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2024年の囲碁界7大タイトルを振り返る

今年も1年間「観る碁」してタイトル戦を観戦してきました。6日に井山王座が王座を防衛して2024年の7大タイトルが閉幕したので振り返ります。


2024年の囲碁界7大タイトルを振り返る(時系列順)

左がタイトルホルダーで右が挑戦者です(開始時の情報を掲載)。

1.棋聖戦 一力棋聖vs井山王座

棋聖戦は名人戦と並び最も大きなタイトル戦です。例年1月に開幕するので棋聖戦が始まると今年も囲碁楽しみだな~とワクワクします。4勝3敗で一力棋聖が防衛に成功しました。意外にも2024年で一力先生と井山先生が激突したタイトル戦は棋聖戦だけでしたが、2025年の棋聖戦も両者の対決となります。

2.十段戦 芝野虎丸十段vs井山王座

井山王座が3勝2敗でタイトルを奪取。棋聖戦に続き最終戦まで縺れましたが「カド番の魔王」井山先生が十段を奪取。

3.本因坊戦 一力本因坊vs余正麒八段

今年から2日制→1日制になるなど大幅に縮小されてしまったタイトル戦です。一力先生が3勝0敗で防衛したというのもありますが、去年までと比べると一瞬で終わってしまった気がします。

4.碁聖戦 井山碁聖vs芝野虎丸名人

芝野名人は十段戦のリベンジなるかというタイトル戦でしたが、井山碁聖が防衛し通算10期を達成。

5.名人戦 芝野虎丸名人vs一力棋聖

8月末から開幕した名人戦は令和の三羽烏同士のタイトル戦となりました。結果は一力棋聖が4勝2敗で悲願の名人を奪取。8月に優勝した応氏杯の勢いそのままに勝ち切った印象です。

6.天元戦 一力天元vs芝野虎丸名人

天元戦は引き続き一力先生と芝野先生の好カード。結果は一力天元が3勝1敗で防衛に成功。2024年は一力先生の年になりました。

7.王座戦 井山王座vs芝野虎丸名人

井山王座が防衛に成功しました。これで井山先生は王座通算10期・通算タイトル数が77となり趙治勲先生を抜いて歴代1位になりました。趙治勲先生の怒りのお祝いコメントも出ていましたが、私が観る碁を始める前から圧倒的に活躍されていて今もタイトル戦の度に井山先生の最強手にワクワクしています。(一介のアマが書くのは恐れ多いですが)改めておめでとうございます!

7大タイトルまとめ

7大タイトルは一力先生、井山先生に2分される形になりました。

一力先生:棋聖、本因坊、名人、天元
井山先生:十段、碁聖、王座

芝野先生は7大タイトルに5回出場して全て敗退されてしまいました。一力先生の応氏杯決勝を観戦するため日本棋院に行った際、翌日手合い(囲碁の公式戦)があるのに解説に駆け付けた芝野先生の姿が印象に残っています。
芝野先生に限らず日程詰め込み過ぎでは?と思うようなスケジュールの時があるので、万全の体調で臨めるようにして欲しいです(仕事だからと言われればそれまでですが…)。

来年も「観る碁」が楽しみ

7大タイトルは一力先生と井山先生が分け合っていますが、両者が2025年1月からの棋聖戦で激突します!通算50期を迎える名人戦は若手がリーグ入りして世代交代が進むのか来年も「観る碁」が楽しみです。

年内も仲邑菫先生の韓国女流棋聖戦など見所が残っています。

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