卒展に行ってきました。
人はなぜ、卒展に出かけるのか。
私が初めて卒展に出かけたのは昨年。
エゴン・シーレを観に東京都美術館に行った帰り、ふと見かけた東京藝術大学(藝大)の卒展を観たことがきっかけでした。本当は事前予約制だったらしいのだが、受付で話したら「いいですよ」と、あっさり会場内に入れてくれました。優しい。
もちろん卒展で展示される作品が、制作された大学生・大学院生達にとってのベストバウトであることには違いないと思います。ただ、それだけじゃなく、芸術の歴史を意識したかのようなオーソドックスな作品からちょっとした飛び道具を織り交ぜている作品、そして飛び道具そのものとか言えない、爆笑を禁じ得ない作品まで…こうした様々な方向性の作品が一同に会する展覧会は、実は卒展ぐらいじゃないかと。学生からすれば大学で展覧会が行える最後の機会でもあり、多種多様な作品がひしめき合う会場にはどこか文化祭のような雰囲気もあります。
今年は私用があって藝大の卒展には行けなかったんですが、昨日、恵比寿ガーデンホールで開催されている多摩グラ(多摩美術大学グラフィック学科)の卒展、そして国立新美術館で開催されている五美大(多摩美術大学、武蔵野美術大学、東京造形大学、日本大学芸術学部、女子美術大学)の卒展に行くことができました。
多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業制作展2024"LINE"
多摩グラの卒展に関しては、とにかく「こた」さんの作品が観たい、というのが念頭にありました。
こたさんはすでに絵本作家・イラストレーターとして活動をされており、さらにはテレビ番組『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日系列)に出演されたこともある方。幼少時代から架空の駅やそのディティール(駅の外観、時刻表、積雪量に至るまで)を考えるのが好きということで、放送を観ていた私も「すごいな…」とあんぐりしておりました。
そんなこたさんが卒業制作にぶつけてきたのが、ペンのみで描く架空の都市《未来都市KOTA》。かなりの大作と緻密な線描で、SNSなんかでその存在を知られた方もいるかと思います。「架空の都市」というのも番組および上のYouTube内で紹介されているんですが、緻密さはそのままに、さらにポップに洗練された進化を遂げておりました。
こたさんが絵本作家としてデビューされているということもあり、親子連れのお客さんが多いのも印象的。在廊していた、こたさんは笑顔で絵本のサインに応じられておりました。
2023年度東京五美術大学連合卒業・修了制作展
同じ恵比寿ガーデンプレイス内にある写真美術館でちょっとした小休止(?)を挟み、午後は国立新美術館へ。数日後にまた六本木に行く予定があったんでマティス展はパスして、五美大展に専念することにいたしました。
こちらは個人的に気に入った/気になった作品の紹介のみをしたいと思います(会場内でのテンポ、スピードを重視しているため、若干画角等が安定してない写真があります。あしからずご了承くださいませ)。
関根南《昼》(多摩・油画)
鈴木美梅《小坪の波止場からの眺め》(多摩・油画)
クラタ レイナ《人生ノ深層ヲ探ル》(多摩・油画)
栗原葉月《翠影の彼方》(多摩・日本画)
松本赳典《海獣》(多摩・日本画)
渡部真衣《Funny chase》(多摩・日本画)
矢口彩花《ヒューマンエラー》(多摩・版画)
勝又愛美《アイドルオタク》(日芸・絵画)
井上遥《月灯り》(東京造形・彫刻)
稲垣玲奈《untitled》(東京造形・絵画)
鈴木玲美《よくできたストーリー》(東京造形・大学院・絵画)
近藤光之介《日常》(武蔵野・版画)
大倉ウッド朱理《鏡面》(武蔵野・彫刻)
海老名楓《母国>母なる自然》(武蔵野・油絵)
高橋美紗貴《游》(武蔵野・油絵)
趙子涵《䞬木》(女子美・大学院・立体芸術)
黒尾瞳《私たちは絵の外側にいない》(武蔵野・油絵)
井上ひかり《work(unstable)》(武蔵野、油絵)
小田彩花《救い》(女子美・洋画)
小川美月《drawing0》(女子美・版画)
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