アナリスト/スタイリストと体験するヴァーチャルファッションの可能性(2)──DressXでショッピングを体験する
ヴァーチャルファッションのプラットフォームである「DressX」を、カラーアナリストのかいじんちゃんと、イメージコンサルタントのアサノシノとともに体験する全3回のレポート。
ヴァーチャルファッションの背景を整理した第1回に続き、第2回となる今回は、アナリストとスタイリストのふたりとともにDressXの商品を見ていく。つよくておもしろい服を選びたいと話す彼女らがどのような購買体験をしてたのかレポートする。
浅野|前回も少し紹介したけれど「DressX」は、写真を送ると購入したヴァーチャルファッションを合成した画像を送り返してくれるサービスです。スマートフォンのアプリでは購入する前にざっくりとした合成する、ヴァーチャル試着(メタルック)もできます。
アクセサリーからドレスやらなんやらとたくさんのブランド/商品があって、価格帯はゼロ円〜数万円のものから、複雑なモデルやNFT商材として扱われているものは数十万円のものまで幅広く扱われています。
サンプルを見てもらうとわかるように、着てみたい服装がたとえばボディースーツのようなものなら、ぴったりとした服装でオリジナルの写真を撮った方がよかったり、髪の毛みたいな切り取りづらいオブジェクトが入らないように注意したりする必要があるので気をつけてね。
シノ|先に触ってみたんだけど、アプリ入れると鏡の前で自分を撮影しながら簡易的なヴァーチャルフィッティングすることができて、出来上がりをイメージすることができて楽しいよ。
かいじんちゃん|早速入れてみる!
つよくておもしろい服を探して
かいじんちゃん|このドレス気になったんだよね、どうなってるんだ。これは物理的に無理だよね。ヴァーチャルファッションならでは感があるわ。
シノ|かいじんちゃん、髪の毛が緑色だからハマりそう。色としてはこれどうなの?
かいじんちゃん| イエベ春っぽさもあるけどブルベの色味だよね。どうせ写真撮影して編集するから、パーソナルカラー無視して服を選んでも良さそうだな。顔色死ぬことはないでしょ。
シノ|スウェットとかならともかく、こういう服なら骨格とかもうどうでもいいよね(笑)スタイリストの視点からだと言えること少ないかもしれん。もちろん丈の長さとかフィット感については判断できるけど、ここまで非現実的な服になると自分が着たいかどうかのほうが大事だわ〜。
かいじんちゃん|過激な服ならパーソナルカラーや骨格診断を無視してもいいよと判断できるのがプロからアドバイスできる限界(笑)
シノ|これかっこいいな。骨格ストレート、パーソナルデザインがファッショナブルの人に着てほしいわ〜。
かいじんちゃん|PDファッショナブルの人が似合いそうな服、いっぱいあるな。
シノ|これめっちゃかわいいじゃん。中にフードみたいなのついてる?
かいじんちゃん|いいじゃん、こういう「絶対この服装じゃコンビニとかいけません」みたいなの。
シノ|私は小花柄ってひとつも持っていないんだけど、こういう組み合わせのものだったら着てみたいわ。ただ目のところしか穴空いていないから私かどうか分からないけど(笑)
シノ|これすごいけど、どこがどうなってるんだろう?ヴァーチャルでいいから人が着たサンプル写真がないと想像できないね(笑)
かいじんちゃん|これはいい怪人じゃん(笑)
シノ|こういうビラビラしたのが付いてる服を選ぶ場合はどこで撮るかが重要だね。
かいじんちゃん|屋外で撮ったほうがよさそうだね。日本の室内だときつそう。
シノ|和室とかであえてとってそのギャップを楽しむとかはありかも。
シノ|シルバーとかのツヤツヤ感は現実離れしていていいよね〜。
かいじんちゃん|そうだね、このツヤと光沢なら主にブルベ冬の人は特に似合いそう。
シノ|欲しいっていうのにもさ、着て出かけたいとモノとしておもしろいから収集したいは別だよね。
かいじんちゃん|テッカテカなやつ、やっぱりかわいいな〜。
かいじんちゃん|これめっちゃいい、着たい!
シノ|かいじんちゃんは小柄だからロング丈よりミニ丈の方が似合いそう。
かいじんちゃん|ビヨンセみたいなやつかっこいいな。ビヨンセみたいになりたいな〜。
かいじんちゃん|足元にボリュームほしいときにいいね。普段からスニーカーはでかいの買うし。
シノ|足元にボリュームはなんぼあってもいいですからね。
普通を見失うふたり
浅野|これは「ビデオルック」っていって、服の部分がGIFなのかわかんないけど、アニメーションで加工されたものが届くらしいよ。
かいじんちゃん|これなら透け感があるから下に何着て写真とるかが重要になるね。
シノ|そうだね。でもこれならH&Mとかで売ってない?やっぱりドレスとか派手な服を見たい。
かいじんちゃん|非現実感がやっぱり欲しいわな。実際に買うときはクリーニングだったり現実的な問題を考えざるを得ないけど、ヴァーチャルだったら考えなくて良いし。
シノ|過激なやつばっかり見てるから、このレベルだと普通に見えちゃうね。
シノ|ちょっと肩周りにボリューム出るかもだけど骨格ストレートの人に似合いそう。首元が開いてるからそこで調整したいね。ジッパーで開け締めできるみたいなデザインなのかな?かっこいい。
かいじんちゃん|パーソナルカラーはブルベ冬むけっぽいよな。自分がそうだからそういうのばかり目が行っちゃう(笑)
シノ|男女兼用はほとんど骨格ナチュラル向けっぽいな。メンズものってどうしてもシルエット大きいしね。メンズのラインナップはリアルクローズが多い印象。遊びが少ないっていうか。とはいえ、女性ものを選んでもフィッティングしてくれるのか。だったらメンズとか分ける意味あるのかな。
かいじんちゃん|理想のシルエットとして一応分かれているんじゃない?
シノ|もうなんだか最初に見たのと比べて普通だなっていう感想ばかりになってきた…。
かいじんちゃん|分かる…。
ヴァーチャルファッションならではの購入体験
浅野|さて、あっという間に1時間以上が経ったけど、普段の服選びとはまったく違うような視点、ヴァーチャルファッションならではの楽しみ方をしてるようでした。
シノ|最初から「強い」服を選ぼうとしてた。
かいじんちゃん|クリーニングだったり物理的な管理をしなくていいしね。
シノ|ヴァーチャルファッションを選ぶときも、どんなアンダーウェアにするかとか、どんな場所で写真を撮るかとか、普段とは違うことを考えたのも面白かった。
かいじんちゃん|私は2000年代初頭のストリートスナップみたいな新しいファッションを模索していた雰囲気を思い出したから、原宿とかで人がごみごみしてる中で撮影してみようかなって思ったわ。
シノ|私は逆に古いまち並みとかギャップがあるところか、服に視線が向くようなシンプルな場所で撮ろうかなって思ったよ。
浅野|たしかにDressXのサイトでもヴァーチャルファッションに負けずに背景が強い写真やスッキリした場所で撮影されたものが多かったね。最終的にどれを着てみたいと思った?
ふたりがヴァーチャルファッションに選んだものは
シノ|私はこのドレスなのかボディースーツみたいなのにする!私は骨格ナチュラルだからゆったりした服装の方がスタイルアップするけれど、こういう近未来的な服で中性的な雰囲気を出したいから、あえてピッタリしたものを選んだよ。パーソナルカラー冬からすると、黒やシルバーが得意だからそこは冒険せずに似合うものにしました。
かいじんちゃん|私はビヨンセみたいなディーヴァっぽいのがいいなって、たまたまだけどブルベ冬にあう黒いメタリックなミニのワンピースをスニーカーで外してみる。メットガラ(MET GALA)のモデルみたいな感じにならないかな〜。
浅野|ふたりとも日常では着ないような服だね(笑)せっかくだから僕も試してみようかな。あえて、リアルクローズっぽいのを着てみたいんだけど。
シノ|浅野さんは骨格ウェーブだから、このスタンドカラーシャツはどうかな。肩周りに特徴があるけど、カラー診断的にも合うんじゃない?あとこの帽子とかかわいいじゃん(笑)
浅野|いいね、それにしてみる。DressXはアカウントを作成したら、ヴァーチャルファッションを購入する際に写真をアップロードしないといけないから、それぞれポートレート写真を撮影してきて送ってください。
シノ・かいじんちゃん|は〜い。
(次回へ続く)