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型抜きと型

(2016.8.25.Facebook投稿分を掲載)
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※101本目のノート!  
 とくに何を記念するでもないけど、100本目のと少しばかり関連したことを。

イラストを描くときには、めったに型抜きはしない。
毎回フリーハンドで少しずつ型が変わっていくことがいいときもある。
ただ、ほぼ同じ形のものをたくさん描くことが必要なときには、
やっぱり型があったほうがいい。


今回は――今回の「だるまさん」は、いくつか描いている中で、
自分にとっての「いちばんかわいいかたち」が生まれたら、
それを型にしようと決めていた。

というのは、「だるまさん」はこの世に実在するのだけれども、
実際にはわたし自身は手に取ったことのない、未知のお菓子だから。

だから、「いちばんかわいいかたち」と思えたら――当然ながら
自己満足的観点で――それを型にしようと、
そして、どのページにもころがそうと決めたのである。

いくつか紙に描いてみる。
その中から気に入っただるまさんを選んで切り取ってみる。
それを厚紙にあわせて枠線を描いてから、また切り取る。
厚紙は、お気に入りのストッキングの梱包に使われている
中仕切りがちょうどよかった。

そんなわけでだるまさん型のできあがり。

あとはそれぞれのページに、
だるまさんをひとり据えたり、三人並べたり。
ばらばらに三人とか、肩寄せ合ってとか。

こういう作業はこれまた案外わくわくするのだった。
フリーハンドで同じようなものをいくつか描く、ということとは
ちょっと違う楽しみがある。

なんだろう、工作と言うほどでもないし――。
ただ、「工作」は得意ではないので、ちょっとやっただけでも、
すぐに達成感が得られて、奇妙に満足できるのかもなあ。
型をつくったからといって、上手に描けているなあ!とも
言えないのにね。
不思議。

そして――
いったん用済みにはなったこのだるまさんの型抜きと型、
ところどころ落書きもついているのだけど、捨てられないでいる。
またいつか活躍してもらうかもしれないからね。

それまで ころり ころり と おやすみなさい。
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笹屋伊織さんの「だるまさん」の思い出シリーズ第2弾。
どうということのない、創作覚書みたいなもの。
うむ。
今読み返しても、ほんとうに、どうということのないつぶやきつらつら、という感じだ。

これが101本目の投稿ということは、前回掲載の「そこにいけば出会えるもの」は、Facebookノート100本目の投稿だったのだな。
当時はたぶん、この投稿を100本目にしようと、調整したのではなかったか――自分の考えそうなことだ。

でも、この地味な型紙、好きなんだよね。
なんだろう。
もう一冊、同じのを作ってみたい気もするし、続編みたいなものも作ってみたいとも思う。

「だるまさん」自体は、本来オンラインショップには登場しないし、季節がきても東京の店舗には並ばない。
だから、オンラインショップで特別に「だるまさん」が販売されたときは、決して逃さず入手してきた。
おおきなひとつぶの栗を抱えた、だるまさん最中。
とてもあたたかな気持ちになって、口の中に迎え入れている。
そのたび、このえほんのことを思い出し、いろいろと思いめぐらす。

もしも、ちゃんと京都のお店で出会ったら、また違う物語を思いつきそうだなあ。
勝手ながら、そんなちいさな期待も胸に秘めている。

この型紙がふたたび日の目をみるかどうかは別として、ね。


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