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位相、群を独学する前に知りたかったこと

はじめに

今までアニメ感想とプログラミングに関することを書いてみましたが、オブジェクト指向の記事の時に型理論や述語論理に触れているところからわかるように数学に興味があり、また機械学習の理屈を知りたいと思って、結構前から数学の独学をしています。最初にどこかでおすすめされていたのでキューネンの「数学基礎論」から始めようとしましたが、まあ難しい。大学の数学科に行ってないような人間にはハードルが高すぎました。普通に大学院の数学科を想定してあると普通に書いてあり、また二章に位相や群論レベルの抽象的な議論ができるようにしておけという自ら門戸を狭めるような文言もあり、いったん読み進めるのを中断思案した。その後、「数学基礎論」に書いてあったので位相と群論を勉強し始めました。

前提は集合論!~知ってないと悪夢を見ることに~

多分位相や群論を数学クラスタ以外の私のような人々が学ぶとき、まずなんでこんなことを考えないといけないのかがわからないです。
位相や群の本で定義されていくものは、改めて当たり前のことを説明していくものが多く、逆に深読みが必要なのではと思わせてきます。まあ違うんですが。。そんな深読みをしながら本を読んでいくのはかなりつらかったです。
もう集合論の簡単な本から読みなおしていくとふと気づきました。位相と群の教科書って集合論の公理と定理のみを前提として、それ以外なかったことにしないといけないんだ、もっと言うなら教科書によっては事前知識いらないということに気づきました。日本では最低九年は数の性質について学びますが、私は今まで学んだことを前提に位相と群について勉強しようとしたわけです。現代の形式主義で構成された数学を初めて学ぶには向いてないと気付いた後は素直に本の内容が頭に入っていきました。
多分結構な割合の位相と群の教科書は集合論から始まっていると思いますが、私は最初その意味が分からなかったので、飛ばして位相とか群とか書いてある章から読んでいました。
これがいけなかった。
気づいて最初からちゃんと読むようになると大体の教科書は集合論の章は後で関係するところを重点的、詳細に書いてあり、のちの伏線と言っては何ですがちゃんと構成されているんですよ。
要するに現代数学は集合論の公理からできる定義を一歩ずつ追加していって概念を増やしていくってことです。なので位相や群のようなかなり根本に近い概念は当たり前だと思っていたことを定義することも多いので、そこで変な勘繰りをしないことが大事です。

群のイメージ

群は演算をもった集合です。ただ写像を集合論でやるので、集合って計算できるんじゃないのと思って、教科書を読んだとき戸惑いましたがまあ読み進めていくと写像の定義だけだと演算ってなにか漠然としていて後の議論がしにくいんだということで納得できました。
群のようなかなり基本的な概念を学ぶときは、小学生以来ずっと使ってきた足し算さえ定義しなおしていくと頭に入れおく必要があります。もっと正確に言うと群で定義できる演算は足し算とかかけ算とかより抽象な操作も定義です。

位相のイメージ

位相はかなり基礎的な概念です。基キーワードは「連続」、「近似」です。位相を集合に定義してあげることで集合で直線や円などの図形が記述できるようになります。これも小学生いや就学前から図形の存在を知っているので、なかなか図形が存在しない世界を想像位相をできませんが、位相を学ぶときそれが必須です。正確ではないですが、グラフや図形を抽象化した集合が位相です。

まとめ

位相と群は数学のかなり基礎的なレイヤーに存在するので、いったん集合論の公理以外は忘れる。群では足し算等の演算を抽象化した演算、位相ではグラフや図形を抽象化したもの。以上を教科書読む前に知っておくと独学でも位相と群の理解ができます。逆に知っていないとかなり苦しい学習になりそうです。

あとがき

数学って公理的集合論を基礎においてから、レイヤーが確実に存在します。ただそのレイヤーは可塑的です。なのであまり言われることはないですが、現状明らかに位相空間論と群論は公理的集合論のすぐ上のレイヤーにあり、その上のレイヤーにほかの慣れ親しんだ数学があるように見えます。圏論はどこにいるかちょっとつかみかねますが、確実に低レイヤーの数学は『数』学というより、思考の研究、つまり論理学と接している。論理学が数学の一分野であるか、数学が論理学の一分野かは見方によって変わるが、情報を扱う分野にも必要な気がしています。ヘッダー画像にも書きましたが、数学から情報分野を扱っていけたらと思います。

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