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空は蒼く 連珠は今日も美しい

 僕はね 美しい連珠しか打ちたくないんですよ

広い和室に“連珠”という競技だけで繋がっている4人

その中の御一人が吐いた一言


晴れたその日、近くの静かな部屋で連珠名人位挑戦手合が行われていました

https://renjusha.net/reports/%e7%ac%ac62%e6%9c%9f%e5%90%8d%e4%ba%ba%e6%88%a6%e8%a9%b3%e7%b4%b0/

“連珠”とは、五目並べというゲームを競技化したもの

https://renjusha.net/about-renju/

石を5個並べれば勝ちというシンプルなゲームながら
競技化するにあたってルールを設け、複雑で面白くなっているゲームです

1962年から始まった名人位挑戦手合は、令和になった今でも続いております

冒頭の一言は、その連珠の名人戦の歴史の中でも大棋士の一人としてまず名前が挙がるであろう中村茂第七世名人

名人位30期という途方もない記録を打ち立てたレジェンド

最近はお姿を見かけることが少なくなったけど、是非にでも教えを請いたい棋士です

隣に座ってる中国の連珠のプロは
「中村先生みえたよ!」と教えたら、瞳を一気にキラキラさせて子供のように走ってきたくらいです

こちらのプロ
世界的にもトップクラスに入る、自分自身が凄い方なのに

挨拶もそこそこに、一緒にお写真撮ってくださいとお願いしている姿が可愛らしすぎます

それから
その場にいた4人で検討を始めました

年齢を重ねながらも衰えない情熱

検討しながら次々と色々な話が飛び出します

その中で不意に出た一言

日頃Xでこんなこと呟いてジタバタしているはずの私は、聞いた瞬間にハッと息をのみました

まだまだ連珠界に入ったばかりのヒヨッコの私が感じる美しさと

目の前の大棋士の美しさの意味は同じなんだろうか

私が連珠の美しさを言葉にするとしたら?‥

思い出した事がひとつ
私が連珠にのめり込むきっかけに現名人、神谷名人とのペア連珠があります

低級位者だった私は高段者と組めるという優しい配慮に、神谷八段(当時)と組ませてほしいとお願いしました

何故ならルールから基礎を教えていただき、尊敬している先生
教え上手で優しい上に、どんな手を打っても否定しないでいてくださる

組んで下さるなら組みたい!

そして始まったとあるペアとの対局

どんな対局だったか朧げにしか局面を思い出せませんが、負けたくないので必死に頭を使っていました

そんな中放たれた神谷先生の一手

見た瞬間に鳥肌が立ちました

現在小競り合いが起きている場所ではなく盤上広く繋がる一手

その場所は思いもかけない場所でしたが、そこに石があることで現在地がぐっと有利になるものでした

綺麗すぎる

あまりにも広い視野と美しい繋がりに
その場にいた方々の空気がハッと変わった感じがしたのを、数年たった今でも覚えています

今の私が感じるのは、低級位者でも感じる事ができたその一手の凄さ

正解かどうかは分かりませんが
あの時の棋力の私が感じ取れる範囲で感じた体験は、かなり強烈で連珠にハマるきっかけになりました

そしてこの体験以降
私は石と石の繋がりに美しさを見出している気がします

大名人は、どこに美しさを見てらっしゃるのでしょうか

知りたくて、今日も棋譜を並べます

RenjuNet

【参考】
日本連珠社HP

https://renjusha.net/

RenjuNet


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