競技五目並べの名人戦って
五目並べで遊んだ方いらっしゃいますか?
自分の石が五個、縦か横か斜めに並べば勝つゲームです。
三目並べにすると、いわゆるマルバツゲームと同じです。マルバツゲームの方がメジャーそう…
実は五目並べは先手がかなり有利なゲームで、もっと後手も戦えるように先手に制約を課しました。
それが競技五目並べ。連珠(れんじゅ)です。
起源は平安時代からと言われているお話もあるようですが、連珠の名前が登場したのは明治時代からです。(日本連珠社HP参照)
https://renjusha.net/about-renju/%e6%ad%b4%e5%8f%b2/
プロ化はされていませんが、新聞に詰め連珠が載ってたり新聞社主催の棋戦もあったようです。
今でも囲碁や将棋の世界の様に、公式戦が行われています。
その最高峰が名人戦です。
2023年に第61期名人戦が行われ、神谷名人が二度目の防衛を果たしました。
その名人戦の観戦記が「連珠世界」というディープな読み物に載っております。
(どのくらいディープかはご想像にお任せします)
書いたのは将棋の観戦記者としてもお馴染み、連珠プレーヤー藤田麻衣子六段。
観る珠(ただのファン)の私の情緒がかき乱されたこの観戦記、140文字のXなんかで感想書けるかっ!
ということでnoteを開きました。
名人戦主役の一人、挑戦者岡部九段。
世界ジュニアチャンピオンで、毎年A級リーグシード。私が観ている限り、いつも勝ってる記憶しかない方。
そのうえ、普及に審判に自戦記に新聞の詰め連珠に…と八面六臂の大活躍。
ずっと強くて、連珠の顔で。
でも名人戦の舞台には上がれず、後輩に抜かれて。
それでも腐らずに、15年ぶりの名人戦挑戦。
かっこよすぎて、漫画ですか?
私の岡部九段のイメージは負けない連珠。
豊富な技術と知識と経験、修練などから来てるのだろうなぁと思わせる手は厚く、簡単には勝たせないという意思が見える気がします。(素人の感想)
正直言ってストーリーがありすぎる岡部九段に、藤田六段が迫ります。
連珠界の端っこの方から見ていても岡部九段の貢献度の高さは伝わってきていたので、この文章に思わずぐっと来るものがありました。
そしてもう一人の主役、神谷名人。
趣味長考。
と皆に言われるほど、考える時間を大切にする方。
いつも対局が最後まで残る。いつも秒読みになる。秒読みになりすぎて、対局時計の押し方がプロ。
負けず嫌い。連珠大好き。連珠の事に全振りして時々会話が成り立たない。(弟子談)
神谷八段が二度目の挑戦者になった2019年。相手は無類の強さを誇る中村名人。レジェンド。
この時に観戦に行っていた私は、帰りに残念ながら負けてしまった神谷八段(当時)とおりました。
皆があまり結果に触れず明るく話す中、なんとか明るく振る舞おうとする神谷八段。
ぎこち無い笑顔と定まらない焦点。疲労が滲む身体に切なさを覚えた記憶があります。
そのさなか、不意に神谷八段がいなくなりました。
荷物も持たずにいなくなった神谷八段に焦る私達…
その後神谷八段は見つかり無事に皆と一緒に帰りましたが、この時に感じた神谷現名人の連珠に対する思い入れの強さは忘れられませんでした。
なので「勝って」「初めて」名人になった瞬間のインタビューにキョトンとしたエピソードに、勝つことに全集中していた事が強烈に伝わってきます。
神谷名人なら、そうでしょうねと思わず頷いてしまいました。
そう!
そうなんですよ!!
どちらも魅力的なんですよ!!!
この二人の対比が、さらに今回の連珠名人戦に良い緊張感を生み出していたような気がいたします。
おかげで第一局・第ニ局を現地で観ていた私は震えっぱなしでした。
それでも観戦できて楽しかったです。
神谷名人、岡部九段ありがとうございました。
また藤田六段、素敵な観戦記ありがとうございます!
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