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[短編小説] たった一歩の勇気が人生を変えた話。

「お前には無理だよ」
「え、お前がビジネス?マジで?」 

「いやいや、絶対無理でしょ。どうせすぐ辞めるって。」

高校の同級生、翔太の言葉が今でも耳に残っている。
昔から、何か新しいことを始めようとすると、周りはすぐにバカにした。
「成功するのは一部の人間だけ」「お前みたいな普通の奴がやっても無駄」
そんな言葉を浴び続けるうちに、いつの間にか挑戦すること自体を諦めるようになっていた。

でも、その日だけは違った。
「もうバカにされるのは嫌だ。」
「やらないで後悔するくらいなら、やって後悔したほうがマシだ。」

そう思って、スマホを開いた。
そこにあったのは、「スマホ1台で月5万円稼ぐ方法」の記事だった。

最初の一歩は、怖かった。

「副業」と聞くと、怪しいものが多いイメージがあった。
でも調べてみると、普通の人でも始められるビジネスがたくさんあった。
SNS運用代行、せどり、ブログアフィリエイト、動画編集…。

「やってみるか…」

そう思って、SNS運用代行に挑戦してみることにした。
「まずはクライアントを見つけることが大事」と書いてあったので、企業にDMを送ることにした。

最初は怖かった。
「断られたらどうしよう?」
「自分みたいな素人が仕事を取れるわけない…」

でも、考えてばかりじゃ何も変わらない。
とにかく手を動かすことにした。

そして、30通目でついに返信が来た。
「興味があります。一度お話を聞かせてください。」

画面の向こうで震える手を抑えながら、「やった…」と呟いた。

バカにされていた俺が、月5万を稼ぐまで。

最初の仕事は、月5,000円の契約だった。
たった5,000円かもしれない。でも、自分の力で稼いだ5,000円だった。
これまで時給で働くことしか知らなかった自分にとって、それは革命だった。

それからはひたすら勉強した。
クライアントのSNSを分析し、改善案を考え、結果を出すために試行錯誤した。
そのうち、契約が増えていき、気づけば月5万円の収入になっていた。

高校の頃、俺をバカにしていた翔太に言われた。
「なんか最近、楽しそうだな。」

「ああ、人生変わったわ。」
そう答えた時、今までにない自信が湧いてきた。

見栄を張る奴ほど、実は不安を抱えている。

久しぶりに翔太と会った。
彼はブランド物の服を着て、高そうな腕時計をつけていた。
「相変わらずバカにしてくるかな?」と思ったけど、翔太の表情はどこか曇っていた。

「実は、最近仕事辞めたんだよね。」
「やばいな~って思いながらも、周りにダサいって思われたくなくてさ。」

俺は気づいた。
見栄を張る奴ほど、実は不安を抱えている。
他人の目を気にするより、自分の人生を大事にするほうがよっぽどかっこいい。

俺はもう、見栄なんか張らない。
やるべきことをやるだけだ。

俺が学んだことは3つ。

✅ バカにされても気にするな。 変わる前の自分を知ってる人ほど、文句を言う。
✅ とにかく行動することが大事。 どんなに知識をつけても、動かなきゃ意味がない。
✅ 他人の評価より、自分の成長を大事にする。 見栄を張るより、地道に努力するほうが強い。

今、もし挑戦するか迷っているなら、やってみてほしい。
たった一歩の勇気が、人生を変えるから。

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