益田大会出場記 #3~体感、山陰の夏~
皆さまこんにちは。
ご覧いただきありがとうございます。
かるたびと と申します。
関東在住の大学3年生で、大学では競技かるたを嗜んでいます。大会に出場すべく、あるいはただの電車好きが高じて、日本全国様々に旅に出ています。
プライベートで(本当に)いろいろが起こり、更新どころではありませんでした…半年以上前の夏の出来事を、冬本番に書かせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
今回は【益田大会出場記 #3】、昨年8月上旬に島根・益田市で行われた大会の出場記の第3弾。行程では3日目の大会を終え、4日目朝から山陰に向かいます。
前回【益田大会出場記 #2】はこちらから。2日目の朝に岡山を出発し、目的地の益田に到着するまでです。
旅の全容を見たい!という大変ありがたい方はこちらから、マガジンでご覧いただけます。
長い長い島根県
小さな駅から
さて、前回の終わり、この旅の一番の目的である大会への出場を終えるところまで進みました。
日付は変わって8/7(月)、2泊させていただいた先輩のご実家を早々に出発して、行きとは異なり山陰地方を目指して進んでいきます。
行き(前々日)、先輩のご実家には益田駅までお車を出していただいて向かいましたが、この日は出発が朝早いため徒歩で出発。最も近い駅に徒歩で向かい、ここから乗車して旅を再開することにいたしましょう。
というわけで、山口線の石見横田駅に到着。
益田からは山口方面に2駅進んだところにあり、前々日に乗車した特急スーパーおき号が当然のように通過する小さな駅です。とはいえ、単線の山口線には不可欠な列車の入れ違い設備もあり、構内は意外と広い感じがしましたね。
さて、山口線の路線図と石見横田駅の時刻表です。少ない。
前回の記事にも少し書きましたが、山口線は新山口-山口間が最も本数が多く、対称的に島根県側の津和野-益田間はかなり本数が減ります。
時刻表を見る限り、列車の入れ違いは1日に7:13と11:36の2回行われているようす。今回は偶然、前者に立ち会うことができそうです。
時刻は7:13。1日に2回しか使われない(であろう)駅舎反対側のホームが使われ、津和野行き普通列車が入線。しばらくして警笛が鳴り始め…
私の乗車する益田行きも入線。これにて入れ違いは完了!初上陸の山陰地方を目指す長旅後半戦、いよいよ始まりです。
さて、嬉々として車内で整理券の写真を撮る変態が1名。
私たちが日頃使う駅では、当たり前にICカードで入場したり、券売機で切符を購入して自動改札機に通したりしています。
しかしながら、地方では小さな無人駅に行くとそんな設備は一切なく…駅には待合室と時刻表、料金表があるだけ。何の準備もせず、というよりすることができず、列車はやってきてしまいます。
列車に入ると、そこには整理券を吐き出しているオレンジ色の機械。「整理券をお取りください」の音声に従い整理券を取ると、時刻と駅名の書かれた整理券をGET。列車を降りる際には整理券と運賃を用意し、有人改札で駅員さんに渡すか、列車内設備で精算するかして下車する…というわけです。
生まれも育ちも東京の私にとっては、地方に旅行した時にしか得られない経験。なかなか良い思い出です。
そんなこんなで2駅、あっという間に益田へただいま。ここからは山陰本線へと乗り継ぎ、一気に東へ向かっていきます。例の片道乗車券も、ここから利用再開です。
島根県を東へ
まず乗車したのは、終点・出雲市まで3時間半かけて向かう普通列車。
と、なんとここで前日の大会に出場していた他大学の友人とバッタリ!どうやら彼は同じ電車で山陰を横断し、水族館に向かう様子でした。せっかくなのでクロスシートで同席、いろいろ話しながら東へ向かいます。
1時間ほど乗車し、列車は途中駅・浜田に到着。足を伸ばしがてらに、友人と代わるがわる下車して散歩をすることに。その流れで下車印ついでに途中下車もしました。
駅舎が非常に立派でしたが、駅周りは特に面白いものもなく(失礼)、友人を待たせていることもあって、「あること」だけを行って車内へUターン。何をしたかは、まあ後々分かります。
30分以上の停車のあと、ようやく浜田駅を発車。かなりの海沿いを走っていきます。同じ海でも、行きは太平洋や瀬戸内海。日本海沿いをひた走るのもまた一興です。
と言いながら、2人して疲労で爆睡…ハッと起きてまたzzz…と繰り返し、長い時間を経てようやく終点・出雲市に到着です。
神にご挨拶
さて、出雲市で途中下車をするということは…本日最初の目的地は当然、出雲大社です。「島根と言えば」を超え、「山陰と言えば」レベルの場所であると感じるのは私だけでしょうか?
早いうちに参拝したいな~と思っていたので、チャンスとみて今回訪れることにしました。
出雲大社へは出雲市駅から少し歩き、「電鉄出雲市」駅から私鉄の一畑電車に乗り換え、乗り継ぎをして「出雲大社前」駅まで向かうことにします。
乗り換え時間は9分、乗車券の購入を考慮するとかなりギリギリです。ここで友人とはお別れ、足早に電鉄出雲市駅へ向かいます。
無事乗車券を購入して、一畑電車に乗車。
一畑電車には、電鉄出雲市↔松江しんじ湖温泉を結ぶ「北松江線」と、途中駅の川跡(かわと)から分岐して出雲大社前までを結ぶ「大社線」があります。電鉄出雲市からは急行・特急運転や出雲大社前行きの直通運転もありますが、平日の日中は松江しんじ湖温泉行きの普通電車が1時間に1本ほどあるだけ。そのため、川跡で乗り継ぎが必要になります。
川跡始発の大社線を乗り継いで乗車すること10分、終点・出雲大社前に到着です。ここからは徒歩で、いよいよ出雲大社を目指していきます。
駅を出て軽い坂を上ること数分、いきなり大きな看板(?)と鳥居が登場。外国人観光客の多い中、バカみたいな量の荷物を持ってただ一人佇む若造。今思うと、どう見えていたのでしょうかねぇ…
先ほどの鳥居から「松の参道」をしばらく歩き、御神像を過ぎるともう1つの鳥居と拝殿がお出迎え。しっかり参拝します。
この先には非常に大きなしめ縄が有名な神楽殿があるのですが、時間の都合でここで折り返すことに。
うさぎの石像たちを見て回っていますが、そもそもなぜ早々に踵を返したかというと。
この参道にある鳥居はもう1つあるのです。その鳥居は通称「宇迦橋の大鳥居」と呼ばれ、出雲大社前駅から見ると出雲大社と反対側に位置しています。この鳥居をくぐって反対側へ向かい、近辺の道の駅でお土産を買って…という算段で動く予定を立てていたのです。
駅を通り過ぎて進むとすぐ鳥居は見えました、が…?
残念、どうやら川の工事等の都合で鳥居をくぐることができませんでした。仕方がないので、切り替えて道の駅へと足を運びます。
すぐ近くに現れたのは「道の駅 大社ご縁広場」。中には出雲地方限定のお土産がさまざま並び、足湯コーナーもあるようでした。
お土産には自宅用に、出雲大社限定の手ぬぐいを購入。母親が好きでよく使っているブランドのものだったので、見つけて即決です。
とやっているうちに刻々と迫る、次の列車の発車時刻…私はこういう時の時間管理が徹底的にヘタクソなので、結局は出雲大社前駅まで爆走する羽目になってしまいました。
というのも、ここでは「ある事情」で絶対に乗り逃しが許されない状況だったのです。
なんとか間に合い、寄り道を終えて出雲市駅へと戻っていきます。
出雲市駅に戻り、少し時間があったのでここでお昼を頂くことに。駅ナカの「出雲の國 麺家」さんに入り、「手打ち3色割子そば」なるものを注文。
出雲の割子そばでは、つゆを直接麺にかけて一杯目を食べ、残ったつゆを二杯目以降にかける形で食べ進めるそうです。
とろろ、天かす、山菜としっかり楽しんでペロリと完食。ごちそうさまでした。
というわけで正式に(?)寄り道はおしまい、再び山陰地方を東へ進んでいきます。
いよいよ見えた鳥取県
少しだけ優雅に
お昼を食べ終え、いよいよ出雲市を出発。次に乗車するのは…
その名も「快速あめつち」。主に山陰本線の出雲市↔鳥取間を結ぶ、山陰地方を代表する観光列車で、土日祝日や夏季期間などの限定運転となっています。2両編成で中には物販コーナーなどもあり、事前に予約をすれば山陰地方ゆかりの具材たっぷりのお弁当なども食べることができます。
というわけでこれに乗車し、途中の松江まで進んでいきます。松江と言えば、島根県の県庁所在地。なんとまだ、島根県を出ることはできないようです(お前が降りるだけだろと言われれば、その通りですが)。
快速あめつちに関するお話も書こうかと思いましたが、少し長くなりそうなのでここでは省略。代わりに、JR西日本の公式サイトへのリンクを掲載しますので、ご興味のある方はぜひ。
ところで、私が撮ったグリーン券の発券駅名には「浜田駅」の文字が。そう、3時間半乗車していた益田→出雲市の普通列車で唯一下車したあの時、改札外の券売機で空き状況を確認した私は、乗り逃してグリーン券を無駄にするリスクを承知でグリーン券を購入。
その結果、出雲大社の出発はなんとしても遅れさせることができなくなり、最終的に出雲大社近くを大荷物で爆走する奇人が爆誕してしまったのでした。
車内では出雲の神話に基づいたおみくじを引くことができたり、山陰旅行に関する本を読むことができたりと、リラックスしながらあっという間の1時間。定刻通りに松江駅に到着しました。
県庁所在地で何しよう
松江駅からは徒歩20分ほどで、日本有数のしじみの産地でもある宍道湖に向かうことができます。夕日が非常にきれいなスポットとしても有名なのですが、夏真っ盛りゆえに到着から日の入りまでは4時間近くも。。さすがにこれは断念し、宍道湖のほとりにある島根県立美術館に向かうことにします。
ところで、宍道湖の北側には「松江しんじ湖温泉」の文字。出雲大社に向かう際に乗車した、一畑電車の終着駅です。乗り続けると山陰本線の対岸に辿り着くようですね、今度訪れた際は向こう側を通ってみようかな。
当時は常設展示のほか、特別展示「テオ・ヤンセン展」も開催中。夏は日没後30分まで開館しているようで、夕日目的で来る方もたくさんいらっしゃいそうな雰囲気でした。綺麗な夕日の写真など、詳しい情報は公式サイトのリンクからどうぞ。
もう少し綺麗な宍道湖を撮りたかったなあ…と思いながら、展示もしっかり見たため意外と時間がなく(またしても)、次なる移動に向けて松江駅へと戻っていきます。
とはいえ、晴れていれば全てがかなり綺麗そう。展示も面白かったですし、いつしかリベンジに来たいところです。
ようやく、脱・島根
松江からは、みたび山陰本線で移動です。長い長い山陰地方、そういえばまだ島根県を抜けられていないのでしたね。。
快速あめつちとは打って変わって、普通電車にガタゴト揺られること40分、ようやく終点・米子に到着です。
どこかで聞いたことはあるかと思いますが、米子駅があるのは鳥取県の米子市。ついに、島根県を抜け出すことができました!前々日に山口線で侵入してから(??)、大会出場を経てこの時まで丸2日間も滞在していました。
この日を通して一気に島根県を楽しむことができたように思います。次は雪の季節にでも、いいかも?
さあ、ここまでこの4日目の目的地に触れてきませんでしたが、この日の目的地は鳥取県の県庁所在地、鳥取。
鳥取市は県東部に位置しており、この日のうちにまだまだ東に向かわなくてはいけません…!
かなり新しい駅舎だな…と思っていましたが、後々調べてみるとなんと供用開始は2023年7月29日!訪れるたった1週間前のことでした。ビックリビックリ、こんな出来たてほやほやの駅舎にはそう巡り合えません。
さて、鳥取に向かうため乗り継ぐわけですが、その選択肢は
・17:36発 特急(+1,200円)
・18:05発 普通
の2つ。ケチな私はどうしようか一瞬迷いましたが、時刻表を調べて特急に即決しました。
決め手はもちろん到着時刻。前者は18:36、後者は衝撃の20:32!下手すると夕食を食べ損ねます。背に腹は代えられぬ、山陰本線4本目は特急に決まりです。
「スーパーおき号」。益田に向かう前々日、新山口から1日に3本しかない特急に乗車した際の、あの特急と同じ名前ですね。
新山口始発の3本の特急(2号・4号・6号)のうち、2号と6号は米子行き。そして、この4号だけが鳥取行きなのです。
いつの話かな?という方は、こちらから前々日の旅行記をぜひ。
出雲大社や松江などさまざまな場所で歩き(時には走り)回った疲れと、最悪終点で起こしてくれる安心感で、1時間は熟睡、ほぼ記憶ナシ!
まだ明るいうちに、終点であり今日の目的地、鳥取に到着しました。
折り返しは写真にもあるように、山陰本線の鳥取-米子・益田間を結ぶ特急「スーパーまつかぜ」として運転するようでした。ここでも益田の名前が再登場、どれだけ長くても同じ山陰地方の名前には変わりないようです。
鳥取駅周辺でご飯を探していると、おいしそうなラーメン屋を発見。
「Japanese TOTTORI Noodle 藤喜」さんで夜ご飯としましょう。
営業時間は20:00まで…特急に乗って正解でした。
暑い夜に熱いラーメン、これがまたおいしい。皆さんにもきっとお分かりいただけるでしょう!ごちそうさまでした。
この後は鳥取駅から徒歩15分ほどの所にある、「鳥取ゲストハウス ミライエBASE」さんに歩いて向かい、宿泊。素泊まり2700円、結構お安く泊まることができました。
というわけで、今回の記事はここまでとさせていただきます。
出雲大社に行ってみたり、観光列車に乗ったり、島根県をメインに楽しみながら無事に鳥取に到着です!5日目はいよいよ山陰地方後半戦。趣旨を少し変え、鉄道好きとして「ある目的」をもって動き始めます。が…何が起こるか分からないのが、旅の面白いところです。
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それでは、ご覧いただきありがとうございました。
またお次の機会に。