不登校児へのアプローチ
文部科学省の調査(H23年度)では、不登校の人数は全生徒10,447,066人に対して117,458人(1.12%)と報告されている。前年よりは人数は低下しているが、まだ100人当たりに対して一人いることになる。そして、小中で比べてみると中学校のほうが不登校の比率も不登校の子の在籍学校数も圧倒的に多い。また、年度をまたいでの不登校人数も、中学二年生から50%を超えるようになっている。不登校になったきっかけと考えられる状況は、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」「親子関係をめぐる問題」「無気力」「不安など情緒的混乱」が多い。だが、文部科学省のきっかけの統計は本人から聞いたものではなく推察のものなので、あまり真に受けたくないというのが私の考えだ。
このような現状を打破するためには、どのような方法があるのかをコミュニティ心理学の観点から考えてみようと思う。
まず、考えられることは学校と児童相談所などの児童支援センターの連携である。この連携は、児童の相談だけではなく、教員の不登校の原因と考えられる要因の理解を得られやすくするための勉強会や指導も導入するものであればよいと思われる。児童の相談は、児童相談所から派遣できるようならばスクールカウンセラーや学校心理士が望ましいと思われる。なぜ、児童相談所からの派遣かというと、万が一のときに迅速に対応しやすい為である。
次に考えられるものは、東京シューレなどの文部科学省が掲げる学校教育が合わない子の受け皿を各自治体で作ることである。現状では、例に挙げた東京シューレなど受け皿としては存在しているが、どことも連携せずに独立したような状況になっているため、不登校の予防や問題解決のきっかけ・アドバイスなどがほとんどないからだ。また、そういったところはNPOなどが多く、お金もかかってしまうため経済的な理由の子などが生きにくいという難点もあると思われる。
受け皿はそれだけではなく、LD・自閉症スペクトラムなどの発達障がいの子らのものも必要であると思われる。こちらの受け皿は学校と親密は関係が重要だと思っている。なぜなら、発達障がいは教員の中ではまだ認知度が低いと思われるためである。東京都など力を入れている地区はどうかわからないが、私の住む富士市では、実際母校の教員に聴きに行ったがまだ認知度・理解度は低かった。知っていれば児童の心の傷を未然に防げるかもしれない、または傷を最小限にすることもできるかもしれない。そのためには、教員らの認知度・理解度を高めるためと共に、対応の仕方も学んでほしい。
そして、学校の在り方も見直すべきであると思われる。体罰問題が近年話題となっていたが、一昔では日常的であったと聞く。一昔までは学校=集団で生活するための礼節などに重きをおいていた部分もあったらしいが、受験戦争が激化するとともに学校=勉学を教える場所に変化してきていると思われる。また、保護者も集団生活を取る人と勉学を取る人で二極化しつつあり、学校という存在がすごく不安定な場所になりつつある。そのため、教員も立場か分からないままか、どちらかの立場かにたったとしても生徒は混乱してしまうと思う。実際、私は混乱してしまった。
もし、学校の立場がこのまま勉学に重きをおくのならば、児童の頃から人との交流が薄れてしまうと考えられ、一番人との交流が必要だと考えている私はとても心配している。それを解決するためには、ちょっとした公民館でもよいので学校に不満がある子らが交流できる場がほしいと思われるし、そこで人生の先達であるお年寄りの人らが話を聞くなど、いるだけで子供らの見識が広がるきっかけになると思われるし、お年寄りらの活気にもなり地域活性化につながると思われる。同じように、保護者ver.もあれば悩みを共有できるママ友ができ親子関係の解決にもつながるのではないかと思われる。