焼き芋の季節がやってきた
昨年秋、初めて我が家の畑がイノシシに入られ、サツマイモを全滅させられたあの日からなんともう1年です。noteにも書きましたが、対策を考えて迷っている内に、翌年のジャガイモまでやられてしまい、やっと踏ん切りがついて電柵をつけたのでした。
電柵の電線に雑草がかかっていると漏電してイノシシ対策にならないと言われ、夏の成長著しい雑草たちをこまめに除去し、大事に大事にサツマイモを育ててきました。サツマイモが食べたい、というより去年のリベンジがしたい。サツマイモとジャガイモを立て続けに食べられてしまった悔しさは、リベンジをしなくては収まらないというのが本音でした。
さて先日、サツマイモの試し掘りをしてみましたらいいサイズ。では来週全て掘り出すぞ、と蔓部分を刈り取り、堆肥箱に運んで翌週の準備終了。畑を後にし、車で2時間の自宅までもうすぐ到着、というところで気づきました・・・
・・・電柵のスイッチ、入れるの忘れてきた!
もう、痛恨のミスです。どうして忘れてしまったのか・・イノシシなんて全く出なかった夏の時期でさえ、スイッチ入れ忘れなんてしなかったのに・・・(悔)
もしやこれは、野生で頑張って生きているイノシシを悪者にした私達に対する天罰なのか!イノシシだって好きで人間の畑を荒らしているわけではないだろうに。致し方なく生きるために歩き回って探し回って、苦労して見つけた食料なのに・・・。電柵なんて物騒な装置を使ってしまっている事に対する後ろめたさが思考をネガティブにするものだと、こんな時になるとよく分かります。
そのうち「最後に畑に行ったの、そっちだよね」とか「堆肥箱見に行った時気づかなかったの?」などと、二人しか居ない車内で地味な責任のなすりつけ合いが始まりました。高速道路を走る車のハンドルは主人が握っています。あまり頭に血が上るようなケンカはふっかけられません。次第にお互い無言になっていきました。
万事休す、と思っていましたが、今回は救いの手が現れました・・・田舎で交流のある優しい青年がスイッチを入れに行ってくれたのです(喜!泣!感謝!!!)。彼にはこれから先、きっといい人生が待っているに違いありません。
そんなナンダカンダの後、無事サツマイモの収穫が済み、焼き芋もすることができました。
不思議な事に、スイッチの入れ忘れのおかげで、なんとなくイノシシに対する敵意みたいなものは薄れてしまいました。イノシシにたいする理解や、優しい青年に対する感謝がフンワリと残り、ついでに夫婦間にちょっとばかりしこりを残した週末となりました。
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畑をしながら、タティングレースのアクセサリー作家をしています。
インスタグラムに新作や過去作品を載せています。見て頂けたらうれしいです。https://www.instagram.com/kasane_act
禾皐音kasane