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『ラストナイトインソーホー』映画感想。


60年代ロンドンオタクのエリーは憧れのファッション専門学校に入学したのだが、同級生たちの奔放な寮生活に辟易し、ある老夫人の住まいの屋根裏に引っ越すことに。

それからというもの毎夜、不思議な夢を見るようになる。
60年代ロンドンで歌手を目指す、見目麗しいサンディがジャックという男に騙され、娼婦となり男どもに翻弄され傷ついてゆく様を毎夜夢で追体験することにより、エリー自身も精神を蝕まれてゆく。
元々エリーの持っている男性恐怖症的特質とサンディが受ける男たちからの凌辱がダブルパンチで効いており、ついに現実生活まで脅かされていくことに。
恋人の助けもあり、意を決して部屋を出るエリーだったが、まさかのどんでん返しが待ち受けていた。


印象に残ったのは娼婦として売られたサンディが何とかそこから逃れようとストリップ小屋の楽屋から逃げ出そうとするシーン。
両側にストリップ嬢たちの楽屋が連なる通路を逃げ走るサンディが目にする、嬢達の現状を暗示する悪夢的な一コマ。しかし、瞬く間に切り替わり映る悪夢の動き方がディズニーランドのピノキオのアトラクションのようで、怖いのにもかかわらずどこか楽しい。
印象的な場面をもう一つ。
エリーが寝起きに夢現で見た、サンディを凌辱したであろうパンツ姿の中年男性の集団が面白かった。
面白がるところじゃないのだけれど、、
ベット周りに立ち尽くすパンツ姿の男たちのぬぼーーっとした感じが進撃の巨人の巨人のようで、
めちゃくちゃ怖いのに面白くて、気持ちの整理がつかなくなる。

にも関わらず、男性に対する女性ならではの性的な恐怖感も強烈に感じる。
生々しいシーンがあるわけではないし、そういった行為が行われていたことを暗示するシーンもネオンの灯で夢見ごちな風合いに緩和されているのに、トラウマになりそうなくらい怖い。
そうゆう経験のある女の人が見たら卒倒しちゃうんじゃないかな。。と心配になるくらい。
男の人が見たらどう感じるのだろう。
ちょっと興味深い。

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