たいせつな一度きりの人生を台なしにしてしまった。なぜもっと早く悟らなかったのだろう?
5/24 (水) 🌟
朝まで一気に眠れる。出所後ようやくちゃんと眠ることができた。
みんなで楽しく暮らしてきた部屋だ、最後は俺ひとりになってしまったけれど、できる限りきれいにして出ていこう。とにかく決して悲壮感に満ちるのではなく、出て行くまで楽しくやろう。ビクターも弾こう。自分の部屋なんやから、何も遠慮することないがな。
爪も好きなときに切れる。刑務所では週に1回しか切れなかった。
鍋についた匂いが取れない。釜にも匂いがついていたが1回ご飯を炊いたら匂いが取れた。同じようにやれば匂いが取れるかなと思い、試してみたがだめだった。
な、なんと今、Iくんからメッセージが。私のことは、
「覚えてるでー。もちろん」
と言う。
「ど・どうしてるの?今。病院からは出たみたいやな、それはよかった」
「普通にひとりで暮らしてるで。そっちは?」
「俺はその後たいへんな日々を送ってた。かんたんに話すとあれから拘置所、刑務所と流れ、5/21に出所した」
「そうなんな。出所おめでとう ㊗️。大変やったね」
「ありがとう。ところで、手紙送ったけど届いてたのかな?手紙に書いた件のことはもういいんだけど。。。」
そして、なぜかそれ以来、Iくんからはメッセージが届くことはなかった。
去る者を追うつもりはない。
試しに自撮りをしてよくよく見てみると、とてつもなく人相が悪くなっていることに気がついた。9ヶ月でこんなに変わってしまうのか?というくらい。まさに出所したての犯罪者のように見える。というか、そのものずばりなのが現状だ。隠しようがない。知り合いに会うのが怖い。しかし、とりあえずは
この顔で生きていくしかない。
視力が落ちたような気がする。薄暗い拘置所や刑務所の居室で適当な老眼鏡を借りて本を読んだり作業をしていた影響があったのだと思う。刑務所で老眼鏡を借りる際に「視力が落ちても文句を言わない」旨の誓約書にサインさせられたので、そういうこともあるのだと思い、できるだけ使わないように気をつけていたのだが限界があった。
髪の毛がさらに薄くなったような気がする。
LINEで例の詐欺サイトの凍結解除の件でやりとりしていたMiaxCoinとのLINEのトークを見てサイトにアクセスしてみる。
「サーバが見つかりません」
と表示される。完全にやられている。
また、桃子のLINE IDだが、これは私の記憶ミスだった。連絡先アプリで確かめたところ判明した。しかし、桃子が詐欺師だったことは疑う余地もない。もしも私の記憶が正しく、弁護士に頼んだときに桃子にアクセスできていればもっと早期に、彼女が詐欺師だったことが判明していた可能性はある。
バカらしくてやりきれない。私は愚か者だ。娘や兄弟との関係を失い、たいせつな部屋からも出ていかなければならず、🎹ビクターもこの後どうなるかわからない。
たいせつな一度きりの人生を台なしにしてしまった。全て自業自得だ。被害者の方々のためにも制裁を受け続けるしかない。
なぜもっと早く悟らなかったのだろう?
それは私がバカだからだ。それ以外に言えることはない。それでも生かされているのだから生きていかなければ。。。
「あほにつける薬はない」と言った奴がいた。アホはアホなりに生きていくということだろう。
仮に桃子が詐欺師ではなかったとしても、いつかは何らかでたいへんな目に遭っていたような気がする。それくらいあの頃の私は尋常ではなかった。そしてその代償はあまりにも大き過ぎる。
刑務所を出てここに戻ってきた今の方が被害者の方に対する申し訳ない思いがはっきりとしてきたような気がする。刑務所にいたときは、どうしても犯罪者モードだったせいか、そこが少しぼやけていたのだろう。
クラウドファンディング プロジェクトを進めるために、🔥CAMPFIREについてざっと勉強する。🎹ビクター救出策の一環としての意味もあったのだが、あと40日足らずで、これはこれでどうなるかわからない。とりあえずは🔥CAMPFIREのスタッフに相談することにしてみたい。
公衆電話で使用するための10円玉を確保するために、わんさかある小銭を駅のATMで入金してそこから40円ずつ引き出して10円玉に両替する作戦を行ってみた。17時前でATMを使用する人も少なかったため比較的うまくいった。いちどに小銭を入れ過ぎると、
「限度を超えています」と言って怒られるようだった。
それでも何とか両替し、約1300円くらいになった。それにしてもこんな苦労をすることになるとは。。。
家主の代理弁護士に電話をする。
「お電話を差し上げるのが遅くなり、申し訳ありません」
「今、公衆電話からのようですが、今後はどういったやりとりになりますか?」
私は事情を説明した。そしてiPhoneは生きているので、電話を受け取ることは可能であることをお伝えした。
「この度のことはあやまるとかあやまらないとかいう次元を超えていると思っております。家主様にはよろしくお伝えください」
「それでは、会社側と連絡をとって、また追ってご連絡を差し上げたいと思います」
ATMで両替をしているときも、誰かに見られているのではないかということが気になって仕方がなかった。
やはり恐怖のためここには住めないな。
新しい人生用にGoogleアカウントを別途作成した。これまでのものとは使い分けることにしたい。
買い物に行って近所の誰かに遭遇するのが怖くて仕方がない。今回のことを誰かに見られていたとしたら。。。あり得なくはない話だ。そしてそれは近所の人に限らない。
サングラスをかけないと外に出られない。
精神保健福祉センターに早めに問い合わせてみよう。精神的にやられてるなんて、これは想定外のことだ。刑務所にいるときには気づかなかった。
マキのことはぷんを通じてあやまってることを伝えてもらうことにしよう。それがいい。あの頃は何も考えずにバカなことを言ってしまっていた。本当にバカだ。ぷんの友達なのに。
この町を早く出たい。そしてできるだけ遠くに行きたい。やっぱり沖縄がいい。
少なくとも、もうここでは住めない。
そう言えば、1日中寝続ける症状も治っている。あの頃は朝の7時に起きて朝食を食べた後、9時にまた横になっているのが普通だった。もっとも、今は1日中寝ていられる状況でもないわけだが。それでなくても恐らく治っていると思う。あの頃はやはり異常な状態だった。
それにしても酒はよく回る。発泡酒350ml1本で十分なくらいだ。あの頃には考えられないことだった。朝からジンを飲んでいた。しかし味がわからずおいしくも何ともなかった。タバコも全く味がしなかった。本も今はとても読む時間がないが、時間さえあれば1日中でも読めそうだ。あの頃は本を手に取ろうとさえ思わなかった。精神的に病んでる部分があったとしても、やはり体は十分に元に戻っている。何とかなるはずだ。
体も元に戻り、いろいろなことも身にしみて、俺は刑務所に入って(拘留期間があって)個人的には、よかった面もあるのかも知れない。
刑務所や拘置所のラジオで知ったアーティストやDJ、アナウンサーなどの顔が見たくて検索してみる。曽麻 綾、大塚 澪、ブルゾンちえみ(藤原しおり)、ユキ・ラインハート、藤原 岬、梅山 茜、澤田 有也佳、加藤 真紀子、高樹 リサ、深町 絵里など。女性ばかりだな。。。みんなかわいい。
サポートありがとうございます。カルマ・ショウと申します。 いただきましたサポートは作品を完成させるために大切に使わせていただきます。尚、体や精神を病んでらっしゃる方、元受刑者など社会的弱者の方々向けの内容も数多く含むため、作品は全て無料公開の方針です。よろしくお願い申し上げます。