『R.O.D the TV』の感想
昔見たことがあったが久しぶりに見たくなって一気見。
アニメの脚本家として有名な倉田英之の著書『R.O.D』が原作。そして彼の手によるオリジナルストーリー。上にもあらすじを載っけているが、原作とのつながりでいえば、パラレルワールド設定であるova版の五年後の世界。前作から主人公が交代して読子・リードマンから読子と同じ能力を持つ三姉妹が主人公。
本作はいろいろと凝っている箇所がある。一つに原作の読者でも楽しめるようにパラレルワールドであること。原作を見てない人は純粋に、原作を読んだ人は原作での分岐を考察したりして、楽しむことができる。次に各話のタイトルがすべて有名な小説のタイトルのパロディになっている。たまに藪の中、それからみたいにそのままの時もあるが、たいていパロディになっている。特に『第1話 紙は舞い降りた』は秀逸なタイトル。偶然か狙ってかちゃんと紙が舞い降りるのだ。元ネタは有名な『鷲は舞い降りた』。主人公三姉妹の能力は紙を操る能力で、主人公たちも空から降りてくるシーンがあるので、この意味でもタイトル回収している。実際いくつかかっているかは不明だが、よくできたタイトルである。三つ目は私にとってはですが、すごい心が締め付けらる微百合成分が多々あることです。特に主人公三姉妹の末っ子アニタちゃんとアニタちゃんが通うことになる学校の同級生久ちゃんとの関係性は、あまりに尊くて切ない。いずれ二人が離れることになっても、決して二人の友情は永遠なんだろうなと思わせる描写で感動する。私のもの知らずせいだろうか、赤毛のアンの使い方がうまいと思ったのは朝ドラの『花子とアン』とこれくらいしか知らない。女と女の恋愛とも友情ともいえるような名づけるのに複雑な関係を『心の友』という言葉一つで言い表したのはとてもセンスがある。
今回は配信サービスで見たので聞いてないがDVD やBDで見るとオーディオコメンタリーが入っていてこれは聞く価値あり。監督の舛成孝二と原作/脚本の倉田英之が作品を見ながらこういう風な意図でこのセリフを言わせたとか、こういう演出をしたとすごい詳しく語っている。風の谷のナウシカのDVDのオーディオコメンタリーで語っていた庵野秀明もそうだが、製作者がこのシーンはこうだったとか語ると作品の理解がかなり深まる。単に深まるだけでなく、鑑賞者としてもかなりすごい人(オタクといってもさしつかない)なので、ほかの作品を見るときの視点をくれる。私はかなり勉強になった。普通実写作品でも通じる話をしているので、あまりアニメはという人にも、見てほしい。
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どう締めようか書きながら考えていたけど、ネタバレしちゃうのもなんだし、今回はこの辺で締めます。では次何かの感想書いたら読んでください。書く前は、別に思ってなかったけど評価もらえるとうれしいので、投稿読んで気にいったらスキボタン押してください。あとお勧めの見出し画像あったら教えてください。