ポケモンキッズと旅する 第81回 ドッコラー|栃木県宇都宮市
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第八十一回、ドッコラーと宇都宮です。
宇都宮市の中心部に鎮座する宇都宮二荒山神社は、創建が353年にまで遡るとされます。
主祭神として祀られているのは豊城入彦命（とよきいりひこのみこと）です。
豊城入彦命は、第10代崇神天皇の皇子であり、古代日本において東国の統治と開拓に大きな功績を残した人物です。
特に古代「毛野（けの/けぬ）国」と呼ばれた地域に深く結びついています。
毛野国は、後に分割され、上毛野国（かみ つ けの くに）と下毛野国（しも つ けの くに）となりました。
ここで用いられる「つ」とは、「の」を意味する古い型の古語で、みやこに近い方を「上」、遠い方を「下」としています。
その後、これらの国名は2文字となり、上野国（こうずけのくに）、下野国（しもつけのくに）へと変化し、それぞれ現在の群馬県と栃木県へと繋がっていきます。
「二つの毛野国」という意味で、「両毛」という呼称もあり、現在でもこの地域を総称する言葉として使われています。
豊城入彦命は、東国において治安維持に努め、地方豪族をまとめ上げ、朝廷の支配体制を確立したと伝えられています。
この地で毛野国を開拓し、発展に尽力したことから、「毛野国の開祖」として崇敬を集め、特に群馬県や栃木県に数多くの神社が建立されています。
宇都宮二荒山神社もその一つであり、宇都宮という都市自体が、この神社の門前町として発展してきた歴史を持っています。
「宇都宮」という地名の由来も、この神社に深く関係していると考えられています。
一説には、「一宮（いちのみや）」が訛って「宇都宮（うつのみや）」になったとされ、また別の説では、神社が現在の場所に遷座したことから「移しの宮」という言葉が転じたとも言われています。
また、宇都宮氏との関係も欠かせない要素です。
平安時代末期から戦国時代にかけて、この地を治めた宇都宮氏は、武士として活躍したのちに宇都宮二荒山神社の社務職を兼ねるようになりました。
戦国期には、宇都宮氏は関東八屋形の一つとして勢力を誇り、この地域の中心的な存在でした。
特に17代目の宇都宮成綱は、巧みな外交と戦略で宇都宮氏の最盛期を築きました。
しかし、最終的には豊臣秀吉による小田原征伐後に領地を没収されてしまいます。
宇都宮二荒山神社は、標高135メートルほどの明神山に鎮座しています。
この地は、北から連なる宇都宮丘陵の南端にあたり、自然の地形を利用した立地となっています。
神社がこの場所に遷座された背景には、地質的な安定性と防災上の利点があると考えられます。
周囲の平野部よりも高いため、治水がまだ不完全だった時代には、洪水の被害を受けにくい高台として、位置するのに適しています。
このような条件は、古代から神聖な場所として選ばれる理由となってきました。
さらに、この地からは宇都宮の市街を一望することができ、広範囲にわたる視界を確保しています。
この眺望は、敵の監視という観点を持つと、城を立てるには最適の立地だと思われるほど、この場所は戦略上の要衝として、当時の人々から重要視されていたのでしょう。
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