わいだった。ただサンタモニカのビーチで基本的に泳ぐことはしない。
皆、日光浴を楽しんでいる感じだ。サラに聞くと海水音が低く、かなり冷たいとのこと。
確かに皆、海には入らず、砂浜でゆったりと陽を浴びて思い思いに、くつろいでいる。
善とサラも、服を脱いで水着になってマットの上に寝転んだ。
水着は購入したお店で着替えて、その上から服を着て来たので、脱ぐだけで良かった。
サラの水着姿は、最高に素敵だった。
小麦色の肌に白いビキニがよく似合っていた。
Tバックなので、ヒップラインがたまらなくセクシーだった。
サラがサンオイルを塗ってあげるわ、と言って善の腕、背中、足へ丁寧に手のひらでオイルを塗ってくれる。
ゼンって何かスポーツはしていたの?と聞かれ、いや、遊びで野球やバスケをしていた程度で、本格的なスポーツはやってなかったな。
それにしては、しっかり鍛えられているわ。
服を着ていると痩せて見えるけど、余分な脂肪が少なくて、筋肉がすごいわ…と。

じゃあ次は私、ゼン、お願いと言われ、善はOKと言って同じくサラに塗っていった。
サラは気持ちがいいわっと言って、善の手のひらの感覚を楽しむように目を瞑っている。
ゼン、ビキニの紐も解いてオイルを塗ってね。と言われ、善は、OKしてビキニの紐を解いてオイルを塗っていく。
善は内心、いくらアメリカ人が大胆だからってこれは、恋人同士や夫婦ならOKでも、単なる友達にはねぇよなぁ…と思いつつも、まぁそれだけ安心してもらえてるってことか…と考えるようにした。
ビキニの紐を結び直して、サラの横に転がって善も陽を浴びる。
善は、明日、ロスを発つんでしょ?とサラ。
うん。ひとまずベガスに行こうと思ってるよ。
ベガス?カジノ?
んーー、カジノに行くかどうかは、決めていないけど、やっぱりね…アメリカに来て、ロスにいて、飛行艇で1時間ほどのベガスに行かないってのはね。まぁひとまずベラージオの噴水は見たいかな(笑)
いいわねぇ…私も善に着いて行きたいわ!
しっかり勉強しなきゃだもんな(笑)
そうね、私も金融関係に興味があるから、そっち系の仕事に就きたいの。
そっか、頑張れよ。
うん、頑張るわ。
サラはうつ伏せになって、仰向けに寝ている善の胸に顔をのせて、ゼンは日本に特定の恋人はいるの?
女性の友人は、沢山いるけど、恋人と呼べる女性はいないよ。
なぜ恋人を作らないの?
そうだな…一番明確な理由は、今の俺の状況が理由だな。
えっ?どういうこと。
仮に俺に恋人がいて、その恋人が日本にいるとする。そういった状況で自分の恋人が遠いアメリカの地で、何も関係がないとはいえ、こんな状況にあったとしたら、その恋人からすれば、ジェラシーでしかないだろ?
確かにそうね。
それにアメリカに行って、いつ帰って来るのかもわからないなんて、恋人からしたら淋しくたまらないだろ?当然、恋人には恋人の夢や仕事や、自分のやりたいことがある。
俺としては、やっぱり恋人にも自分の人生を思いっきり楽しんで欲しいからさ、俺みたいな自由人が相手だと大変で辛い思いをさせちまうってわかってるから、今は特定の恋人は作らないようにしてるんだよ。
ゼンは、真面目ね。
善は笑って、そんなことないさ。頭では相手に対して誠実でありたい…そう考えても、男である以上、どうしても身体は、その意に反して反応してしまうからな…困ったもんだ…と言って仰向けのまま、下半身に目を向ける。
サラも善に釣られて目を向けると、ワォ!ゼン❗️どうしちゃったの⁉️と…善の水着のパンツの股間が大きく膨らんでいるのが、一目瞭然だった。
善は、笑って…サラ…君のような魅力溢れる女性が、こんなにも近くにいて、しかも肌と肌が触れていると、男の下半身は意思とは関係なく反応しちまうもんなんだよ。それぐらいのことは、サラにも理解できるだろ?(苦笑)
サラは少し照れた顔をして、そ…そんなこと、私にだって…わ…わかるわ💦
善は笑って、まぁコイツのことは悪気があるわけじゃねぇから許してやってくれ…と言った(笑)

サラは…すごい…秀美がジャパニーズコックは、アメリカやヨーロッパの男に比べると大きくはないが、とても硬いのよって言ってたけど、善のはすごい大きい感じがするわ…あの大きさで硬いって…たまらないわ…。
サラは、ハイスクールの18歳の頃に付き合っていた彼とメイクラブの経験が数度あるものの、オーガズムに達したことはなかった。
しかも、サラがオーガズムに達しないことに納得のいかない彼は、徐々に2人の時間を過ごすことよりもセックスでサラにオーガズムを感じさせることだけに執着するようになり、会うたびにサラの身体を求めて、それが嫌になって別れる選択をしたのだ。しかし彼はサラと別れることを頑なに嫌がり、サラに執着した。サラはそんな彼に恐怖を感じて、ニューメキシコ州のサンタフェからこのロサンゼルスのカレッジに入学して、今は、平穏な日々を送っている。
地元の友人の話によると、その彼はサラがサンタフェを去ってしばらくの間、喪失感によってかなり落ち込んでいたようだが、新たなできた恋人によって落ち着きを取り戻し、今は穏やかに地元の大学に通っていると聞いて、安心したサラだった。
しかし、この彼とのことがトラウマとなり、新たに恋人を得ようとはしなかった。
それに、ロスでサラに言い寄ってくる男は皆、サラの容姿を褒め讃え、セクシーだとやたらとボディタッチをしながら、誘ってくる。
男は皆、私の身体、私とのセックスを目的に言い寄って来ていると、あからさまにわかるため、過去のトラウマと合間って、男を遠ざけて来た。

が、ゼンは違った。サラを一切、特別扱いしなかった。秀美、アニャ、サラ、3人の中のただのひとりに過ぎなかった。
それぞれの個性や価値観を理解し、尊重し、ひとりひとりの人間性を賞賛した。
サラは、自分だけではなく、むしろアニャや秀美の方をゼンがリスペクトしているのではないか?と考えてしまうほど、楽しくコミュニケーションを取っているように感じた。
そう思うと、胸がチクッとした。これがジェラシーだと理解するのに、そんなに時間は掛からなかった。
会話が一瞬途切れた間を見て、サラはゼンをダンスに誘った。そうしなければ、アニャに先を越されると思ったからだ。
普段、女子同士で踊ることはあっても、サラが男性と一緒に踊るなんてことは一度もなかった。踊っている途中でも男が声をかけて来ると、私は疲れたからと言って席に戻るのが常だった。
でもアニャや秀美は、誘われれば普通に踊りに行くし、アニャは好みの男性がいれば自ら誘って踊りにも行く…だから、必ずアニャならゼンを誘って踊りに行くとサラは確信していた。
だから、アニャよりも先にゼンを踊りに誘わなければと思ったのだった。
ゼンのダンスはとてもしなやかっだった。リズム感もよく、ノリも良かった。そしてとてもいい香りがしたのだ。
今まで嗅いだことのない、いい香り。あの独特の男臭さではなく、爽やかな淡い香り…。
チークタイムになると、ゼンにもっと近寄って、その香りを嗅いでみたくなった。
自然な感じでゼンとチークタイムに入ることができて、サラは普段なら絶対にしない大胆な行動に出た。ゼンの首に腕を回して、身体を密着させた。するとゼンの首筋から香って来るその爽やかな甘い香りにサラはクラクラしてしまった。
そしてたまらずの首筋に顔を埋めた。
サラは延々とゼンの首筋に顔を埋めた衝動に駆られた。
が、ゼンからあまり接触過ぎると困るから距離を取ってと言われ、ちょっとショックを受けた。
これまで自分に言い寄って来た男達なら、絶対にあんなことは言わないだろう。

軽いノリで話しかけてきたあの軽薄な白人達に対しても、ゼンは冷静にエキサイトすることもなく、それよりも私の方がカッとなって文句を言ってしまった。それでもゼンは、何も言わなかったが、身を私の前に出して、しっかり私を守ろうとしてくれた。
とても紳士的でユーモアに溢れ、清潔感があって男らしく、とても好ましく思えた。
だから、少しでも自分の気持ちを伝えようと別れ際に、あなたことが気に入ったわと伝えたのだった。
翌日、大学の講義に出ても、頭の中にゼンの笑顔を思い浮かべてしまい、どうしても会いたくなって、大学を出た足でそのままゼンのホテルに行ってしまった。恐らくどこかに出かけているだろうことは、承知の上だったが…案の定ゼンは外出していた…だからフロントに伝言をお願いしたのだが…連絡が来ることはなかった。
だから、なおさら翌日に連絡があった時は嬉しくて仕方なかった。
あぁぁ…私、ゼンのことをこんなにも好きになってしまった…でも彼はロスからいなくなってしまう…それは仕方のない事実だ…でも…それでももう一度会いたい…少しでもゼンとの時間を持ちたい…そう思ったサラだった。

サラはゼンの提案に賛同して、ビーチを見渡せる海岸沿いのレストランに入って、ディナーを楽しんだ。
海側の席でワインで乾杯し、サンタモニカビーチの美しい夕日を見ながらのディナーは最高の思い出になった。

2人は店を出て、電車でロスに戻った。
善は家まで送って行くよ…と、提案すると、善の予想通りの返事がサラから返って来た。
ゼン…私もゼンのホテルまで一緒に行くわ…と。
ここまでサラに言わせて、いや、ちゃんと家に送って行くよ…なんて言うほど、善はヤボではない(笑)
善はサラの手を取ってホテルに向かった。
シャワーを浴びて浴室から出て来た…何も身に着けていないサラは、とてもセクシーで美しかった。善は、立ち上がってサラの前に立つと、どちらからともなく熱い口付けを交わした。
濃厚で深い互いの愛情を感じ合えるキスだった。
キスを交わしながら抱き締め合い、ゼンは軽々とサラを抱き抱えてベッドに寝かせて、首筋から胸の乳首へ舌を這わせて優しくキスをしていった。
サラの唇から、オォウゥ…アァァァン…イエス…オー…と喘ぎ声が漏れる。
善は、そのままサラのプッシーにキスをしてクリトリスをゆっくりと…ゆっくりと舐め上げて、徐々に少しづつ、舌のスピードを早めていく…、サラは激しく悶えて、喘ぎ…歓喜の声をあげた…何?これ…クリニングスって、こんなにも気持ちいいものだったかしら…これ、最高よ…なんか来るわ…アソコが痺れてきた…ハァァァン❗️
そしてその時はいきなりきた。
サラは思わず、come❗️come❗️coming❗️と喘いだ瞬間…腰から下が別物のようにブルブル痙攣を起こして、身体中がフワァーーとなって全身から力が抜けた。
そこにゼンがサラの耳元で、サラ、君は最高だ…ひとつになってもいいかい?と…囁く。
ゼン…来て…私の中に…私の中に…来て…入って来て…❤️
そして善は、サラの中にゆっくりと入って行った。
アァァァァ…すごい…熱い…熱いわ…身体中が熱い…私の中にいるゼンをすごく感じる…。
正常位で繋がった善の首にサラは両腕でしがみつき、両足で善の腰に巻き付けて、自分の一番深いところに導くように無意識に腰を動かして、ゼンの全てを感じとろうとした。
硬い…ものすごく硬い…
善は、徐々にスピードを上げて力強くサラの中に突き入れて行った。
アァァァァ…来る…来てる…すごい…たまらないわ…ゼン…ゼン……最高だわ……come❗️come❗️come❗️coming‼️coming‼️OH‼️OH‼️…サラは、最後、声にならない状態で、全身を硬直させ、痙攣したかのようにガクガクと震わせて、腰をバウンドさせて…オーガズムに達した。
善も、同時にサラのお腹の上に放出した。

ゼンの胸に抱かれて、脱力状態だったサラは、あぁぁ…これが本物のメイクラブ…オーガズム…なんて素晴らしいの…こんな幸福感を味わうことができるなんて…ゼン…本当にあなたは最高だわ…
素敵よ…あぁぁぁ…離れたくないわ…と、胸の中で思っていたことが、口から漏れていた、

善は、笑って…サラ…君もとっても素敵だったよ。最高のエクスタシーだった…と。

サラはエッ?…私、今、何か言った⁉️と恥ずかしそうな顔でゼンを見て、あぁぁ…いや…なんてことを…恥ずかしいわ…もう…やめて…と、可愛い反応を見せる。

善は、サラを抱きしめキスをした。

サラは、今度は私の番よ❗️ゼンを気持ちよくしてあげるわ❗️と言って、ゼンのちんこを握ると、優しくしごきながら、下に潜っていって、ゼンのコックを口に咥えていった。
アァァァ…これがゼンのコック…あぁ…すごい…すごいわ…どんどんまた大きく、硬くなっていく…秀美の言っていたとおりだわ…ジャパニーズコックはそれほど大きくはないけど、こっちの男より断然硬いのよって…でもゼンのは、硬くてビッグだわ…すごい…まだ硬くなっていく…欲しい…ゼンが欲しいわ…。
サラはそのまま、ゼンの上に跨ると自らゼンを自分の中に導いていった。
サラはゼンの全てを自分の中に感じでいた…その硬さ、大きさ、熱さを。
善は、両手を伸ばしてサラの乳房を手のひらで優しく包み込むと、指先でその乳首を摘み、強弱をつけながら刺激していく…サラは、ニップルが…熱い…痺れるわ…ニップルってこんなに気持ちよく刺激的に感じるものだったの?
あぁゼンから触れられだけで、どこもここも気持ちいいわ…
善は起き上がって対面座位になってサラにキスをしながら、腰を使って下からサラを突き上げる。
サラもゼンにしがみつくようにして、リズムよくゼンに合わせて腰を動かした。
最高よ❗️最高に気持ちいいわ❗️
セックスがこんなにも気持ちのいいものだったなんて…ゼン…ゼン…素敵❤️
そして、善はサラを四つん這いにして後ろから、激しく突き入れた。アゥッ❗️アンッ❗️アッ…おふっ❗️オーー❗️イエス‼️何これ⁉️すごい…すごいわ…さっきまでとは、また違った感覚…すごい…最高だわ‼️
オー❗️オー❗️イエス‼️また…また…来てる…来てる…come❗️come❗️coming‼️coming‼️coming‼️
サラは全身をブルブル震わせて激しい甘美な快楽に飲み込まれた…NO❗️NO‼️終わらない💦終わらないの‼️アッアァァァァァァァァァァァァァ…善は、サラがボルチオで絶頂に達しての痙攣状態が継続しているとわかっていたため、自分がイクまで攻め続けようとして、強い突き入れを更に続けたのだ。そして、サラ、俺もフィニッシュするからな❗️と言うと、イエス‼️イエス‼️来て‼️ゼン‼️来て‼️と叫ぶサラ…そして善もサラの背中に性液を放出したのだった。
この瞬間に、サラは1回目以上の快楽の刺激を感じて目の前がピンク色に染まったのような気がした。
そしてサラはそのまま安楽の開放感に襲われ、深い深い眠りに落ちていった。
翌朝、サラが目を覚ますと…GOOD morning❗️とゼンが近くに来て寄り添い、ハグと優しいキスをしてくれた。
サラもgood morning♡と応え、善のハグに応えた。
俺は先にシャワーを浴びたよ。サラもシャワーを浴びておいで…ルームサービスで朝食を用意してもらったから、一緒に食べようよ…と。
サラがベッドルームから出るとテーブルにコーヒー、サラダ、ピザトーストが運ばれてあった。
サラは素敵❗️お腹がとっても減ったわ❗️と言って、シャワールームに駆け込んだ。
乳房とお尻を揺らしながら駆けていくサラの姿に善は、愛おしさを感じた。
んな姿を見せられたら、ロスを離れたくなくなっちまうな…と独り言を呟いた。
シャワーから上がったサラとゆっくとモーニングを食べて、ゼンとサラはチェックアウトする準備をした。

ゼン…ありがとう…最高に素敵な時間だったわ…
サラ、それは俺もだよ…サラに出会えただけでアメリカをロサンゼルスを好きなったよ(笑)来て良かったって心からそう思えたのも、全てサラのおかげだ。
ゼンが、そう感じてくれたのなら、とても嬉しいわ❗️
ホテルをチェックアウトした善はバスでラスベガスに行くために、バスターミナルに来て、サラも一緒にお見送りに来てくれたのだ。

秀美やアニャにもよろしく伝えてくれ、楽しい時間をありがとうって、2人にも感謝だよ。
うん、ちゃんと伝えるわ。
バスの出発時間を知らせるアナウンスが流れ、サラがハッとしてゼンを見た瞬間、善の方からサラを抱きしめた…サラもすぐに応えてゼンの首にしがみついて、I love you I love you zen  ❤️
と囁き、熱い深いキスを交わした。
ありがとう…サラ…俺もサラのことが大好きだよ❗️と善も言って、バスに乗り込み、互いの目を見つめ合いながら、手を振りあった。
ゼンを乗せたバスを見送りながら、サラは堪えいた涙を目から溢れさせて、その場で泣き崩れた。

サラ…ゼンとはまたきっといつかまた会えるわ❗️と秀美。
また別の素敵な出逢いだってあるはずよ❗️とアニャ…。
サラは…無理…無理よ、私…あぁぁぁ…ゼン以外の男なんて、ちょっと考えられないわ。
あんな気持ち、あんなエクスタシー…あんなオーガズム…2度と感じることなんてできないわ(涙)と言って嘆いているサラを見て、秀美とアニャは顔を見合わせて、互いに…ゼン…サラにどんなことをしたのよ?と考えていた(苦笑)

ゼンは、バスに揺られてラスベガスへ向かった。
バスで約5時間。途中、ターミナルで休憩を挟みつつ、ラスベガスについた時には、陽が沈みかけていた。
砂漠のど真ん中にあるショーとカジノの街、ラスベガス。
ゼンは、ベガスのホテル規模、ネオンの煌めき、人の賑わいにとても興奮していた。

すげぇな…ベガス❗️
カジノ…行っちまうか‼️

善は、ひとまずホテルにチェックインした。
ラスベガスは夢の中のようだった。
アメリカってすげぇなぁ❗️だった。

ホテルを出てベガスの街並みを歩いて回った。
スタンドでコーラとハンバーガーを買って食べ、服を購入。
カジノは、24時間いつでも開いているようだったが、映画でもあるようにカジノに行くなら夜だろ❗️みたいな気がして、夜になるのを待った。
変な黒人やスパニッシュ系アメリカ人から街中を案内するぜ❗️みたいな感じに声をかけられたが、全て無視した。
サラがベガスは、観光客に案内をするからって声を掛けてきて、そこからお金を騙し取ろうとしたり、脅してお金を巻き上げようとするタチの悪い連中が多いって聞くから気をつけて…と言われていたからだ。
ベガスと言えば、マフィアがホテルを経営して勢力争いみたいなことが絶えず起きていたとも聞くし、治安もいいとは言えない…。

善はホテルに戻り、一度シャワーを浴びてから白シャツに黒のジャケットとパンツをラフに着こなしてカジノへ向かった。
カジノのには、意外と日本人の姿もチラホラ見える…さすがジャパンマネーはベガスでも使われてんなぁと思いつつ、モヒートをカウンターで飲みながら、さぁ何して遊ぶかと思案していたところに、なんだ?お前日本人か?まだ若いな?お前みたいな新人類の若造がラスベガスで遊ぶなんざぁ、世も末だな…と、60代半ばと思しきオッサンが、頭皮はハゲ上がり、脂ギッシュな赤ら顔に丸々と張り出した腹を揺さぶりながら、話しかけてきた。
紫色のダブルのスーツに赤と黄色のペズリー柄のネクタイ、ベビ革のエナメルっぽい革靴…ファッションセンスの欠片もない、いかにも日本の成金親父といった感じだ。

善は、成金のオッサンから四の五の言われる筋合いはねぇよ…人のことはいいから、負けて、すってんてんにならねぇ程度にそこら辺で遊んできなよ…とあしらうと…。

なんだ💢お前❗️誰に向かって口聞いてたんだ‼️💢‼️と怒り出した。
オッサンの隣り立っていた派手なピンクのスーツ姿の水商売風の二十代後半ぐらいの女と、同じく赤いスーツを着た同じ職業っぽいの30代前半ぐらいの女が、社長…おやめなさいよ…こんなところで…と制止しようとしている。

オッサンがどこの誰かなんて俺が知るわけねぇだろ?アホか?あんた。

若造がゴラァ💢俺はなぁ…と言いかけたのを善は、別にオッサンのこと知りたいとも思わねぇから、自己紹介なんていらねぇよ…と言って、その場を立ち去った。
後ろから、ま…待てキサマァ‼️💢‼️とおらぶ声が聞こえたが、善は無視して立ち去った。

善は、ひとまず10,000ドル分のチップを購入してポーカーのテーブルで遊んだ。
1時間ほどで3,000ドルちょっと増やしたところで、配られる手札が急に悪くなったため、締めに入り出したな…と思い、無理して追わずにドロップして降りて、場を抜けた。
次にブラックジャックのテーブルに着いて、そこでも4,000ドルほど増やしたが、やはり手札が悪くなったので、無理せずにサレンダーして、おりて一巡するのを待ってテーブルを離れた。
隣の30代半ばのヨーロッパ系白人男性からチキンだな…と言われたが、50代後半ぐらいの生粋の白人男性からは、君は賢いな…と言われた。
善は、笑って気が弱いだけですよ…と言って去った。
善は、チキショー💢‼️と怒鳴る声が耳に入って、そっちを見ると、善に声をかけてきた成金オヤジが、バカラのテーブルで額の汗を拭きながら、まだまだだ‼️と大声で叫んでいる。
両隣にいる赤とピンクの女が、社長、もうよしましょうよ💦と言って、止めようとしているが、社長と呼ばれた成金風オヤジは言うことを聞かない。俺は今までここぞと言う勝負に勝って来た男だからな…心配するな❗️と言っているが、善は、プロのディーラーに叶うわけねーだろ?と思いつつ、ルーレットのテーブルに座ろうと思って行ったが、空いていなかったため、スロットマシンで遊ぶことにした。

カジノの女神は、この夜、善に微笑んでくれた。
善は、ポーカーとブラックジャックで増やした約7,000ドルでスロットマシンで遊んでいると、マシンが何やら賑やかな音楽と音を立てて、7が次々と揃って、ジャックポットを当ててしまった。
その音を聞いて、フロアパーソンが駆けつけてきた。
周囲いた他の客も善のスロットマシンに注目している。
フロアパーソンから、コングラッチュレーションズ‼️と言われ、拍手を送られた。すると他の客も寄って来て拍手をしながら、すごいぞ‼️お前‼️大当たりじゃないか⁉️神に愛されたな‼️羨ましいぜ‼️俺もそのマシンにベッドしとけば良かった‼️などと、もてはやされた💧
善は、このスロットマシンでジャックポットを引き当て45万ドル…日本円にしてこの当時のレートで約65,000千円以上も買ってしまった。
申告、換金手続をして、カジノフロアをプラプラしていると、善の勝ちを見知った客から、悪い連中には気をつけろよ!お前の金を狙っている奴らが、この中には沢山いるからな!身の安全を確保しておいた方がいいぜ!と本気で忠告され、ここはアメリカだ…何があってもおかしくはないからな…と思って用心した。
すると、例の成金オヤジが、真っ青な顔をして憔悴し切った様子で、ソファにもたれて座っていた。
赤とピンクの水商売風の女が少し離れたところで立ったまま、不安そうな顔をして、何やら話し合っている。
善は、やられたな…と思いつつ、どうした?と女達に声をかけた。
あっ!さっきの!…と、言って…いえ…どうしたもこうしたも…。
あのオッサン、俺の言ったとおり有金全部突っ込んで、ホントにすってんてんに鳴っちまったのか?
女2人は目を合わせて、大きな溜息をつきて頷いた。
まぢか?オッサン、バカラに首、突っ込んでたもんなぁ…バカラは簡単だが配当が高額になる分、負けも太いから…少額で遊ぶ程度ならまだいいが、大勝ちを狙いにいって大金を注ぎ込むと、危険だからなぁ…。
バカラって、そんなに危険なんですか?
危険なものじゃないが、あのオッサンのようにすぐにムキになっちまう性格の人には向かないってことだ。

ハァァァ…どうしよう…と赤いスーツの女が困惑している。
善は、あのままあそこに放置しても仕方ねぇーから、ひとまず部屋に連れて行った方がいいんじゃないか?今、何をどう考えたって一緒だろ?
帰りの飛行機のチケットはあるだろうから、それに乗って帰国するしかねぇーだろ?と。

そうね…そうするしかないわね。と言って、オッサンに声をかけに行った。
ピンクスーツの女が、お兄さんはカジノで勝てたの?と聞いてきたので、俺は大勝ちだな。と。
エッ⁉️ホント⁉️すごいわね…いくらぐらい勝ったの⁉️
善は笑って、そんな野暮なこと聞くもんじゃねーよと言って、立ち去ろうとした時、おい、お前!と成金オヤジが声をかけてきた。
善は、めんどくせぇな…と思いつつ、仕方なく…どうした、おっさん…こっぴどくやられたまったようだな?
あぁ…やられたよ…お前さんの言ってたとおりになっちまった…。
だろうな…ってか、おっさん…バカラのテーブルで熱くなってただろ?それをチラッと見て、危ねぇなぁとは思ったけど、そこのお姉ちゃん達が止めようとしても、聞く耳持たずに、負けを取り返そうと突っ込んでいたから…俺がやめとけって言っても火に油を注ぐだけだろうから、声をかけるのやめたんだよ。

そっか…あぁぁ…熱くなってたな…頭が真っ白になっちまった。
相手はプロのディーラーだ、客の勝ち負けなんてどうにでもなるんだよ。
しかも日本から来た金持ちで、カジノ遊びも素人だと分かれば、こりゃいいカモが来たぞってなるよ。
ってか、途中でディーラーからもう降りた方がいいって勧められてただろ?
あぁ、言われたよ…もうそれぐらいにして、今日はやめた方がいいってな。
でも、負けっ放しのまま引き下がるってことができなかったってとこだろうが…。
あぁ、お前のいうとおりだ。

善はやれやれといった顔で…で、俺に何の用だ? 
俺は、こういうもんだ…と、胸ポケットから出した名刺入れから名刺を一枚取り出して善に渡して来た。株式会社堂前建設 代表取締役社長 堂前隆司 住所は東京都足立区になっていた。

土建屋の社長さんか…で、持ち金を全部持って行かれたから金貸してくれってことか…。

……あぁ…そういうことだ。すまんが、日本だとどうにでもなるが、アメリカじゃどうにもならん。
この後は、どうするつもりでいたんだ?ってか、ペガスにはいつ来たんだ?
今日、来たばかりだ…ここのホテルに2泊する予定だ…。
で、明後日、ロスに戻って帰国する予定だったのか?
あぁ…そうだ。
飛行機代と宿泊代は、旅行代理店に払ってるから問題ないってことやな…ってことは、アメックスかマスターカード持ってねぇのか?
マスターカードを持っている。
ってことは、持ち合わせの現金とカードの限度額分、全部使い切ったってことか?
ああ、そのとおりだ。
ってことは、現金10,000ドル…約150万にカードで300万…ざっと400万から450万の負けってことか…。
いや、VISAも使ったからな…。
はぁ⁉️まぢか⁉️ってことは、一晩で1,000万はいかれたってことかよ⁉️

堂前は、何も言わずに黙って下を向いた。

ハァァァ…べガスでそんなに熱くなってどうすんだよ…ったく…。
善は、金がいるのは、実際のところ明日明後日の2日分だよな?お姉さん達は、金持ってんのか?
2人は首を横に振った。
はぁ?まさかあんた達の持ち金もこのオッサンに貸したのかよ?
2人は頷いた。
はぁぁ…まぢか?で、2人はカードを持ってねぇ…と。
社長が、俺が全部持つから、いらないって言うから…。
オッサン…カッコつけて、女連れてべガスにまで来て、負けてその上、女の金にまで手を出すなんて、あんた最低だぞ。
あー…わかってる…わかってるさ…そんなこと…と呟くと、ヒクッ、ヒクッ…と言い出して、その場で肩を揺すりながら泣き出した。
善は天を見上げて、はぁぁ…自分の情けなさを悔やんで泣き出しやがったよ…💧

女2人は、呆然と立ち尽くしている…。
善は、2人に1日300ドル…約45,000円だ…3人で残りの2日分、1,800ドル…貸してやるよ。
そんだけあったら、ひとまず観光して普通に飲んで食って土産も買って帰れるだろ?と言って、内ポケットから100ドル紙幣を18枚数えて、赤いスーツの女に渡した。
女2人は、すみません💦ありがとうございます💦と…本当に感謝します💦と言って頭を下げた。
おっさん…今のあんたは金に関しちゃ信用できねーから、金は、お姉さんに預けるからな。
2人は、水商売だろ?そのなりからして銀座か?
はい…銀座七丁目のクラブルシアンで、チーママをしています彩香と申します…と赤いスーツの女が頭を下げた。
私は。同じ店のホステスで、静と申します。
そっか、銀座ルシアンの彩香さんと静さんね…
おっさん、1,800ドル、日本円にして、今のレートじゃ、多分80万を少し超えるぐらいだろうけど、日本円で80万でいいや。帰国したら、この2人に借りた金に80万上乗せして預けておいてくれ…俺は、もうしばらく日本には帰らないけど、帰国したら、銀座の店に顔を出すよ…。その時に返してもらう…それでいいな?

おっさんは、涙をボロボロと床に落としながら、すまん…すまん…すまん…と謝り続けていた。
チーママの彩香が、すみません、お名前を伺ってもいいですか?と聞いて来たので、進藤だ…進藤善…銀座ならロワイヤル…知ってるか?
エッ⁉️ハ…ハイ、知っています…銀座でも老舗の高級クラブですから…。
そっか、んなら、俺のことを怪しむならロワイヤルのかおりママに聞いてくれ。
じゃーな。
おっさん…2日間、バカなこと考えないで部屋に戻って大人しく寝ろよ。
と言って、善はカジノを出て部屋に戻った。

翌日、善はホテルからアメックスのフェニックス支社に連絡して、ペガスで45万ドル当てたから、入金したいと話すと、すぐにそちらに向かいます!と言って、アメックス担当者は、その日の午後にホテルまで迎えに来てくれた。
善は、ホテルをチェックアウトして飛行機でフェニックスに向かい、アメックスのフェニックス支社で入金の手続きをして、この日はアメックスが用意してくれたホテルに宿泊した。

フェニックスは、とにかく晴天の日が多いらしく、昨日到着した日も今日も雲一つない青空が広がり、気持ち良かった。
昨夜はアメックスの担当者が夜、ディナーに招待してくれて、美味いメキシコ料理を堪能した。
少々テキーラを飲みすぎて二日酔いになるかと思ったが、それほどじゃなく安心した。
ホテルをチェックアウトすると、アメックスの担当者、ジョージ・ケイン(スパニッシュ系男性アメリカ人)がリムジンで迎えに来てくれていた。
善は、自分で空港に向かうから良かったのに…と恐縮して言うと、進藤様は我々にとっては大事なお客様ですから、上司からも十分にサービスするよういい使っております…と。
善は、深い感謝の意を表した。

善は、ジョージ・ケインに改めて感謝し、飛行機に乗ってフェニックスを後にした。
飛行機の行き先は…マイアミだ。





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