替え芯のあるフリクションボールペン。
どのタイミングでお別れするか――――。
クリップ部分が折れる。
よくあるよね。
ボディ部分がひび割れる(替え芯を入れ替えが続くと劣化するんだろうね)。
これもよくあるよね。
クリップ部分が折れるだけのときは、使い続ける。
それほど困らないからね。替え芯で乗り切れるうちはいいや、と。
ボディ部分のひび割れは、はじめはセロテープなどで補強して使い続けていたけれど、結構限界が早くくる。
手も疲れちゃうので、これはあきらめて捨てる。
折れていないクリップ部分と消しゴム部分がもったいないなと思いながら、
でもそこのボディがひび割れているから致し方ない。
消しゴム部分を使い切る――これはあんまりないのかもしれないけど、わたしは結構ある(どれだけまちがっているんだ)。
不思議と、クリップと消しゴム部分がきれいなまま、ボディがやられる。
逆に消しゴムを使い切ってしまうのは、ほぼほぼクリップが折れたやつ。
いつもなんとかしたいなあ、と思っているのだが、ふと思いついて、捨てる前のボディから消しゴム部分を切り取って、強力瞬間接着剤でつけてみた。
まぁ、うまくいかなくても仕方ない。
実際、強力な接着剤といえど、最初のころはしょっちゅう付け直すことになっていた。
いざ消すとなると、その力に負けてぽろっと外れてしまうのだ。
別の接着剤を探すべきなのかと思ったが、そこまでしなくても、と考えなおし。
いい加減あきらめるか、どうするか。
でも、なんだか悔しくて繰り返しくっつけているうちに、ぶかっこうながら定着してきた。
となると、今度は潮時が見つからない。
そう――いつまでがんばるべきか。
ボディがひび割れたり、ラバーの部分が破れたりしたら躊躇なく捨てられるのだが――消しゴムは別。
どうやら消しゴムに価値を置いているらしい、わたし。
なくなったら捨てる、でいいのか。
あるいはまた移植してみるべきか。
いや、ほんとは替え消しゴムを作ってほしい。
と、そんなふうに思って使っていたら、うっかり芯を出したまま取り落としてしまった。
ペン先がひんまがっちゃってインクが出なくなって、あらたにまた芯を入れ替えざるを得なくなる……ってやつ。
これも、実はよくやってしまう。
ちなみに、ボディはこういうときでもたいていひび割れない。
今回も、クリップ折れ・接着剤でつけた消しゴムつきのフリクションは、ボディは色こそくすんでいるが、ラバーもボディも大丈夫だった。
が、芯は折れた。曲がった。
………………やっちまった――。
芯が折れると心も折れる。
替え芯がないわけではないのだ。
ただ、替え芯をすぐに入れる気持ちになれず、からっぽのツギハギフリクション自体を捨てる気にもなれず――そっと置いておいて、別のフリクションボールを使う。
(ストック癖があるため、すぐに使える控え選手フリクションがいる)
でも、こいつもまた、いつ何が欠けることになるのか、とじっと見つめ、そうするとまたツギハギフリクションが増えるということになるのか……などと考えをめぐらす。
なるべくきれいな状態にしておくためには、使うのを控えたい。
いやいや、使うべきときに使わない、使えないというのはどういうことなのか。
本末転倒とはまさにこのこと、ではあるが、いや、しかし………………などと逡巡ループ。
潮時。
悩み中である。