足跡
1月6日は関東にとって豪雪に相応しい積雪量だった。
私の仕事は室内業務なので、正午過ぎに窓を見ると吹雪いてるのは確認できたが積雪するとは考えておらず、定時前に上長から帰宅指示が出され徒歩で最寄り駅に向かった。明るいとはいえ、転ばないように滑らないように慎重に足を進める。
今週から仕事初めであったが、モチベーションが冬の最低気温のように上がらず、いつもは心の中に留まっている「会社に行きたくない」という感情が白い息とともに口から飛び出していた。
今も抱えている生きにくさが溢れて漏れ出してきたのが分かる。それでも昔より強くなっていると感じるのは自分の弱さを理解している点である。
そんな事を考えながら坂道を登っていると雪に足元を取られそうになる。「大丈夫、転んでもまた起き上がれば良い」自分に暗示をかけて家路を急いだ。
振り返ると自分の足跡がくっきり残っている。上手い事は言えないけど、ちゃんと歩けていることを実感した雪の日であった。
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