憂鬱な放課後の幸福な食卓~学童保育の事件簿~10 甘いカレーと激辛カレー ②
次の日も、始まりはいつも通りだった。明里は学童の施設の窓を、全部開け放った。
ただ、児童養護施設の鍵を預かっている安部さんも同じ頃に出勤して来て、こちらは児童養護施設の窓を全部開け放っていた。
「さすがに、事務所は締めて来たわ」
安部さんが学童に戻って来た時、明里と一緒に出勤してから二十分くらい経っていた。
「安部さん、来週も私早く出ますよ。これじゃあ、安部さん大変ですもん。子どもの受け入れは、私がします」
「良いの?」
「私も後悔はしたくないんです。安部さん達ができるだ