化石を自分のスタイルで観察してみよう!
化石を手に入れたはいいけれど、「これって本物かなあ?」と思いながら眺めているだけだったりしませんか?今は、ルーペや顕微鏡など観察のための道具が安価で手に入ります。いろいろな手段を使って、化石をじっくり、楽しみながら観察してみましょう。
まずはそのまま観察してみる
中央のはモササウルスの歯。恐竜が活躍した最後の時代、中世代白亜紀(約4億4,500万年~約6,600万年前)に海の最強捕食者として君臨した爬虫類。映画「ジュラシック・ワールド」の海面から飛び出して人を襲うシーンで一躍有名に。
左右のはサンドシャークと呼ばれる新生代第三紀(約6,600万年~約260万年前)のサメの歯。モササウルスもサメも、一生のうちに歯が何度も生え変わるため、歯の化石が大量に出土します。いずれもモロッコのクーブリガという砂漠エリアから出たものです。
人間の歯と同じく、表面はエナメル質に守られていて、エナメルが残っている部分は照明を当てると光って見えます。
ルーペで40倍にすると見えるものは?
モササウルスの歯を40倍のルーペで観察してみました。肉眼で見るとツルツルした感じだったところも、実はびっしり筋が入っているのですね(人間の歯のエナメルも、縦にひびが入るそうです)。土の中から出てくるので、表面の細かい汚れもそのままです。
ルーペは宝石鑑定用に使うものが、Amazonなどで廉価で手に入ります。
顕微鏡の向こうは別世界
同じモササウルスの歯を、100倍の顕微鏡で観察。肉眼で見ると茶色い表面も、割合透明感があることがわかります。表面のエナメルは硬いのに傷つきやすい?という面白い物質で、化石に残っているものもだいぶ傷んだ状態のようです。
顕微鏡も、100倍から250倍程度のものが気軽に買えます。基本的に平らなものを見るための道具ですが、いったん台の上にピントを合わせてから、レンズを化石の上で少しずつ動かしていくと、ピントが合いやすくなります。
ブラックライトを当ててみると?
目に見えない紫外線を発するブラックライト。蛍光性のあるものだけが光り、肉眼で見たときには気づかなかったものが見えたりします。ブラックライトを当てると、エナメルが残っている部分がよく光ります。石灰質も光るので、アンモナイトなどは透明感のある様子がよくわかってきれいです(トップの画像参照)。
ブラックライトはルーペや顕微鏡に付属していたりして、かなり簡単に手に入ります。
歯の化石を割ってみたら
モササウルスの歯は人間の歯と同じく、外側が薄いエナメル質、その下が白くてやや厚い象牙質。一番内側は人間で言うと神経などの軟組織ですが、軟組織は化石になるうちに失われて中に堆積物が詰まっています。
モササウルスの歯を下から見ると、外側が薄い膜で覆われているのがわかります。化石はピンセットで持つと表面に傷がついてしまうかもしれず、念のため割りばしの先端を細く削ったものを使うと便利。
中を確認するために、歯を割ってみました。カッターで簡単に切れます。表面のエナメルはパラパラはがれますが、白い象牙質のところはかなり硬くなっていて力が要りました。中はやはり、茶色い堆積物の占める部分が大きいんですね。
100倍の顕微鏡で、割った歯の端っこの部分を観察してみました。やはり表面には薄い膜があります。目で見るとあまりよくわかりませんが、砕いたときのかけらがパラパラと舞い散ってます。
化石は見て遊ぶもの!
わずか数センチの化石でも、いろいろ見方を変えれば、こんなふうに観察して遊ぶことができます。しかも、費用はそんなにかかりません。あれこれ試してみながら、自分なりの楽しみ方を発見しましょう!
化石ショップ◎エルフードは、メルカリショップで、モロッコ直送の化石を販売しています。ぜひここでお気に入りの化石を見つけてください(割ってみたい方には、欠けがあるミックスのご利用をお勧めします。商品は随時補充)。