白亜紀の地層を求めて銚子ジオパークへ!
犬吠埼灯台やしょうゆ工場で知られる千葉県銚子市は、白亜紀の珍しい地層が見られることから一帯が「銚子ジオパーク」となっていて、恐竜の時代に思いをはせながら磯遊びをすることができます。太古の海を目指し、いざ、千葉県最西端の銚子の町へ!
銚子ジオパークミュージアムで情報収集
まずはこの一帯に詳しくなるために、「銚子ジオパークミュージアム」へ。「銚子市地域交流センター」の建物内にあり、入口は一見、学校かお役所のよう。「ここでいいのかな~」と一瞬ためらわれますが、一歩中に入ると係の人が丁寧に案内してくれます。
展示品はささやかながら、白亜紀からの銚子の地域の歴史がわかり、このエリアで発見されたクジラの化石や琥珀なども見ることができます。
白亜紀の砂岩が大量に堆積していることから、江戸時代から石材が採掘され、加工しやすく良質な「銚子石」として知られていたそうです。今でも町の中に銚子石で造られた建物が残り、中にはこんなアンモナイトが含まれていることもあったのだとか。
銚子ジオパークミュージアム
9:00-17:00 月・祝・年末年始休館 無料
白亜紀の海!?銚子半島の先っぽ長崎鼻へ
銚子の町は太平洋に三角に突き出しているのですが、その先っぽのほうに行くと「長崎鼻」という岬があります。ここは、白亜紀の砂岩と泥岩、約2,000万年前の溶岩が固まった安山岩、約500万年前の礫岩と、ダイナミックな地層が見られる場所となっています。礫岩からは、サメの歯やクジラの骨など、大量の化石が見つかっているとのこと!
「長崎鼻」と言っても知っている人は少ないかと思いますが、富士山の頂上に夕日が沈む「ダイヤモンド富士」が拝める一大フォトスポット。その季節になると、シャッターチャンスを狙う人が全国から集まるそうです。バーベキューができそうな砂浜もありますが、地元の人が「ごみを残していく人が多くて困る」とぼやいていたので、どうかご注意を!
引き潮になると、浜にきれいな貝殻が打ち上げられています。特に多いのは、左上にある大きな白い棒、「イカの甲」。イカの甲羅、骨、カトルボーンとも呼ばれ、柔らかくてコリコリ削ると粉になる感じ。カルシウムの塊なので、なんと粉末にしてインコ用のサプルメントとして販売されているそうです。
犬吠埼で地層をじっくり観察
銚子の犬吠埼と言えば、普通は灯台を見に行くためのところ。ところが実は、この辺りには白亜紀の浅い海の痕跡が残っていて、「犬吠埼の白亜紀浅海堆積物」という天然記念物に指定されているのです。
灯台前の原っぱから、階段で浜辺に降りていきましょう。このように、「白亜紀浅海堆積物」について説明した看板があります。途中、緑に囲まれたところもあるので、波打ち際まで降りて崖の周囲をぐるっと歩いて回るといいようです。
普段は泥がたまるところだったのですが、嵐などで川から砂岩が運ばれ、砂岩と泥岩が交互に重なった地層に。さらに泥岩が波で削られ、砂岩が飛び出して見えます。犬吠埼の浜は、こんな面白い地層がある場所だったのです。
生き物がはった跡、生痕化石のようなものもいたるところに見られます。満潮のときはだいぶ波が上がってくるので、干潮のときに歩いてみるのがおススメです。
千葉県がある房総半島は基本的に、約2,300万年前以降の新第三紀地層から成っているのですが、この銚子の海辺にだけ、6,600万年以上前の白亜紀の地層が表面に顔を出しているとのこと(太平洋に突き出した銚子半島が侵食されていないのも、この古く硬い岩のおかげなのだとか)。関東では貴重な観測スポットなのです!
灯台のすぐそばに「犬房テラステラス」というおしゃれな売店&カフェがあり、2階のテラスから海が見渡せます。この建物の中には、「銚子ジオパークビジターセンター」もあります。
銚子ジオパークビジターセンター
10:00 - 16:00 年中無休 無料
銚子といえば「灯台」と「しょうゆ」しか知らなかった方も、ぜひ今度「ジオパーク」を体験してみてください!
化石ショップ◎エルフードは、メルカリShopsで白亜紀のモササウルスの歯化石などを販売しています。実物を廉価で手元に置くチャンスです!