映画「アアルト」※一応ネタバレ有※
建築家・デザイナーのアルヴァ・アアルトが設計した建物、そして二人の妻アイノとエリッサとの関わりとともにアアルトの人生を振り返る映画。静かな画面・ナレーションも相まり、全体的にアンビエントな映像だったかと思います。
個人的にはアイノと死別した際、アルヴァによって描かれたスケッチが印象に残りました。決して穏やかではないだろう心境の中描かれた、整った線で描かれたアイノの姿。後年、ある建築物のデザインについて「フリーハンドとは思えないほど的確」という指摘があるのですが、アルヴァの真髄はこの冷静さなのかもしれないと思いました。
その他、モホリ=ナジやル・コルビュジェなどの影響を指摘しているのもなるほどというところ。アアルトのようなシンプルなデザインが受け入れられた社会的背景、国民年金協会ビル(1953~56)が好評を博さなかったことも包み隠さず紹介されています(独特の装飾性が権威主義的と受け止められた模様)。数十年前は新しかった表現が時代とともに保守的なものとして受け止められる…時代の流れを感じます。
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